二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- [014] ( No.122 )
- 日時: 2011/08/27 10:44
- 名前: ゆう ◆Oq2hcdcEh6 (ID: PdhEocoh)
「、あ!」
バタフライドリームは完成間近だったが、それでもコントロールは上手くいかないみたいで。二人の声が重なったかと思えば、ボールはゴールを逸れて海まで行ってしまう。が、
「——綱海さん?」
遠くに見えたピンク色。綱海さんしか居ない、とそう感じてそれを見ているとそのボールは蹴り返された。しかも、とても強く。立向居君が止めようとするもそれは手を逸れ、立向居君は弾き飛ばされた。嘘、でしょ? 呆然とする中、ティアラちゃん達(ラティアさん、瑠璃花ちゃん、魁渡君)はしれっとしていた。え?
「あー、吃驚したぜー。急にボールが飛んできやがってよー」
「ねえ、君!」
円堂君、その人先輩さんなんだけど……。あは、と苦笑をして平然と此方に戻ってきた綱海さんを見る。何でそんな平然としていられるんだろう。溜息を零せば、何故か試合的なものを初めてしまった皆を見る。再び溜息を吐いて、ぼんやりと海を眺めた。
「あ、れ……?」
「? 彩音ちゃん、大丈夫?」
頭がくらくらしてきた。熱中症、かな……? 瞼がやけに重く感じて目を閉じれば、傾く体。焦ったような声が聞こえる。そのままあたしは意識を手放した。最後に聞こえた声は——やけに聞き覚えがある、そんな声だった。
ぱち、と目を覚ませば見慣れない——否、今までお世話になっていた家、というかお世話になっている家のあたしの部屋が目に入った。視界の隅っこに、水色。
「音村さん!」
思わず大きな声を出せば、音村さんは苦笑してそれから「まだ寝てないと」と諭すような穏やかな声で言ってきた。ので、自分は大人しく寝るとしよう。外からわいわい声が聞こえる。何だろう、行ってみたいけど……!
「あとで休憩するって約束するなら行っても良いよ」
そんなに行きたそうな顔をしていたらしい。音村さんは苦笑を浮かべてぽんぽんとあたしの頭を撫でた。学校はどうしたんだろう、行かなくていいのかな? あ、でも夏休み? そんなことないよね……。
んー、と首を傾げながらもあたしは外へ向かう。そこで出会ったのは、——……あたしの良く知る人物だった。