二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

稲妻×復活-グラウンドの中心で大空に向かって叫ぶ-アンケ実施 ( No.26 )
日時: 2011/07/27 00:58
名前: 美津子 (ID: 278bD7xE)

「挑戦です!これは、我が雷門に対する帝国からの挑戦です!!」
「というか完全に見下されてるだけ。ってあんた何なの?というか何で実況やっているの?」
「どんな場所にも実況あってこそのサッカー。小生は将棋部の角馬桂太。角馬、角馬と覚えてください」


いやいや、こんな練習試合で実況って普通おかしいから。本当にこの学校の人って影濃いなー。
さっさと帰りたい、本当に帰りたい。
その時の私は帝国の試合なんてどうでも良く、これから起こる事も全く考えていなかった。


「おしかったー、おしかった…!」
「……」


染岡のゴールをフェイスペインティング野郎に止められ、がっかりする周囲。モシャモシャなおっさんだけは笑っており、さすがにしばき倒したくなった。
だけどモシャモシャなおっさんに対する怒りより、帝国に対する妙な違和感が私の中では渦巻いてた。
コイツら、全然本気を出しちゃいない。そして、これから何かが始まる気がする……。


「鬼道!オレの仕事はここまでだ!!」
「……」
「さあ、始めようか…。帝国のサッカーを…」


フェイスペインティング野郎の自信過剰すぎる言葉にもお前ら専用のサッカーなんてあるのかよと言いたいゴーグル少年の言葉にも突っ込みを入れる気になれない。
何か恐ろしい何かが始まる。そんな予感がする。


「いけ…」


やたら冷たい、そうたまにリボーンが垣間見せる感情に似た声が聞こえると共に人に何かが当たった音が響く。
そして気がついた時には円堂がボールと共に吹き飛ばされた。
いつもならお前らどんな脚力してるの?と突っ込みを入れる所だが、あまりにも帝国の雰囲気が冷酷過ぎて何も言えなかった。


「円堂…」


圧倒的な力を見せつけられたのに、それでも頑張って以降の一言で試合を続行する円堂。
はっきり言って円堂の気持ちが全然理解出来ない。何故あいつは圧倒的な力を見せつけられ、その所為で怪我しかけているのに諦めない?
心底バカだなと思ってしまう。自分の身体すら大切に出来ないっておかしいだろ。
円堂守が理解出来ない。そうしているうちに前半が終了した。


「何言ってる!?まだやるぞ!!勝利の女神がどっちにほほ笑むかなんて最後までやってみなくちゃ分からないじゃないだろ!?」
「それ、本当に言ってるの?」


ヘトヘトで泣き言ばかりのメンバー。円堂以外のメンバーは完全に諦め状態で試合をするだけ無駄と言うばかり。
それでも、円堂だけは諦めずに皆に試合をやろうと必死に訴えかけている。
だけどその円堂に理解が示せず、私は至極真剣な声で彼に問いかける。


「沢田…」
「自分を大切に出来ない人間にどんな女神だろうと神だろうとほほ笑みはしない。今のあんた、自分を虐めてるよ」


随分私らしくない言葉。いつもならハイテンションで突っ込みを入れるかしかしないのに。
ただやっぱり私には円堂の行動は自分を虐めているようにしか思えない。サッカーにそこまで真剣になるの?
怪我してまでこの試合に勝ってどうしても得たいものって何なの?
すると円堂もいつものアホな表情からは想像できない真剣すぎるまなざしを向ける。


「沢田、オレはどうしてもフットボールフロンティアに出たいんだよ」
「だから何?」
「今頑張らなくちゃいけないんだよ。オレの夢をどうしてもかなえたいんだよ」