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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 緋色に、夢見た ( No.81 )
- 日時: 2011/08/23 11:03
- 名前: ゆう ◆Oq2hcdcEh6 (ID: PdhEocoh)
「——、ロココ? どうしたんだよ、こんなところで」
ふわ、と花の香りがする。振り向けば首を傾げながら此方を見詰めているリウの姿が目に入った。手に抱えているのは花束。それ、どうしたのと尋ねるとリウは悲しげに笑った。嗚呼、サイのことか。
「ボクも行くよ」
「、そ、だな……その方が紗衣も喜ぶさ」
FFIに来て、ライオコット島に来て、——サイも笑ってるはずだったのに。サイは、今、居ないんだ。傍に、リウの、傍に。だからサイが目を覚まして綺麗に笑うまでボクはリウの傍について居てあげるんだ。じゃないと、リウはきっと壊れてしまうから。
——嗚呼、でも。このままサイが居なくなったらボク、一生リウと一緒に居れるのかな。
、やっぱりボクは嫌な奴だ。サイのことを嘲笑って自分だけリウと一緒? ボクはリウと一緒に居る価値は無いよ。サイが隣に居ないと、リウは笑ってくれないんだ。心の底から、笑顔を見せてくれないんだ。
「……ロココ、ほら、」
差し出された、少し小さなその手を握りながらボクはただ笑う。リウを、サイを、——二人を護れるのはボクだけで、二人を裂けるのは二人だけ。ボクは、二人を見守り、護るしかないんだ。
「……サイ、喜ぶと良いね」
赤くボク達を照らす夕日に魅入りつつ、ボクはずっとこのまま二人、手を繋げるようにただ祈った。
*
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