二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 光陰リフレクト『イナイレ短編集』リク募集中! ( No.26 )
- 日時: 2011/08/13 09:44
- 名前: 紗夜 (ID: 32zLlHLc)
- 参照: 『ピエロ』を小説化してみます。氷歌視点!
シリアス&甘 鬼道×氷歌
※解釈はあくまで私のしたものです。皆さまのイメージと違うことはあると思いますが、それぞれのイメージは違うものなのでそれを分かった上でお読みください。
※ある歌い手様のPVにだいぶ影響されてます。されまくっています。
※氷歌が氷歌じゃないです。鬼道さんが鬼道さんじゃないです。配役は氷歌がお譲様、鬼道さんがピエロの男の子です。
『ピエロ』 「おどけて見せる」
大丈夫 大丈夫
おどけて見せる僕は
小さなサーカスの
名もなきピエロ
「…っ、ひっく…っ……」
ある日の昼下がり。町のはずれにある木の陰で、私は泣いていた。いつも本当に辛くなるとここに来て泣く。誰にもばれないようにこっそりと。
最近、お父様もお母様も厳しくなってきた。私をいい子に育てたいのは分かるけど、少しは遊びたいし、休んだりもしたい。でもずっと習い事で、もう辛くてしょうがない。
「……もう嫌だよ……」
そう呟き、膝を抱えてそこに顔を埋める。ゆっくりしたい。誰かと遊んだりしたいよ……
ガサッ!
何かが動いた音がした。明らかに木の後ろから。誰もいないと思っていたから驚いてすぐに後ろを振り返る。
すると……
ひょこっと木の陰から誰が顔を出した。ニコニコと笑った顔……じゃない、仮面だ。ピエロの仮面をかぶった、私と同じ年くらいの男の子。本当の顔は全く見えないけど、彼だ。とすぐに分かった。
私が彼を見つめていると、木の陰からできた。彼は大きな玉乗り用のボールを、真ん丸いお月様みたいなボールを持ってて、それに慣れた様子で乗って、バランスを取りながら少し前に進む。危なっかしい……そう心配していると、バランスを取れなくなって派手に後ろに倒れてしまった。
「……ふ、ふふふっ…」
思わず笑ってしまった。彼があまりにも派手に転ぶものだから。でも彼はきっと、私を笑わせるためにこうしたんだと思う。優しい人だから。
「ありがとう。」
私は彼に向かってそう言った。少し照れた様子の彼はボールを高々と空に投げる。演技が終わったピエロのように、楽しそうに嬉しそうに。