二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

 [10.5] ( No.85 )
日時: 2011/08/23 14:30
名前: ゆう ◆Oq2hcdcEh6 (ID: PdhEocoh)



「——、亜美?」

 ふにゃりと笑んだ亜美は弱々しかった。どうしたの、と発する前に亜美が此方に抱き着いてくる。基本、人にこういう行為はしない亜美は珍しく弱くて、——儚かった。おずおずと抱き締めてやれば亜美は小さく笑う。何も言わない。おかしいと、直感的に感じた。それでも言葉を掛けることは出来はしなかった。——弱虫、だ。

「……亜美ちゃん、どうしたの?」
「分からないわ……いきなり帰ってきたかと思えばこれだから」

 瑠璃花が不安げに亜美を見るも、すぐに亜美は笑む。「べーつにっ、こうしたかっただけ!」なんて強がりに思わず笑みが零れた。魁渡? 男子禁制だから入れてないわ。黒笑? そんなもの浮かんでいるかしら。

「、ラティア、話があるの」

 ごめんね瑠璃花ちゃん、ちょっと出てくる。と私の腕を引っ張って亜美はベランダへと出る。因みに此処はもうエイリアの本拠地だ。つまり、もう既に私達は帰ってきたということ。

「……彩音ちゃんの様子、見てあげてくれない? あのね、私、もう会わせる顔なんて無いよ……!」
「……そう。瑠璃花と魁渡にでも頼んでみるわ。嗚呼、でも、」

 私はそこで一度言葉を区切り、亜美に笑いかけた。亜美は不思議そうに首を傾げているだけだ。言いたかった言葉は、ただ一つだけ。

「変わらないままで、戻ってくること」

 彼女は何処かへ行ってしまうのは、既に分かっていた。きっとそれは亜美が必要としているものを集めに行く旅。愛情を、友情を、全てを捨てて彼女は挑む。大切なオトウサマの為に、——雷門とぶつかる。亜美が選んだのはその選択だから。亜美は、私達を置いていつもふらりと消えてしまう。そんな亜美に着いていくと決めたのは私なんだけど、ね。

「分かってる、じゃあ宜しくね」

 だから私は、笑うしかないんだ。彼女を救えるほどの力があるわけじゃない。それは理解している。彩音だけが亜美を救えることも、全部。それと同じように私が姉を救えることも。ふわりと闇に溶け込み消えた亜美を見ながら、私はただ笑った。

「瑠璃花、魁渡、亜美からの伝言」

 また、——また笑顔できっと彼女に再会できるように。

「彩音の様子を見てあげて、だって。勿論、三人でね」

 ——大丈夫、私、まだ……笑える。亜美を見たときまた笑える。きっと。亜美はただ救おうとしているだけ。大事な人を。——私が姉を救うことと同じようなことよ。そう、そう。

「……じゃあ行くわよ」
「「はーい!!」」

 きらりと光る星を見ながら、私達は星の使徒研究所を後にした。向かうのはキャラバン。そして——円堂守の所。






刹那、伊莉寿、出してみたよ!(((
久しぶりでごめんね><
世界編はもっと出せるからb