二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【REBORN日常】Distance【参照1000超】 ( No.173 )
日時: 2013/01/18 19:48
名前: 北大路 ◆Hy48GP/C2A (ID: cFR5yYoD)

#51「Be My Valentine-One」

2月上旬。

この時期から、いずれやってくる2月14日の心配をしている奴が現れ出す。
にしては早いかな? でも、もう気になってる人もいるのでは?
てか、そういう心配してる人って、大体は貰えないことを心配するよね?

まあともかく、ここにも、そんな悩める仔羊がいる。




「そんな前振りすなー!!」

2月上旬、寒い季節を温めるような恋がしたいと考えてる……かどうかは不明の沢田綱吉である。

現在、下校中。

ふと獄寺が、「バレンタインデーっていつだっけか」と発言したのが発端。
獄寺は、「その日サボろうと考えてる」とか言っていた。

雲雀の視線とか気配を感じた気がしたので、獄寺は黙った。気のせいだった。

その横で、心中穏やかでない様子のツナ。

そう。貰えないのが心配なのだ。
獄寺は、貰いすぎで鬱陶しいから学校を休みたい(ツナの勝手な解釈)とまで言ってるのに……。

「んーで? 今年はビアンキからちゃんとチョコ貰うのかーい?」

ツナの方を見ながら、めっちゃニヤニヤ笑ってるユウ。

ちなみに、去年バレンタインデーにビアンキからチョコの受け取りをツナが拒んだので、ホワイトデーに散々な目にあったのだが、またそれは別の話。

「如月こそ、また何かあの……手抜きチョコとかあげるつもりなんじゃないの?」

ユウは去年、「千口ノレ(せんくちのれ)チョコ」とかいう、スーパーで買ってきたようなチープなチョコを、友人という友人に配り回っていた。

ただし、学校では渡さなかった。無理に決まってる。だって雲雀が……。
しょーがないから、休みの日に歩き回って、わざわざ家まで届けてやったのだ。
ユウは「くそー風紀委員厳しすぎなんだよバカヤロー」と心の中で呟いたが、それと同時に雲雀の顔が浮かんだので、それ以上何も考えず歩いた。

これが、今年も待っているわけだ。
やってらんねーってんだよバカヤロー!!
……という感じの銀髪天パ侍口調に、思わずなっちゃうユウである。

「はは、如月は今年も手作りしないつもりか?」

山本の無邪気な質問のおかげで、やっと江戸のかぶき町から現代の並盛に還ってきたユウ。

「まあ、ビアンキの手作りよかマシじゃないか?」
「はは、まぁ……な」

そんな会話をよそに、獄寺は顔を真っ青にしながらも、平然を装っていたわけだが。

「ねぇ、ユウちゃんも一緒に作る? バレンタインチョコ」

京子が話しかけてきた。

「んー、でもユナは絶対来るわな」
「ホント? ハルちゃんとクロームちゃんも誘っていいかなー?」

ユウは、行くか行かないか決めかねていたが。
こう言われたら、……行くしかないのか?

「お、おー、いいんじゃない?」

そして、ついうっかり「行くつもり」の感じで返事してしまった。

「如月……、お前、マジか?」

獄寺も勘違いしてる感じだった。
つーかそれ、どういう意味なんだ? とはユウの弁。

「そりゃーお前、ビアンキよかマシだよー?」

ユウがそう言った途端に、ツナが吹いた。
それにつられて、みんな笑い出した。

「そりゃそーだな!!」

山本が笑い飛ばす。が、そうじゃなかったら洒落にならん。マジで。

しばらくして、帰る方向が違う山本と京子と、コンビニの近くで別れた。

「そーれではー、」とユウが言ったら、
「またあーしたー」と山本が答えた。そう、アジカン。


「あ、なるほど。あのヤツか」
「うん」

ユウの言ったことを理解したツナ。
京子は不思議がっていたが、あまり気にしてなかった。




如月宅。

早速、今日の帰路での出来事を掻い摘んで姉のユナに話したついでに、京子が一緒にチョコ作ろうと言っていたことを伝えた。

ユナはすぐ食いついてきて、絶対行く!! と声高らかに言った。いきなりテンション高くなったし。

「うーん、今年は誰に本命作ろうかなー? 恵作? 気まぐれさん? ディーノさん?」

最近会ってない人から、海の向こうにいる人まで、沢山の数の「本命」が……いるらしい。

ユウは、京子に電話入れようかなーとか考えながら、ユナの話を聞き流していた。

「ところでところで、今年はアンタ誰かにあげるのかい? 本命チョコ」

急に真顔になって、ユナが聞いてきた。
だが、ぼんやりしてたユウは、一瞬面食らって、かなり間抜けな顔で「はいぃ?」と言ってしまった。

すかさず、ユナが「右京さんか」とつっこんだ。

「僕としたことが、迂闊でした……。延々とイケメンがどうとか語り続けるのかと思って、全く聞いていませんでした」

右京さん口調で言い訳したら、ユナに軽くシバかれた。

「しばくぞ」

ユナはそう言って、まだしばいてこようとした。

「もうシバいてんだろー、このしばくぞおじさんがっ」
「おじさん違うわ、まだJKじゃい」

すると、キッチンからその様子を見ていた母が言った。

「うるさい、しばくぞ」


「あい、さーせん」
「すいやせん」