二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 僕と契約して、魔法少女になってよ ( No.13 )
- 日時: 2011/07/23 19:51
- 名前: 空音さくら (ID: vkj9BN7a)
「いいわ、私は魔法少女になる。」
ほむらは言った。
「暁美ほむら—君は、その命を対価にして、何を願う?」
「さくらの幸せ—、さくらが幸せになってくれればいいわ、」
「わかったよ。君の願いは、必ず叶う。」
そう願った。
「ほむらちゃん!」
「……さくら…っ、ごほっごほっ…!!」
「大丈夫?」
病弱なさくら。
それを「幸せに」と願ったほむらが、因果を背負って病弱になった。
心臓の病気は治らない、これに元々病弱なのにさらに弱る。
「あたし、最近すっごく元気なんだ!!!」
「………」
少し微笑む。
でも、心には、「本当にこれでよかったのか?」という疑問の因果がうずめいていた。
「………。」
テスト用紙を見て、ほむらは暗い顔をした。
「え?ほむらちゃん…そんな点数珍しいね、」
「……勉強不足よ、」
さくらは頭が悪い。
それが不幸というわけでもないが、幸せじゃあない。
その因果までもほむらが背負わなければならない。
こうして、さくらはいい点数をとるようになった。
「さくらちゃんすっごーい。」
「えへへ〜、あたしも驚いちゃった!」
暗く—、底から渦巻く後悔。
さくらの為、そう思ってきたのに……この気持ちは何?と自分に疑問をもつ、その疑問がひたすら後悔を招いた。
「………ほーむらちゃん!どうしたの?元気ないよ!」
「……ほおっておいて………。」
たた、と廊下に走るほむら、
「さくら、僕と契約して、魔法少女になってよ!」
「………魔法少女?」
—え?
「さくらが魔法少女になったら、幸せじゃなくなるじゃない!!!」
「そう怒鳴るなよ、ほむら。—さくらにとっての幸せを知らないのかい?」
「……どうゆうことよ…。」
「さくらは平凡な毎日にうんざりしているんだ。人間の人生、運命は同じさ。さくらは、今因果を君に吸収されて、幸せなんだよ。つまり、グリーフシードが、ソウルジェムの汚れを吸うと同じことさ。
つまり、僕の言いたいことは……魔法少女になるのがさくらの幸せだということ。グリーフシード役の君がいなくなったら、全て消えるということだよ。君の願いも、君もね。」
「—そ、……んな…約束が違うじゃない!!!?運命は同じですって?……私は…その運命を変える為に過去に戻って願いをしたのよ!!!」
「世界は差し引きで行われているんだよ?」
ずっ、
ほむらはその時、自分のソウルジェムが、黒く染まり始めたのを見た。
「さくら……魔法少女にならないで…!」
「なんで?」
「貴方が魔法少女になったら……っ!」
言えない。
「………なったらッ……私は…!!」
「え?」
言いたい。
「お願いだから…。私の言葉を聞いて…?」
「…ほむら、ちゃん…?」
「私ね、貴方のために願ったわ…」
「………?」
「貴方が幸せにって、願ったの。ごめんなさい—勝手でしょ?人の人生変えちゃうなんて…怖いよね……、でもね、運命は変わらないんだって、……貴方の運命は……っ…私は、貴方の運命を変えたい…!!お願い、だから。貴方は私のいうことを聞いて!!!」
暗く染まるソウルジェム、時は近づいた。
午後七時。
ワルプルギスの夜が—来た。
「……………。」
恐怖。
杏子は、さやかを助けようとして、死んだ。
さやかは、魔女になった。
マミは、さやか(魔女)に殺された。
もう独り。
さくら……生きて。
だあああっ!!!
吹き付ける暴風。
雷や雨が吹き荒れる、嵐。
「時間停止!」
ワルプルギスの夜に爆弾を仕掛ける。
解除!
だああんっ!!!
「……効いてない…。」
ははははは……という笑い。
木くずや鉄、岩が飛んでくる。
「きゃっ!?」
そん………なっ!…
ぐすっ、
「…………がはっ…!!」
「私……このまましぬの??」
いや………そんなの…っ、
「ほーむらちゃん!」
「…さくら…?」
「あたし、魔法少女になったよ!」
「……え?」
さっ、
と。銃を取り出すさくら。
小型な銃で、二刀拳銃。
何度も見てきた武器—、彼女の武器はまだある。
小型の剣。とみせかけた、長くなる剣。これも二刀流。
「銃亭」
だだだだだあん!!
ワルプルギスの夜に、銃がいくつも撃ち込まれる。
すっ、と。腰から剣を取り出す。さくら。
たたた、とワルプルギスに向かって掛ける。
ぐす。「長剣」
ざああっ!!!
一気に長くなる剣。ワルプルギスを貫く。
あははは………と、狂ったワルプルギスの笑いがひたすら響く。
「終わりだよ………ワルプルギス、」
—朝、
朝が来た。暗闇に差し込む日差し。
「さくら、」
「ん?」
「何を願ったの?」
「ひみつ」
何度もやり直してきた、
ワルプルギスを倒したら、魔女になるはずなのに。
なぜかさくらは、ならなかった。