二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

( 一話 ) 帝国学園 ( 亜美視点 ) ( No.10 )
日時: 2011/06/28 19:56
名前: 憐卯 ◆Oq2hcdcEh6 (ID: qsw8GWEd)


 あの方からの命で雷門中学校に転校して、一日が経つ。私のクラスにまた新たな転校生——噂のエースストライカー、豪炎寺修也と不思議な女の子、彩音——がやって来た。豪炎寺くんは知っているので彩音ちゃんのことをあの方に言ってみたけど、何も返事は来なかった。きっとあの方は彩音ちゃんのことを知っているのだろう。だけど私は何も言わない、言えない。口出しなんて出来ないしね。
 そして、二日目。何かサッカー部が部員を急募しているらしい。何やら、帝国学園が来るそうだ。面白そうだから参加していいかな、なんてあの人—あの方とは別だ—に尋ねてみたら、別に良いんじゃないかという答えが返って来たので参加しようかなあ。

「えんどーくん、」
「お、亜美じゃねえか!」
「サッカー、やろうよ?」

 そう言うと、二つ返事で返された。おう、勿論だぜなんて。そう言えば、私は試合に参加出来るのだろうか。いまいちよくわからないけど、取り敢えず参加してやろう。ま、帝国に勝つ気は無いけどね。だって面倒だしさ。
 試合当日(早いとか言わないの)。何か変な方々——失礼だけど、本当に変なのだ。ゴーグルマント、とか、何かお面とかマスクとかさ。眼帯くんも居るよ。あのゴーグルの人って確か鬼道だったよね。何かで観た気がする。
 なんて頭の中でぐるぐると考えていると何か試合が始まろうとしているのに、壁山くん(?)が来てないみたいだった。よし、面倒だから私は此処に残ろう。なんて考えていると、彩音ちゃんが焦った様子で此方に向かってくる。そう言えば、彩音ちゃんはマネージャーになったんだっけか。

「ねえ、壁山くんが——!」
「ん、分かってるよ」

 こくこくと相手の言いたいことを理解してそう言えば如何しよう、なんて呟いているので「だいじょーぶ」なんて気休めな言葉を掛けてみる。
 自分だけがグラウンド(ここ)に居るのは可笑しいのか、変な目で見られるけど気にしない。ことは出来ず、思わず此方を見ている帝国の方々に突っかかってしまった。

「あのさあ、何でこっち見るわけ? 不愉快なんだけど——……」

 はあ、と溜息を吐きつつ呆れた様な視線を向ける。帝国のGKが仏頂面で何でお前は行かないんだ、みたいな言葉を掛けてくるので、私も仏頂面で返してやった。

「だって、仲間じゃないし」

 その言葉を訝しむ帝国を無視し、どうやら壁山くんが見つかった様子なので試合開始の為に整列する。何だかつまらなさそうな試合だなあ、と思いつつも私はベンチへと戻る——予定だった。しかし、私があまりにも出たそうな顔をしていたのか知らないけど、取り敢えずいきなり目金と変わって貰った。あれ、そう言えばエースストライカーの豪炎寺くんは如何したのかな。サッカー部に入んないのかな。

「……さ、私のサッカーを始めようか」

 にんまりと笑みを浮かべつつ、私のサッカーが幕を開けた。