二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

悲恋つめあわせ、[01] ( No.39 )
日時: 2011/08/28 14:15
名前: ゆう ◆Oq2hcdcEh6 (ID: l78GGQ1X)

「……好き、です」

 私らしくない真面目な言葉。あれ、私、どうしてこんなことを口走ってるんだろう。目の前で彼がぱちぱちと目を瞬く。口を開く。紡ぐ言葉は謝罪。嗚呼、私、振られたんだ。分かり切った出来事だったから涙すら零れなかった。ぐさぐさと心を刺す言葉に痛みも感じない。こういうときに限って涙は流れなかった。私のこころも、かわいてしまった。

( 触れたあなたの手を払う ) 亜美→豪炎寺



 貴方が好き。好きなのに想いは伝わらない。ねえ、円堂くん。貴方の瞳には何時も彩音ちゃんが映ってるよね。どうして私は貴方の真っ直ぐな瞳には入り込めないのかな。円堂くんは彩音ちゃんが好きだから? それしか無いわ。でも、私は諦めきれないの。私、円堂くんが好き。ねえ、この想いは伝わらないまま? そんなの私認めない、認めたくないよ。せめて私の想いを知って、ねえ、円堂くん。

「——秋ちゃん、」

( 分かってる、それでも ) 秋→円堂×彩音



 あたしの兄。口が悪くて、何時も独りで居たけどあたしは兄である不動が好きだった。不動って言うとあたしもだけど。お兄ちゃんは何時でもあたしを守ってくれようとしていた。小さな頃は、だけど。お兄ちゃ
んが好き。何時しかあたしは抱いてはいけない感情を抱いてしまっていた。ねえ、お兄ちゃん、あたし、は。

「……好き、」

 無理だ、なんて分かってる。それでも——好き、なの。

( 押さえきれない想い ) 不動←彩音



 結婚しても、私の恋は報われてなんて居なかった。口を開けば秋、秋と。私と結婚してるのかしら、本当に。呆れたような、哀しいような感情がぐるぐると渦巻く。私は秋がな、と話を始める円堂くんの楽しげな顔が好き。その笑顔はきっと私には向けてくれないのだけれど。それでも私は構わなかった。

「円堂くん、」

( 貴方の笑顔が見れるなら ) 円夏



「、亜美」

 珍しく口走っていた彼女の名前。好きじゃない、好きじゃないんだと言い聞かせて。本当は好き、なのに。好きだよとサラリと告白された。思わず冗談はやめろと言って彼女を傷つけた。本当の気持ちも言えず、ただ彼女を傷つけた。今更ごめんなんて言えなくて。泣きはらした目を見て、小さく自嘲した。

「俺、馬鹿だな」

( 泣きはらした赤に哀 ) 風丸→←亜美



 私の好きな人はちがう人が好き。そんなの、覚悟の上で私は彼を好きになってしまったのに。苦しい、呼吸が、出来ない。ゆっくりと目を閉じる。嗚呼、なんでこんなに胸が苦しくて痛いんだろう。私、嫉妬してる? でも、分かってた、理解してた。なのに、今頃私のわがままで彼を困らせたくはないよ。ねえ、だから、

「……ばいばい」

( さよならなんて出来るはずないのに ) 円秋

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