二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【REBORN日常】Distance【くたばれんたいん】 ( No.133 )
日時: 2012/02/17 18:17
名前: 北大路 ◆Hy48GP/C2A (ID: vlinVEaO)
参照: http://www3.hp-ez.com/hp/distance-urabana/

#34「そうか、気持ちがこもっていればなんでもいいか」


京子、ハル、ユナは仲良くチョコレートを作っていた。
一方でユウはただじっと、3人を見ているだけだった。

「暇だなあ」
「手作りにすればよかったのに」

とか言ったと思うと、ユナは誰も頼んでなどないのに
勝手に手作りチョコのよさについて語りだした。

「手作りだから思いがこもってて……」

右から左へと受け流しつつも、ユウはそれとなく話を聞いていた。
しかしユウも贅沢な奴である。暇なら話ぐらい聞いてればいいのに。

と、ドアチャイムが鳴った。

「なんだーなんだーなんなんだー」

ユウはヘンテコな歌を歌いながら玄関まで駆けていった。

「宅配便ですー、ハンコお願いします」

宅配員の風貌に見覚えがある。
茶髪に、茶色い目。そして身長は低く、童顔。

アリスだった。

「……あんた何やってるんだ」
「バイトだけど」



「差出人がヴァリアーなんだが」

アリスから受け取った小さなダンボール(しかも着払い)。
一体私たちを何だと思ってるんだろう? とユウは思った。

「律花からのお返し?」
「かもなあ」

そう言いながら封を開けていくユウ。
ユナたちはカウンターキッチンからそれを見ていた。

中身は、エアパッキンにも、
あの鳥の巣みたいにフワフワしてる、シュレッダーで処理したみたいな
刺身の付けあわせの大根のような紙が敷き詰められているわけでも無かった。

小ぶりの、ピンクのハートの形をした箱。
茶色のリボンでデコレーションされているようだ。

「コレ……中はチョコだぞー」
「マジかよ!」

ハートの箱を開けてみると、そこには美味しそうなチョコレート。
一緒に手紙が入っていた。

『ユウちゃんへ

チョコレートありがとう
美緒ちゃんにも宜しく言ってね☆
とりま、お返しだよ^^

 律花』

可愛い字で書いてあった。

「食べよ」

そういってユウは入っていたチョコを全て食べた。

*ユウ視点

「……」

後頭部に痛みを感じ目を覚ます。
おや、ここは?

というか、今までどうなってたんだ?

天井が真っ白、薬品の匂い。病院? でも何故……?

仰向けになってた身体をゆっくりと起き上がらせた。

「痛え」

後頭部が痛い。
手を当てれば包帯が巻かれている。

「ユウー」

見慣れた茶髪。姉のユナだ。

「お前、テキーラ入りチョコ食って、酔って家の柱に頭ぶつけたんだよ」
「そうなんだー、律花はテキーラ入りのチョコをくれたのか」

とんだ災難であった。



ハッピーバレンタイン。