二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【REBORN日常】Distance【企画進行なう】 ( No.160 )
日時: 2012/03/30 19:03
名前: 北大路 ◆Hy48GP/C2A (ID: vlinVEaO)
参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode

#44「不吉な数字、不吉な予感、……てへぺろっ!」



「これ……君がやったんだよね」

キラキラの「風紀委員便り」を手に、雲雀が鋭くユウを睨む。

「そうだと言ったら……」
「……咬み殺す」

トンファーを構えて、ユウを睨みつける雲雀。

「殺る気マンマンじゃねーか」

全身に冷や汗。ユウはこれでも意外と喧嘩した事ない。

「当然だよ」

目が完全に怒っている雲雀。
何を言っても許すつもりはなさそう。

「とりあえず。楽器は安全にしないとな、逃げないから待ってろ」

言い終わらないうちに、ユウは応接室を飛び出した。
もちろん、楽器を持って。
しかし、ユウは譜面台を忘れてきたのに気付いた。

ヤバイ。だが戻れば確実に……。

ユウは廊下で立ち止まった。
そして、17年前の卒業制作で作られたピンク色のベンチの上に楽器を置いた。

と、その瞬間に妙案を思いついたユウ。

「譜面台、武器になるかも」

応接室のドアを引いて開けると、粉まみれの黒板消し……ではなく
殺る気に満ち溢れた雲雀が、奇襲をかけてきた。

トンファーを振りかざす雲雀。
流石に予想外だったが、ユウは素早く右にかわした。

しかし、休む間もなくトンファーが、右から左から真正面から振りかざされていく。

「譜面台……」

とっさに、右手に譜面台を取ろうとしたユウだが、
雲雀はそれを見逃さなかった。そしてユウの右腕に、容赦なくトンファーをぶつけてきた。

「うっ……」

ユウはその場にしゃがみこんだ。
鈍い痛みが走った。骨が砕けそうだ。

「逃げてばかりでつまらないな」

そう呟く雲雀。そして背を向けようとした。

今だ……。

全力で、雲雀の方へ猛突進するユウ。
だが、勘のいい雲雀は、またトンファーでユウを跳ね飛ばそうとした。

様に見えたが……。

「……へっ」

雲雀のトンファーと、ユウの手に握られた譜面台が、金属音を立てながら押し合っている。

「なかなかだね」

少し嬉しそうに微笑む雲雀。
しかし、右腕に受けたダメージと、全力疾走で、大分ユウの体力が削られてきている。

「……あんたにゃ敵わないさ」

雲雀に負けじと、凄い目力で雲雀を睨みつけるユウ。

「その目、気に入らないな……」

軋み合うトンファーと譜面台。
譜面台が意外とタフでユウは若干驚いている。

「今回した事はすまないと思ってるよ」
「当然だよね」

ガキィン! と音を立て、譜面台が半分に割れた。
その反動で、ユウは後ろに大きく飛ばされ、尻餅を突いた。

「ごめんで済むなら、警察なんかいらないよ」

体力の限界の近いユウに、凄まじい殺気を纏った雲雀がゆっくり近づいてくる。あいむだいいんぐ。

「君はここで……」

トンファーを大きく後ろに振りかぶる雲雀。
目だけはしっかりとユウを捕らえている。

「咬み殺す」

トンファーが振り下ろされた。

ユウは、右手に持っていた譜面台の半分に割れた残骸で、
与えられるダメージを少しでも抑えようと、顔の前を覆うようにして、トンファーを防いだ。

ガキイィ……ン!!

二つの金属がぶつかり合う音だけが、部屋に響いた。