二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【REBORN日常】Distance【企画進行なう】 ( No.156 )
日時: 2012/03/23 18:54
名前: 北大路 ◆Hy48GP/C2A (ID: vlinVEaO)
参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode

#42「見てるところおかしくね?」


「ん〜……」

リビングのソファに座っていたユナが、
ものすごくテレビを睨みつけながら悩んでいた。

テレビの画面は、『P様』という
言わずと知れたクイズ番組が放映されていた。

今出ている問題は「高さ3センチ、円の半径3センチの円錐の面積は?」と言う問題。

あのユナが珍しく勉強系の番組を正座しながら観ている。
驚いたユウは、姉の横に座って、同じく画面を睨みつけるように見た。

「ん〜ぅ……」

ユナは腕を組んで首をかしげながら、
テレビ画面を穴が開くほど見ていた。

「πr2乗×3分の1だっけ」

ユウが呟いた。
しかしユナは黙っていた。

ユナはしばらくしてこう言った。

「右端の人……イケメンなのか……なあ?」
「見てたのそこかよっ」



如月ユナは、言わずと知れたイケメン好き。
イケメンを見つけると、すぐ惚れてしまう困った人。

「あの右端の人はイケメンだな、うん」

一人で納得したユナ。
今度は名前が分からず悩み始めた。

「でもアイツ、態度悪すぎて主演ドラマ降ろされたってよ」

ユウが言った。

「それは聞いたことがあるけどね」

ユナが相変わらず画面から目を離さず言った。

「何か、撮影が始まるって監督に言われても、
『眠たいからもうちょっと待って』って言ったらしいな」

ユウは表情一つ変えず、画面の向こうのバカ正直に円周率を3.14として計算して
不正解とみなされた男優を見ていた。

「そうか、そりゃひどいな」

と言いつつも、目はまだイケメンを追っていた。
そして、画面の向こうではイケメンが答えを言っている所だった。

『夏川さん、正解でーす!』

あのイケメンがガッツポーズをして大いに喜んでいる姿が映っていた。
これ、もしかして演技? というユウの見解、どうでしょう?

「そっか、夏川というのかー」

相変わらず画面を見ながらユナが言った。

「あー、確か夏川天馬とかいう名前じゃなかった?」

姉の方に視線を向け、ユウが言った。

「てんま? 芸名かな」
「本名じゃないだろ」

姉妹は名前について語り始めている。
イケメンかどうか、性格がどうとか言う話題は彼方へ飛んでいた。

「てんま……どんな字を当てんの?」

ユナが聞いた。視線は相変わらず画面上の夏川に向けられている。

「天国の『天』に、『馬』じゃね?」

ユウが言った。

「似た名前の技を持ってる人居たような気がする……ディーノか?」

え? と思いつつもユウは姉の方を見ていた。

「確か『跳ね馬乱舞』だっけ?」
「馬しか合ってないし」

ユウが言った。
だからバカって困るのよねー、とはユウの弁。

「話がかなり脱線していないか?」

ユナが言った。
そもそも。そういう風に持っていったのはアンタだから。

「誰のせいだよ」

ユウが言った。姉に対して容赦なし。

「……ディーノのせい」

力なくユナが呟いた。

「あほう」

呆れたユウは、ユナの頭をテレビのリモコンで軽く叩いた。

「痛えよっ」
「ディーノ関係ねーよ」
「だからってそりゃねーわ」
「黙れー」

……どつき合いが始まった。

日曜日の昼下がり。
テレビにかじりつく仲良し姉妹の図。