二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【REBORN日常】Distance【白蘭が居候するようだ】 ( No.145 )
- 日時: 2012/02/27 18:39
- 名前: 北大路 ◆Hy48GP/C2A (ID: vlinVEaO)
- 参照: http://www3.hp-ez.com/hp/distance-urabana/top
#40「ニーハオ。ツァイツェン。」
アリスに注文の内容を計4回された上に、
誰も頼んでないウーロンハイが来て、ユナがお茶と勘違いして飲みかけた。
向かいの円卓で厳つい顔の中年男が、こっちをずっと見ているので、怖くなったツナが、かなり思い切って「何どすか」と言った。やってもたー。
緊張のあまり京都弁が出てきたようだ。
ツナは京都出身ではないが。
中年男は、ユナを指さして「そり酒とちゃいまっか? ガキが酒飲んだらあきまへんで」と、バリバリの関西弁で言った。
「そりゃ失敬」
誰に失敬したわけでもないが、ユナが下手くそな関西弁で中年男に言った。
「わて刑事でまんねん、お嬢ちゃんもうちょっとで……」
全員の背中に寒気が走ったのは言うまでもなく。
*
頼んでた料理が次々と運ばれてきた。
「うまそう」
「まだ全部来てないから、もうちょっと我慢しないとね」
早く海老チリが食べたいツナと、それを優しく我慢させる京子。
これにはツナもたじたじ。
「マーボー豆腐と杏仁豆腐になります」
ユナとユウの頼んでた料理が来た。
「半チャーハンとラーメンは?」
「ピザは?」
恵作とディーノが店員さんに訊いた。
あるわけないだろうよ。ここ中華料理店だから、とユウと獄寺が言った。
「半チャーハンとラーメンの方は間もなく出来上がります」
あるんかい。
ほぼ同時にツナとユウがツッコんだ。
「ピザの方は、只今『ピザーズ』に注文を入れましたので少々お待ちください」
まさかの外部からお取り寄せ。
この対応の良さこそが、この店の人気の秘密なのかもしれない。
「了解」
恵作が嬉しそうに言った。
ここにまで来て食べるものではないと思うけど。
*
「「いただきます」」
やっとの思いで料理が食べられる。
「海老チリ食べたい人食べていいよ」
ツナが言った。
海老チリは京子の分もあるので、比較的多く食べないといけないようだ。
「じゃあマーボー豆腐もどうぞ」
「餃子もどうぞ」
すると、皆が食べたいモノを食べ出した。本来の円卓ってこんな使い方するんだっけ。
そうすると、グルグルと皆が円卓の回転する台をややゆっくり回す。
ユウもまた、自分の一番遠い位置にあった海老チリを食べようと、円卓を回そうとした。
が、回らなかった。
不思議に思ったユウだが、とりあえずもう一度円卓を回した。しかしまたまた回らなかった。
ふと顔を上げたら真正面で獄寺が、ユウとほぼ同じ表情をしていた。
「……私右に回したいんだけど」
「……俺は、おまえから見て左に回したい」
しばらくお互い黙っていた。
相手が回さないので、自分が回してやろうとしたら、また同時に回してしまい、動かない。
「……何で同時に回すんだよ」
獄寺はキレかけの様子。
しかし地味な争いであること。
「……それはこっちの台詞だっての」
ユウが言い返した。
「……」
「……」
何ともいえない空気が漂う。
と、二人が争っている間に、山本が円卓を回した。
獄寺とユウの視線をものともせず、山本はマーボー豆腐をよそった。
自分の目の前に、海老チリが回ってきていたので、ユウは海老チリをよそって食べ出した。
プリップリの海老と、ピリッと辛いチリが、絶妙にマッチして、とてもおいしかった。
「うめえ、生きててよかったわ」
些細なことだが、改めて母に感謝である。
*
「お会計は17000円です」
割引前の価格は、と思うと……、
本当にありがたい「褒美」であった。
「じゃあユウ、ゴチです!」
……心底感謝である、8割引。