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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 星の輝き コメ募集!! ( No.116 )
- 日時: 2011/12/02 22:54
- 名前: 水月◇51watermool16 (ID: SuDcL78Z)
しばらくして、ルエが重い口を開いた。
「…私は、誰かに過去を話されると……怯えるんだ…。」
「…怯える?」
「あぁ。
なんていうか、その…。うまく言えないが…。
天使と堕天使には、人間の頃の記憶が残っているんだ。
それには思い出したくない記憶も含まれていて、殆ど突発的に思い出すらしい。」
「へぇ。もしかしてルエも、突発的に思い出す事があるの?」
フームが言うと、ルエは首を横に振って答えた。
「いいや。私の場合は……。」
そう言った途端、ルエは少し俯く。
そして、俯いたままこう言った。
「記憶は残っているが、誰かに話されることで、思い出すんだ。
その殆どが、嫌な記憶の方だがな。」
「ルエ……ごめんね。こんな辛い話をさせて。」
フームがルエに謝ると、ルエは首を振って言った。
「別に、気にしてない。
多分、『私は誰かに聞いてもらいたかったんだ。』そう思う。」
「ルエ……。」
すると、ルエは顔をあげて、悲しそうに笑う。
その瞳には、涙が浮かんでいた。
そして、フームにこう言った。
「……可笑しいよな。誰かに話されることで怯える癖に、自分が話したら怯えない。なのに……手が震えているんだ。
何でだろうな……。」
「ルエ……。」
フームは、そんなルエに近づいて言った。
「ルエ、あなた……ずっと一人ぼっちで、辛かったの?」
ルエはその問いに目を伏せ、頷いた。
そして、少しずつ話し出した。
「私は……何もしていない……。なのに……っ、ごめん。
何故か分からないけど、……涙が……止まらない……。」
とうとう、ルエは泣き出してしまった。
フームは、そんなルエを抱きしめて、「大丈夫。大丈夫だよ。」と言った。
「……うぅ……ひぐ……ぅ……ごめん…フーム…。」
ルエはそう言うと、大声をあげて泣いた。
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