二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re:      朱と赤と、 。【銀魂】 7/4up! ( No.6 )
日時: 2011/07/04 16:11
名前: 葵 (ID: GSWgO850)

▽ 2話 敵と味方の区別ってどうやってつけてんの?



 ————



 拝啓____私の大嫌いな親友へ。

 私はどうやら、お前のいない世界へ来てしまったらしい。
 これからはお前のいない世界で幸せに暮らそうと思っている。
 …………が、とりあえずは____。


「こいつらからどうやって逃げるんだぁああああああああぁああぁ」
「大人しく捕まりやがれぇえええぇええ!」
「逃げるとは尚更怪しい奴ですねィ。今すぐ神妙にお縄に付くべきだと思いますがねィ」


 後ろから近付いて来てるのは、バズーカをいきなりぶっ放して来る奴等。

 いつからこの日本は銃系統を持っていても大丈夫になったんだ!
 というか、私何にもしてないのに……何故!?
 え、私何?
 気を失っている間に愁に罪でも擦り付けられて…………。

 ……………そうに違いない。
 あいつ、次会ったら殺してやる……っ!


「逃げるって事は、桂の仲間に殆ど間違いねぇだろうな。急いで捕まえるぞ総悟!」
「土方さんの言う事聞くなんて、今日が最後ですぜ?」


 足が疲れて来て、速度が自然と落ちる。
 それを見抜いたのか、随分と可愛らしい顔立ちの男がバズーカをまた取り出し、至近距離であるに違いないというのに引き金を、引いた。








 あ、死ぬ。






 これを思ったのは、二度目。
 けど、当たると思っていたバズーカは私に直撃する事無く、むしろバズーカの音だと思っていた音は、爆弾の音だったらしい。
 先程まで追い掛けていた二人の姿は煙で見えず、目の前にはたった一人の男が凜と佇んでいた。
 黒髪長髪____やはり先程から見る着物を着た、男。


「あ、アンタ誰————」
「話は後だ」


 名前を聞く暇すら与えられず、そいつは私の手を引いてその場から逃走し始める。
 けれど私の足は既に限界で、引かれて走った所で先程までの様にスピードが出ない。
 このままでは、またさっきの奴等に追い付かれてしまうだろう。

 ……でも、この人……何処かで……?


「待てぇえええええぇええぇ、桂ぁああああぁああぁ!」


 煙の中から、目付きの悪い男が凄いスピードで出て来た。
 それに続いて、あの可愛らしい男も。

 ……桂?

 その名前に、私は聞き覚えがあった。
 先程見た、指名手配書に載っていた名前____そして、その顔だ。


「あ、アンタまさか指名手配犯……っ」
「そうだ。桂 小太郎だ」


 ……何て事。
 どうやら、私を追い掛けていた二人組は警察らしい。
 ……拉致られた。

 その事実だけがグルグルと頭を回る。
 足が遂に動かなくなった時、桂と呼ばれる長髪の男は私を抱き上げ、速度を上げた。


「ちょっ、はぁっ!?//」
「大人しくしていろ」
「大人しくしてろじゃなくて、私アンタと何の関係も無いのに警察から逃げ回らなくちゃなんないのよっ!」


 けど、時既に遅し。
 どうやら逃げ回る為に鍛えられた健脚は、私の想像以上に早かったらしい。
 既に先程の二人の姿は無く、私は唖然とした。



「……どうしてくれんのよ……」




 私、警察に敵と見なされる事になっちゃったじゃない。