PR
二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- とあるカルマに少女は嘆く ( No.82 )
- 日時: 2011/08/23 11:38
- 名前: ゆう ◆Oq2hcdcEh6 (ID: PdhEocoh)
「——亜美、まだ起きてたのか?」
がちゃり、とドアが開けられる。そもそも、女の子の部屋に入ってくるのはどうかと思う。ゆらりと揺れた影に笑みを浮かべ、駄目だった? とわざとらしく可愛い子ぶって言うと、別にという冷めた答えが返ってきた。彼は基本、そういう人だ。
「……寝れなくて、」
苦笑を浮かべるとぽんぽんと頭を撫でられた。——心地よい。彼がそばにいてくれたら、という理想を何度も抱く。嗚呼、でも、手からそれは滑り落ちる。定期的に私の様子を見てくれている彼は優しいと思う。安心は、出来ないけど。彼は私を好きでもないし、嫌いでもない。仲間だから心配するのは当たり前、とでも言うかのような関係だ。
不意に、ぽたりと、それは零れた。
涙という言葉で形容できるその雫に、風丸くんは驚いたように此方を見てくる。痛いのか、大丈夫か、どうしたんだ——優しく、心配してくれている言葉が、今は苦しかった。どうして私は結ばれないんだろうね。何時だって神様は狡い。私は、彼とはきっともう結ばれないんだろう。嗚呼——どうして私だけ。
「風丸、く、」
「——亜美? どうした、」
「傍に、居てよ」
ぎゅ、と抱き着けば風丸くんは迷った様子を見せ、——おずおずと私を抱き締めてくれた。私は狡い。彼は、泣いている人物を放って置けないことぐらい知っている。だからそれを利用したんだ。私は本当に、狡くて、卑怯な人間だ。
それでも、彼が私を見てくれるなら、と。
私は今日もただ、泣く。無意識に零れ落ちる涙は風丸くんの心をぐらつかせる。いつか、私を見てくれるように、私は、ただ。
*
カルマは行い、前世での善悪の行いの影響がどうやらこうやら——。
小説と一致しないような意味ですけどねw
PR