二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 第六十二話 アジトを駆ける者たち ( No.168 )
日時: 2012/11/11 23:29
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: a8bifGsH)

地下二階。
キラは、懐かしの顔と対面していた。
襲い来る下っ端を楽々と撃破し、突き進んでいたところ、危険分子と判断されたらしく、七将軍をぶつけられたのだ。
そいつは、
「何だ、誰かと思えば、この町であたしに追い詰められた雑魚かよ。こんなのが危険分子なんて、これだから下っ端は使えない」
アンタレス。
イビルの制服をドレス風にコーディネートした、ピンクの長髪の女だ。
「へっ、お前かよ。前の因縁を、ここで晴らしてやるぜ」
だが、キラも強気だ。前に敗北した恐怖心は一切見せない、というか一切無い。
「因縁を晴らす? 以前あたしにボコられた雑魚が、言ってくれるじゃない」
「悪いけど、昔とは違うぜ。口先だけかどうか、試してみろよ!」
その言葉を引き金に、二人は同時にポケモンを取り出す。
「そーら出て来いよ、ドラピオン!」
「さあ行くぞ、メタゲラス!」
アンタレスのポケモンは、以前キラを圧倒したドラピオン。
キラのポケモンは、装甲を被り、額に剣を付けた、鎧角ポケモンのメタゲラスだ。
「ふん、そんなポケモンであたしに勝てるのかよ! ドラピオン、ダークカッター!」
ドラピオンは黒い刃を飛ばして、メタゲラスを攻撃する。
しかし、メタゲラスの堅い装甲には、ほとんどダメージは通っていない。
「今度はこっちからだ! メタゲラス、メガホーン!」
メタゲラスは剣を構えて突進、ドラピオン目掛けて思い切り突き刺す。
「甘い! ドラピオン、受け止めろ!」
ドラピオンは両手の鋏でメタゲラスの角を掴み、メタゲラスの動きを止めてしまう。
だが、
「甘いのはお前なんだよ! メタゲラス、ドラピオンを持ち上げろ!」
メタゲラスは角を思い切り上に振り上げ、決して軽くないドラピオンを軽々と持ち上げる。
「さあ、そこから投げ飛ばせ!」
そして、その角を振り回し、ドラピオンを投げ飛ばした。
ドラピオンは通路の機械に激突し、爆発が起こる。
しかし、そこは七将軍のポケモン。爆発の炎をものともせず、ドラピオンは立ち上がる。
「どうやら、貴様の言うとおり、少々甘く見すぎていたらしいな」
アンタレスが、不敵に笑った。


運良く、下っ端と一人も遭遇せず、一番乗りで地下三階まで到達したシアンは、目の前にあった扉を開ける。
中の部屋は蝋燭の火の光のみで照らされ薄暗く、髑髏や人体模型が置かれ、いかにも不気味な部屋だ。
普通の人なら震え上がってしまうような部屋だが、シアンは特にリアクションも上げない。
そして、その部屋には先客がいた。
紫のぼさぼさの髪に、つぎはぎだらけのイビルの制服を改造した服を着た女、イビル七将軍のシャウラだ。
「む」
シアンに気づいたシャウラが振り向き、シアンを睨む。
「…あれ、敵だ」
特にシアンは動揺しない。
そして二人は、黙ってモンスターボールを取り出した。


スミレは、通路を駆けていた。後ろからは、大人数の下っ端が追ってくる。
だが、それくらいでジムリーダーは怯まない。
「よし、出でよパンプッチ」
素早くスミレはパンプッチを繰り出し、技を指示する。
「パンプッチ、ちょっと頼むよ。この面倒くさい下っ端軍団を足止めだ。重力波!」
パンプッチは強い重力の波を放ち、下っ端にかかる重力を強め、下っ端の動きを止めてしまう。
「ありがとう、パンプッチ。さあ、先へ進もうか」


フウカが侵入した部屋は、アジト全体を把握するモニタールームだった。
中には十人ほどの下っ端がいた。
「ヒョウカク、吹雪!」
下っ端たちが動き出すより早く、フウカは白く美しい体に立派な鋭い角を持つ、イッカクポケモンのヒョウカクを繰り出し、吹雪を起こして下っ端を(死なない程度に)凍り付かせてしまった。
「突然すいません。用が終わったらすぐに溶かしますから」
一応謝り、フウカはモニターを調べる。
アジトの最奥部は地下五階。モニター越しに何人かが戦っているのが見える。
更に、通路を移動する下っ端や、上手く下っ端をかわして先に進んでいくスミレも映っている。
そして、フウカの目に入ったのは、地下五階の一室の映像。
ソファーに座った、肩に付くくらいの金髪に、紫を基調としたスーツ系の服を着た男が映っている。
「すいません、この男の人は?」
フウカは、一番近くで凍り付いていた下っ端の氷をヒョウカクに割らせ、尋ねる。
下っ端は最初答えようとしなかったが、ヒョウカクが角を突きつけると一気に震え上がり、
「リ、リゲル様です! イビル七将軍のリゲル様ですよ!」
割とあっさり答えた。
「じゃあ、この部屋への一番近道の通路を教えてもらえませんか?」
再びフウカが尋ねると、下っ端は怯えた声でその通路を言った。
「わかりました。出てきてくださいテイルーン、熱風です」
フウカは雲ポケモンのテイルーンを出し、熱風で下っ端の氷を溶かすと、その通路を走っていく。



アジト編の続きです。よし、これでアジト壊滅部隊は全員出した…な。コウラン博士? 誰ですかそれは。あ、あと最近更新できなくてすいません。何分忙しいものでね。さて、次回もアジト編ですね。次からは気の向くままに壊滅部隊のキャラを出していきます。それでは、次回もお楽しみに!