二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 流れ星を捕まえに行こう [ヒロト×彩音] ( No.28 )
- 日時: 2011/07/20 17:00
- 名前: ゆう ◆Oq2hcdcEh6 (ID: /HyWNmZ0)
- 参照: 25日から宿泊と旅行で1週間更新不可ー、
「「鬼ごっこォ!?」」
彩音と亜美の言葉が重なった。
呆然としている二人の前で、赤色と栗色が静かに笑む。赤色こと、基山ヒロトは3ヶ月前にエイリア学園事件にてザ・ジェネシスのキャプテンを務めていた人物で、栗色こと、フィディオ・アルデナはFFI本戦、イタリア代表オルフェウスの副キャプテンを務めている少年だ。ヒロトは現在、イナズマジャパンの一員としてライオコットしまにやって来ている。
そんな二人が、彩音と亜美に“鬼ごっこ”をしようと提案してきたのだ。ルールは簡単、制限時間内にヒロトかフィディオを捕まえろというものだ。彩音は少し楽しげにしていたが、亜美は少々つまらなさそうに空を見上げてる。
「……捕まえたら何かくれる?」
「ハハ、アミの好きなものでも買ってあげるよ」
「じゃあ、……アイス、買ってね」
「アイスよりジェラートの方が有名だよ、どう?」
なんてほのぼのとした会話を繰り広げている亜美に対し彩音はヒロトよりも楽しげに、目がきらきらと輝いていた。ヒロトは亜美と彩音の違いに苦笑を浮かべ、フィディオに「そろそろ行こうか」と声を掛ける。
彩音と亜美は10分後にスタートし、彩音はヒロトを、亜美はフィディオを捕まえる予定であった。フィディオとヒロトが逃げ始め、彩音がまだかなあ、と体を揺するのに対し亜美は早く捕まえたいなあ、なんて考えていた。
10分が経過し、彩音と亜美の両者がスタートする。彩音は勿論走り、亜美はのんびりと歩いてイタリアエリアへと向かう。因みに此処はジャパンエリア、彩音は少し有利だと言える場所だ。
【 ジャパンエリア / 彩音 】
ふらふら。あれから1時間が経過し、彩音は灼熱の太陽と水分不足によりふらふらとした足取りをしていた。手に持っていたキンキンに冷えていた筈のペットボトルの水は既にぬるくなり、何の慰めにもならない。
ヒロトは上手い具合に逃げているのか、彩音の行く先々から既に姿を消した後だったらしい。はあ、と小さく溜息をついて彩音は温くなった水をごくりと一口飲む。そして元気を少しだけ取り戻したのか、再び少ししっかりした足取りで歩を進める。
「うー、居ない……」
制限時間は3時間で、スタートしたのは午後3時。つまり、午後6時までに見つけなければいけないのだ。彩音は珍しくぐったりとした表情を浮かべて、ジャパンエリアの隅々まで探す。ルールにはもう一つあり、自分の宿舎があるエリアのみでしか逃げてはいけない、追いかけてはいけないといったものだ。
ライオコット島は広いので、全域が範囲だと互いに不利になるから、というものだった。そして、見事3時間逃げ切れるか見つければ一つ言う事を聞いて貰える、という特典もある。
ふらふらの彩音をヒロトは陰から見守っていたものの、勿論自分から出る様子は見せない。
「くす……、案外見つからないもんだね、」
くすくすと笑うヒロトに、はんば涙目になっている彩音。二人の違いに苦笑を浮かべて見せる人物が数人。その人物は、事を静かに見守っていたマネージャー達だった。マネージャーは勿論彩音のことを応援している。
「……うー、」
着々と時間は進み、3時間までもう後数十分しか残されていない時。彩音が遂に座り込んで俯きはじめる。泣くのか、とヒロトは焦りを見せたが彩音は泣く様子を見せず、人差し指で地面にのの字を書いている。どうやら、あまりにも長い鬼ごっこに遂に嫌気がさしてイジけ始めたのだ。ヒロトは苦笑を浮かべ、3時間丁度経ったときに彩音の前にかがむ。
「お疲れ様、」
「ヒロトのばかーっ!」
苦笑を浮かべたまま彩音を抱き締めるヒロトと、頬を膨らませる彩音。その姿は恋人にも見えなくないが、どちらかと言えば兄妹か父娘のようにも見える。
マネージャー陣はくすくすと笑いつつ長い鬼ごっこが終わったことにほっとし、其れからイタリアエリアで奮闘しているであろう亜美の姿を思い浮かべ小さく溜息を吐く。
「——そう言えば、亜美は?」
「多分もう終わってるんじゃないかなあ……、」
「……そっか、」
「この後、時間ある?」
唐突なヒロトの問いかけに一瞬首を傾げる彩音だったが、少しの間をおいてにこりと笑みを浮かべる。勿論だよ、と答えるとヒロトはおもむろに彩音の手を取り、すたすたと歩きだす。彩音が?を浮かべていると、ヒロトが小さく笑いこっちだよと彩音を引き寄せた。
「……すご、」
ヒロトが彩音を連れてきたのは、小高い丘だった。丁度今の時間帯が綺麗なんだ、と夕焼けを指すヒロト。彩音が思わず感嘆の声を漏らし、その景色に食い入るように見つめた。
そしてヒロトが微笑を浮かべ彩音を抱き締める。彩音はぎゅ、とヒロトの手に自分の手を重ね、そのまま顔を近付けた。
( 重なるものは、一体 )
***
キスシーンが書きたかったわけじゃry
彩音とヒロトにイチャつかせたかった!((
つぎは亜美とフィディオ編、だよ。←