二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: どうぶつの森〜どうぶつ村の軌跡〜 ( No.25 )
- 日時: 2012/01/06 23:14
- 名前: るきみん (ID: JryR3G2V)
第一話
Ⅳ
起きなさい・・・起きなさい・・・
「・・・まだ・・・早いよ・・・・・」
そろ・・・そろ・・・出かけるよ・・・
「・・・う・・ん・・・そうだね・・・・・」
ほら・・・起きて・・・支度しなさい。
「・・・・・・・・」
パチ・・・と目をあける。
が、映ったのはお母さんの顔と見慣れた自分の部屋の天井ではなく、寂しい木の天井だった。
そう、木の天井・・・私の家だ。
「私・・・どうしてここにいるんだっけ・・・」
記憶の糸をたどる。
「・・・ああ、そういえば昨日引っ越してきたんだっけ」
引っ越してきたといっても、お母さんと一緒にではない。一人暮らしを始めたのだ。
ザザー・・・ザザー・・・
外では水の音がする。きっと昨日の雨がまだ続いているのだろう。
「ふあ・・・・・そろそろ起きようかな・・・」
みなみは特大のあくびをすると、ベッドから下りた。
ふとみなみは今の時間が気になり、持って来た荷物から時計を取り出す。
5時30分
「まだこんな時間か・・・」
みなみはこんな時間に起きたことがなかった。いつもだいたい10時とか11時ぐらいに起きているので、こんな時間に起きていることに少々びっくりした。
「することもないし、散歩でもしようかな」
もう完全に頭が起きているからまた寝るとゆうことはできないだろうし、この村がどんな形をしているかを知りたいし。
ザザー・・・ザザー・・・
相変わらず雨が降っているようだが、昨日狼さんから貰った傘がある。
・・・・・狼さん。
あとで家に行ってみようかな。
そんなことを考えながら玄関にある傘を取って家を出る。
「!?」
ザザー・・・ザザー・・・
ずっとこの音は雨の音だと思っていた。でも、この音は雨の音ではなかったのだ。
「・・・海・・・・」
そう、みなみの家の前にはうみがあったのだ。
「海なんて・・・あったんだ・・・」
バスの中で見ていた景色は山しかなかったから、ずっと山奥に来ていたと思っていたが、その山の一個向こうは海だったらしい。
山と海・・・なかなか面白い組み合わせじゃないか。
まだ春なだけに、太陽は頭しか見えておらず、オレンジ色の光を放っている。
その光が波に反射し、海全体がオレンジ色の光を放ちながらキラキラと輝いている。
「わあーーー!!!」
みなみは堪えられなくなり、砂浜まで駆ける。
そして砂浜まで着くと、ゆっくりと歩き出す。
どこにも足跡のない砂浜にみなみの足跡が一歩、また一歩と刻まれる。
ザザー・・・ザザー・・・
どこまでも続く海。ここから遠い国にも繋がっていると思うと、地球の神秘を感じる。
「・・・・・・」
しばらく海を見ながらボーッとしていた。
どれだけ海を見ただろう。1時間見ていたかもしれないし、ほんの10分ぐらいだったかもしれない。そんなことはどうでもよくなるほど海はきれいだった。
ザザー・・・ザザー・・・
「?」
ふと自分の足元を見ると、一本のボトルが落ちていた。
「これは・・・」
みなみは足元のボトルを拾い上げる。
その中には紙が入っており、コルクでふたをしてある。
みなみはそのコルクを抜くと、中の紙を取り出す。
—————どうぶつ村の人へ
この手紙がどうぶつ村に流れ着くとは到底思えないけど、一筋の希望を信じてこの手紙を書きます。
言いたい事はたくさんありますが、全部を書くと書ききれなくなるので一つだけにします。
・・・・・・・・・どうぶつ村から引っ越してください。
はやく引っ越さないと、大変なことになるでしょう。
さもなくばあなたは・・・大変な目にあうでしょう・・・・・
どうぶつ村を愛する者より————
「・・・なに・・・これ?」
どうぶつ村から引っ越せ?なぜ?
まだ引っ越してきたばっかりなのに・・・。
大変な目に会う?・・・なんのこと?
愛する者?ここに暮らす人?でもそれならこんなことしなくていいんじゃ?
とゆうか、これは本当にここに宛てて書いたものなの?
海とは広大だ、こんな物狙ってどうぶつ村に送れるわけがない。
だったら・・・やっぱりうそ?
「・・・・・」
まあ、これは誰かのイタズラだろう。それよりこの村を見て回ってみようかな。