二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 第百二十八話 ブラフ ( No.313 )
- 日時: 2012/12/01 00:16
- 名前: パーセンター ◆AeB9sjffNs (ID: PIT.hrJ/)
「行きますよ。シビルドン、刃向かう者全て潰せ!」
「臨む所だ。出て来い、ヘルガー!」
マターの一番手はシビルドン、ザントの一番手はヘルガー。
「お手並み拝見と行きましょう。シビルドン、ギガスパーク!」
まずはシビルドンは高電圧の電気の砲弾を撃ち出す。
レオと戦ったときのものより威力が大きい。バチバチと破裂音を放ちながら、一直線にヘルガー目掛けて襲い掛かる。
「ヘルガー、かわしてダークロアー!」
対してヘルガーは素早く横に逸れて電撃の砲弾を避けると、咆哮と共に闇の衝撃波を放つ。
「シビルドン、耐えろ。とぐろを巻く!」
シビルドンはとぐろを巻いてどっしりと地に構え、衝撃波を受け切る。
「ならばヘドロ爆弾!」
ヘルガーは攻撃の手を緩めない。無数のヘドロの塊を放ち、一気に攻める。
「調子に乗らないでくださいよ。シビルドン、ドラゴンビート!」
対してシビルドンは龍の鼓動の如き音波を放ち、片っ端からヘドロを粉砕。さらに、
「もう一撃だ!」
連続でシビルドンは音波を放ち、すかさず反撃に出る。
ヘルガーは身を逸らすが避けきれず、音波の一撃を喰らう。
「攻めたてろ。シビルドン、ギガスパーク!」
シビルドンは強烈な電撃の砲弾を撃ち出す。
「ヘルガー、立て直せ。かわしてダークロアー!」
音波を喰らったヘルガーだが、すばやく立て直し、ヘルガーは柱の物陰を利用して電撃の砲弾をかわしつつ一気にシビルドンまで接近。
柱の陰から突然飛び出し、悪意に満ちた咆哮と共に闇の衝撃波を放ち、シビルドンを吹っ飛ばす。
「逃がすな。ヘルガー、ヘドロ爆弾!」
さらにヘルガーはヘドロの塊を連続で放つ。
「くっ、シビルドン、打ち消せ! ドラゴンビート!」
シビルドンは体勢が整っていなかったが、何とか音波を放ち、ヘドロ爆弾を相殺。
「隙が大きいぞ。ヘルガー、ダークロアー!」
ヘルガーはその隙を逃さず、さらに咆哮と共に闇の衝撃波を放つ。
「あまり舐めてかかってもらっては困るのですがねえ! シビルドン、弾き飛ばせ! ぶち壊す!」
シビルドンは咄嗟に、しかし思い切り拳を振るい、その剛力で闇の衝撃波を弾き飛ばしてしまう。
「ならば次はこれだ。ヘルガー、シビルドンへ接近しろ! ダークロアーだ!」
ヘルガーは地を蹴り、一気にシビルドンへ近づく。咆哮を上げるが、
「接近戦なら負けませんとも。シビルドン、ぶち壊す!」
衝撃波を放つよりも早くシビルドンは、力に任せて思い切り拳を振り下ろす。
しかし。
「引っかかったな。ヘルガー、かわしてダークロアー!」
先ほどの咆哮はブラフ。衝撃波は放たず、拳をさっと避けると、シビルドンの背後を取り、闇の衝撃波を放ってシビルドンの体勢を大きく崩す。
「シビルドン、後ろだ! ぶち壊す!」
それでもシビルドンは後ろを振り向き、拳を振り下ろすが、ヘルガーは既に距離を取っており、シビルドンの拳は地面に食い込んだ。
「攻撃が甘いんだよ。ヘルガー、ヘドロ爆弾!」
攻撃後の隙を狙い、ヘルガーは無数のヘドロの塊を放つが、
「誰の攻撃が甘いのでしょうかねえ? シビルドン、ぶち壊す!」
ヘルガーがヘドロを放つより速くシビルドンは拳を振り抜き、地面を削り取り、その瓦礫をヘルガーにぶつける。
「何ッ!?」
ここまでザントは予想出来ていなかった。ヘルガーも突然の攻撃に対応できずに瓦礫の直撃を喰らい、ヘドロ爆弾は明後日の方向へ飛んでいく。
そこにすかさず、シビルドンのもう片腕からの渾身の一撃がヘルガーに叩き込まれる。
「甘いのは貴方の方だったようですねえ。シビルドン、ドラゴンビート!」
ヘルガーを地面に叩きつけたシビルドンは、すかさず龍の鼓動のような音波を放ち、ヘルガーを吹っ飛ばす。
「チッ、ヘルガー、立て直せ! ヘドロ爆弾!」
「追い詰めてしまえ! シビルドン、ぶち壊す!」
ヘルガーはそれでも何とか体勢を立て直し、ヘドロの塊を連続で放つが、シビルドンはあろうことか拳を構えて自ら突っ込んでいく。
ヘドロ爆弾をものともせず、一気にヘルガーに近づき、渾身の力でヘルガーを殴り飛ばした。
「そろそろとどめです! シビルドン、ギガスパーク!」
まだ起き上がろうとするヘルガー目掛けて、シビルドンは強烈な電撃の砲弾を放つ。
まさに絶体絶命のピンチ。
しかし、ザントの表情には、明確な笑みが浮かんでいた。
「ヘルガーの勝ちだ。ヘルガー、地獄の炎!」
体力は確かに残り少ないと言えど、素早く体勢を戻さなかったのは、またしてもブラフだった。
ヘルガーは起き上がると、地獄の業火のような赤黒い炎を放つ。
轟音を上げて燃え盛るその炎は、電撃の砲弾を容易く貫通し、シビルドンの体を焼き焦がしていく。
その威力に、思わずマターは戦慄を覚える
「何ッ!? こいつのギガスパークを破ったのか、それも競り合うこともなしに…?」
地獄の業火は、全てを焼き尽くす。
炎が通り過ぎると、シビルドンは黒焦げになり、地面に倒れていた。