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精神的に限界に近付いていているのを理解しつつも、雰囲気的に何も言えずにそこに立ち尽くす。
そうしていると円堂が見た目はハンデだらけのゴーグル少年の元に向かう。てか普通に近づいてるけど突っ込みはなしかい。


「雷門中サッカー部キャプテン、円堂守です！練習試合の申し込み、ありがとうございます」
「初めてのグラウンドなんでね、ウォーミングアップして良いかな？」


あの見た目はハンデだらけのゴーグル少年、しばき倒したい。いくらあほの円堂だろうとこいつ自身が人の話を全然気か無かろうが、人に礼儀は尽くせと言うのは礼儀だろうが！
その上チームの全員、誰もフォローしないのかよ！！皆脳内原始人レベルなの！？


「帝国学園ってどういう学校なの？」
「40年間無敗のサッカー名門校。学力も全国レベルの全国トップクラスの進学校だ」
「ありがとう、髪長少年」
「風丸だ」


髪長少年改め、風丸から聞くには全国有数の学校らしいがうそつけ。あんなに無礼な奴中々見ないぞ。
もしかして裏工作して勝ってたりするんじゃないの？あんな原始人チームがそんなすごい学校とは認めないよ。
まあ、成績優秀でも不良の獄寺君とかあまり敬語使えないお兄さんとかいるから一概には言えないのかもしれないけど。
だけどこの学校は凄く胡散臭いよ。取りあえず、ウォーミングアップの様子でも見るか。


「何だ！？」
「消えた！？」
「おいおい、何だよあの動き……」
「あんなのと試合するのかよ……」


次々に聞こえてくる帝国への恐れの声。どうやら彼らにとって帝国のレベルは相当高く、試合で勝つのは困難という事らしい。
だけど正直、そんなに凄いか？
サッカーは良く分からないけど、山本なんてバットスウィングで300km普通に出せるよ？それに比べたらそんなに凄いとは思えないんだけど……。
ちょっと皆最初から過大評価しすぎなんじゃないかな…。
周囲の言葉に内心で呆れていると、突如ウォーミングアップをしていた筈の帝国の雰囲気が変わった。


「円堂！！」


雰囲気が変わったと同時にサッカーボールが円堂めがけてやってくる。
私はとっさに円堂の前に立ちふさがり、襲ってくるサッカーボールを蹴り返す。
サッカーボールは見事に帝国の方に借り返された。後少し気づくのが遅かったら下手すりゃ直撃じゃん。


「あの女蹴り返した？」
「一人いち早く反応してたぞ」

どうやら私が蹴り返すとは思っていなかったらしく、帝国学園からは驚きの声が聞こえてくる。
つまりこいつらは円堂にわざとこんな事をしたって事か。


「さすがにちょっと無礼過ぎじゃない？帝国学園さん」


私は帝国学園を睨みつけた。