二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: どうぶつの森〜どうぶつ村の軌跡〜 ( No.15 )
- 日時: 2011/07/12 21:46
- 名前: るきみん (ID: JryR3G2V)
第一話「どうぶつ村を救え大作戦!」
Ⅰ
正直、不安もあった。
でも、それ以上に安心があった。
それは、お母さんという存在。
大好きな、お母さん。
いつも笑っていて、いつも正しいお母さん。
お母さんは私のことを慕っていてくれて、私もお母さんのことを慕っていた。
そんなお母さんが、救おうとした村。
でも、救えなかった村。
なぜ救えなかったのだろうか?
お母さんなら、風評なんかで諦めるとは思えない。
なにか・・・なにか事情があったはず・・・。
みなみ「え〜っと、役所役所・・・」
みしらぬ猫と別れた後、みなみはバス停で地図を見ていた。
みなみ「それにしても・・・ボロボロだなぁ・・・」
みなみは周囲をぐるりと見回してみる。
バス停はヒドイ有様だった。
バス停の看板はさびていていてもう何が書いてあるかわからないぐらいだ。よく目を凝らしてみると、かろうじてどうぶつ村と読み取れる。
小屋の柱はシロアリに食い荒らされてスカスカになっている。思い切り蹴れば折れてしまいそうだ。
壁には絵が書いてあるのだが、その絵もペンキが剥がれ落ちてしまい何が書いてあるのかわからない。
バス停全体をよく見てみる。
暗くてよく見えないが、誰にも手入れされずにずっと雨風に晒されていたことぐらい容易に想像できる。
みなみ「・・・・・」
みなみは目の前の地図に目を落とす。
この地図もそうだ。
とても古くてかなり汚れている。
文字も薄れて読みにくい。
みなみ「・・・どうしたんだろ、この村・・・」
不安が大きくなる。その不安を打ち消すように、みなみはバッグから懐中電灯を取り出す。
カチリ
みなみ「よし、点いた」
ポウッ・・・と懐中電灯から小さな光が出る。
心もとないが、無いよりはましだ。
みなみ「さて、いこうかな」
テクテク、とみなみは歩き出す。
さっき見た地図では、ここから西に300mほど行った所に役所がある。・・・はずだ。
何しろずいぶん古い地図だったから、今もそこに役所があるかどうか・・・。
みなみ「・・・・・?」
みなみはふと、疑問に感じることがあった。
バス停はあんなに荒れていたのに、ここまでの道を見るとかなり整備してあった。
雑草はほとんど無く、花さえ植えてあった。
ちょっと・・・おかしいような。
あの猫さんの話では、14年前のあの事件以来、この村は過疎化の一途をたどっていったとの話だ。
でも、ここまでの道を見ると、そうは考えられない。
なぜ、バス停はあそこま手付かずだったのに、道は整備されていたのだろう。
普通逆じゃないか?
みなみ「・・・・・」
そんなことを考えながらも、みなみは黙々と進んでいった。
ガサッ
みなみ「ひっ・・・」
いきなり近くの木の陰から物音がした。
リスにしては大きすぎる、熊や猪などにしては小さい物音。
みなみ「だ・・・れ・・・?」
声がかすれる。
熊や猪の可能性は無いとしても、他も獣かもしれない。
ドッドッドッドッド・・・・・。
周りは驚くほど静かだ。
そのせいで自分の心臓の鼓動がやたらと大きく聞こえる。
ガサガサッ・・・ガサッ
みなみ「ッ・・・!」
・・・・なにかが・・・来る。