二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 第七十九話 幻影を見せる火の玉 ( No.213 )
日時: 2012/11/16 20:38
名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: Dj5QpmsJ)

「さあさあさあ、ファントマ、蓄える!」
ファントマは大きく息を吸い込んで蓄え、耐久力を上げる。
「やはり厄介だ…ロップル、瞑想から気合玉!」
ロップルは精神を研ぎ澄ませ、そこから気合を凝縮した弾を放つ。
「ファントマ、ヘドロウェーブ!」
ファントマはヘドロの波を放って、気合玉を相殺する。
「シャドーボールだ!」
さらに影の弾を放って追撃。
ロップルに命中、効果抜群だが、瞑想を三回積んでいたロップルは何とか持ちこたえる。
「よし、よく耐えた! ロップル、シャドーボール!」
ロップルは影で作られた弾を放つが、
「ファントマ、蓄える!」
ファントマはもう一度空気を吸い込み、さらに耐久力を上げる。
影の弾を喰らって少々体勢を崩すが、難なくファントマは持ちこたえる。
「ふっ、ファントマ、ヘドロウェーブ!」
ファントマはヘドロの波を放ってロップルを攻撃する。
「ロップル、サイコキネシス!」
ロップルは念動力を発生し、ヘドロの波を止め、送り返す。
「ならファントマ、熱風!」
ファントマは大口を開け、煮えたぎる熱い息を吐く。
念動力込みのヘドロウェーブと互角で、お互いの技は相殺される。
「ロップル、シャドーボール!」
「ファントマ、シャドーボール!」
ロップルは影の弾を一発、ファントマは影の弾を二発放つ。
だが、ロップルはさらに瞑想を積んでいるため、ロップルの影の弾は二発の影の弾を破り、ファントマに命中する。
「そろそろ決めねえとな。ファントマ、接近だ!」
ファントマは揺れ動く火の玉のように不自然な軌道でロップルに近づく。
「動きが読めないな…ならロップル、サイコキネシス!」
ロップルは念動力を発射するが、その念動力ですらファントマを捕らえられない。
さらにファントマはロップルに近づき、
「シャドーボール!」
突然影の弾を放った。
この距離からでは、影の弾を避けられない。ロップルは影の弾の直撃を受け、吹っ飛ばされる。
「しまッ…!」
瞑想を三回積んでいたためか、執念で持ちこたえたのか、ロップルは何とか耐えていた。
だがもう体力は残りわずか、あと一撃で倒されてしまうだろう。
「よし、こいつでとどめだ! ヘドロウェーブ!」
ファントマは口を開き、ヘドロの波を発射、ロップルを狙う。
「くっそ、ロップル、シャドーボール!」
半ば諦めながらも、レオはロップルに攻撃の指示を出す。
その時、ロップルはカッと目を見開き、

刹那、ロップルが消えた。

影の弾は、何も無い雪野原の雪を散らしただけだった。
「何だ?」
キラは驚いたような声を出すが、慌ててはいない。
よく見ると、ロップルのいたところには白い不定形の球体状の物質が浮いている。
次の瞬間、その物質はファントマの中に入り込む。
その瞬間、ファントマが悲鳴のような甲高い叫び声を上げる。
「ッ、どうしたファントマ!」
キラはファントマに呼びかけるが、ファントマは表情を苦痛に歪め、甲高い声を上げ続ける。
「これは…?」
レオは図鑑を確認し、ロップルの技を確認する。
シャドーボールは消え、そこにあったのは、
「『乗り移る』…?」
起死回生の新技習得。ロップルは、新技『乗り移る』を覚えていた。
ファントマの体からは、すぐに白い物体が抜けた。そして、再びロップルは現れる。
しかも、ファントマは混乱状態となっていた。
「ちっ、ファントマ、熱風だ!」
だがファントマはフラフラしたまま動かない。混乱状態で、思うように動けないのだ。
「よーし、もらった! ロップル、乗り移る!」
ロップルは消え、白い物体—ロップルの魂だろう—がファントマに入り込む。
ファントマは断末魔を上げ、ゆっくりと地面に落ちた。戦闘不能だ。
「…ま、よくやったよファントマ。休んどけな」
キラはあまり表情を変えずにファントマをボールに戻す。
「さ、出て来い、ディザソル!」
キラの四番手は、白い体に、頭に生えた黒い翼のような二本の鎌、黒い刃のような三本の尻尾に、黒く鋭い爪を持つポケモン。
災害を呼ぶといわれるポケモン、ディザソル。悪タイプだ。
「悪タイプか…ならたしかにロップルと相性がいいけど、それだけでは決まらないぞ! ロップル、気合玉!」
ロップルは跳び上がり、気合を凝縮した弾を放つ。
だが、

「ディザソル、辻斬り!」
ディザソルは気合玉を軽い身のこなしで避けると、一瞬でロップルとの距離を詰め、次の瞬間には鎌でロップルを切り裂いていた。
「何ッ!? ロップル!」
ロップルはドサリと地面に落ちる。効果は抜群、戦闘不能となって倒れていた。
「ありがとうロップル、ファントマを倒しただけでも上出来だ。休んでてくれ」
レオはロップルをボールに戻し、
(相手は悪タイプ…。ハンタマがいいけど、あいつはそう防御は高くないし、高い攻撃力とスピードを持つディザソルには押し負けるかもしれない。よし!)
「さあ頼むぞ、バフォット!」
考え抜いた末、レオのチョイスは堅くて強いバフォット。
「あれ、ハンタマじゃないのか。ハンタマ対策はしてあるんだが、使わなさそうだな、まあいいか」
「こいつはハンタマ以上の馬力を持ってる。なめてかかると痛い目に遭うぜ」
「何言ってんだ。いつでも俺は本気だよ」
双方の悪ポケモンは、互いをじっと見据える。



レオ対キラ、その三です。話ごとのタイトルって付けたほうがいいんですかね? 暇なときに今まで書いた全話にタイトル付けるのも面白いかもしれない。あとロップルが新技『乗り移る』を覚え、逆転勝利、しかしディザソルに敗北。俺の記憶が正しければロップルは初勝利だった気がします。さ、次回も続きですね。あと三、四話続きます。フルバトルですからね、長いんですよ。それでは、次回もお楽しみに!