二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【イナイレ】 We are player ! ( No.4 )
日時: 2011/07/20 17:19
名前: ろくもり (ID: UfUkp6Ds)

2話=練習試合=



円堂たちのクラスに不良が吹っ飛ぶほど凄まじいシュートを持った豪炎寺が転校してきた。
そんな豪炎寺はサッカーの名門校「木戸川清秋」にいたという。
円堂はサッカーの名門校にいたということもあり、豪炎寺にますます興味を示したのか、
その日の休み時間に梓も引き連れて豪炎寺に話しかけていた。


「なぁなぁ、お前もサッカーやるんだろ?木戸川清秋ってサッカーの名門校だもんな!
そうだ!よかったらお前もうちのサッカー部に入らないか?」
「円堂、お前一気に喋りすぎだぞ。」


テンションが上がりまくっている円堂は梓の注意も聞かずにずっと喋っていた。
そんな円堂に向かって今まで何も喋らなかった豪炎寺が口を開いた。


「サッカーは、もう辞めた。」
「え?」

豪炎寺はそう言ってその場を立ち去った。
円堂はその言葉を聞いて意味が理解できずにただ、ポカンとしていた。
梓も豪炎寺の突然の発言に驚いたようにポカンと立ち去っていく豪炎寺の背中を見送っていた。
そんな二人の傍に半田が慌てたように駆け寄ってきた。


「円堂!校長先生が呼んでたぞ。何か、サッカー部のことらしい。」
「校長が?何でまた。」


梓の問いに半田は不安そうな顔色で言った。


「知らないけど・・・ま、まさか廃部の話じゃ・・・」
「そんなっ、廃部だなんて!」


半田の言葉に近くで聞いていた秋も不安そうに声を上げた。
そんなどんよりとした空気を振り払うように円堂が口を開いた。


「取り合えず行って来るよ。廃部になんてオレがさせるもんか!」


円堂はそういって教室を出て行った。
円堂のおかげなのか、3人の表情は不安そうなままだが、
どんよりとした空気はなくなっていた。


そして部活の時間となり、円堂が唐突に部員達に告げた。


「帝国学園との練習試合が決まった!」


校長に呼び出されたのは練習試合のことだったらしい。
だが、この練習試合に負ければサッカー部は廃部になるという。
それを聞いた部員達は否定の声を上げた。


「練習試合と言っても人数が足りませんよ!」
「足りないなら集めればいいだろ?」
「そんなこと言ったって試合は明後日だぞ!そう簡単に行くかよ!」


部員達の声に押されそうになりながらも円堂は説得を続けた。


「お前達だって廃部になるのは嫌だろ!?」
「そうだな、円堂の言うとおりだ。オレはやるぜ、円堂。」
「! 梓!」


そんな円堂の説得に乗ったのは梓だった。
梓は目を輝かせて自分を見てくる円堂に、にひっ と笑ってみせた。
それでもまだ部員達は乗り気ではなく、円堂、梓、秋の3人での部員探しが始まった。




そして、練習試合当日————


「なんとか部員が集まったな。」
「あぁ!皆ありがとな!」

円堂たちの頑張りで部員達もやる気をだし、メンバーもそろった。
集まったメンバーは 風丸、マックス、影野、目金の四人。
試合は十分できる人数となった。


全員がグラウンドに出ていると、突然辺りが霧に囲まれ、巨大な船のようなものが出現した。
その中から赤絨毯の上を帝国学園の生徒が歩いて出てきた。

霧が晴れてから円堂はドレッドヘアーにゴーグルマントの帝国のキャプテンらしき少年の下へ駆け寄った。


「オレは雷門中サッカー部キャプテンの円堂守!今日の練習試合、よろしくおねがいします」


そういって円堂は少年に握手を求める手を差し出した。

「帝国学園サッカー部キャプテンの鬼道だ。始めてきたグラウンドなんでね、少しウォーミングアップをさせてもらっても構わないか?」


そういって鬼道と名乗った少年は円堂が差し出した手を無視した。
だが、円堂は気にせず鬼道の申し出を承諾した。


そんな中、鬼道の呼びかけで集まっていく帝国の選手の一人に梓が声をかけていた。
しかも、その選手は梓と顔が瓜二つの少年だった。


「よっす、イオリ。まさかお前と試合するなんて思わなかった。」
「梓か。オレも思わなかったさ。聞いた話だとこの試合にお前達の部活の廃部がかかってるんだってな?」
「そうなんだよなー。今日はお手柔らかに頼むぜ?」
「断る。手加減なんて誰がするか。じゃ、オレもう行くから。ま、頑張れよ。“兄さん”」
「ちぇっ。こんな時だけ兄さん呼びか、馬鹿“弟”」

庵と呼ばれた少年はブーブーと後ろで文句をいう梓を尻目に帝国のチームの方へ向かって行った。

梓も雷門の方へ戻って行った。
そのときに円堂やチームのメンバーに庵のことを聞かれた。

「梓!さっき話してた奴誰だ?」
「顔もお前ソックリだったぞ。」


チームメイトの質問に梓はしれっと答えた

「あぁ、アイツは庵っていってな。オレの双子の弟だ。」


梓があまりにしれっとした風に答えたため、数秒周りに沈黙が訪れたが・・・


『ふ、双子ぉ!?』


チームメイトはそんな事実は初耳で、全員が声を揃えて叫んだ。
この時、帝国側からも同じ内容の叫び声が聞こえたのは、多分・・・いや絶対、帝国も同じ状況にあったからというのは言うまでもない話であった。