二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 願い・前半 ( No.41 )
- 日時: 2011/07/29 20:27
- 名前: 空音さくら (ID: Pr1SsiXj)
「—ほむらちゃん………っひくっひく………」
暁美ほむら。彼女の本当の願いはやっとかなった。
柚莉さくらの運命をかえる—何度も、何度も時を繰り返して、さくらを救おうと、必死に頑張って、……ついに、その時、願いはかなった。
ワルプルギスの夜を、たおした。そして、さくらを死なせずにすんだ。それとひきかえに、暁美ほむらは、死んだ。
((初めて、出会ったとき。))
「自己紹介どうぞ、」
「………あ、……あけみほむな……ほむらです!!……そ、そ、その!よろしく……お願いしま……す」
冷や汗をかいて、顔を真っ赤にして。はずかしがりながら、彼女はみんなのまえにたった。
「暁美さんは、心臓の病気で入院していたの。」
「………。」
彼女はずっと、長い間病気で苦しんでいた、やっと歩けるようになり
ついに退院できた。ということだ。
「暁美さん、前はどこの学校だった?」
「部活は、なにしてた?」
「そのメガネの色、綺麗だね〜」
「そのタイツ、どこでかった?」
「え、………あたっ…あたし…」
たくさんの質問に戸惑うほむら。
「ごめん!みんな。ほむらちゃん、保健室いかなきゃなんないんだよね?」
「え……っ、あ、はい!」
「保健委員の人、今日休んじゃってるんだ。あたしが連れっててあげる!」
「………あ、ありがとうございます……」
はじめて、クラスメイトに名前で呼ばれた。
「あの……柚莉さん。」
「なぁーに?それと、さくらでいいよ!」
「あ、あたし……相手を名前で呼んだことも、よばれたことも、全然なくて………ほむらって、おかしな名前だから…」
「おかしななまえ?すごーく!可愛い名前だとおもうな!あたしは、だからずっとほむらちゃん、って呼んでいい?」
「……………ありがとう、…さくらちゃん。」
体育、
「いち、にー、さん、し、」
「ごー、ろく!、ひち!はち」
「ねぇ……準備体操だけで貧血ぅ?ちょっとやばくない…?」
「半年以上ベッドの上にいたんだって……」
「ええ、………やばいねぇ」
「なぁにはなしてんの〜?」
「え、……あっ、なんでもないよ!さくら、」
算数、
「へっ、あ…………ぁ」
「そうね、貴方ずっと授業を受けてないものね、いいわ。後で友達にノートを見せてもらいなさい」
「はい…………」
「あのこどんくさ……あたし苦手……」
「私も……苦手だよね、地味だし。」
「そうそう…」
放課後、
「ひくっ……ひくっ………!……ぅぅ……」
「ほーむらちゃん!ココにいたんだぁ!」
「…………さくらちゃん………」
赤くなった目をこするほむら。
「ほら、元気出して?」
「あたし………友達もいないし……」
「え?…………ほむほむ!」
「ふぇ?」
ぐにょーん。
ほむらのほっぺたをのばすさくら。
「ひたいひたぁぃ……はなひてくだひゃい…」
「ひっどいなー、ほむらちゃんはぁ……もう友逹だと思ってたのにィ」
(え—?)
「いつでも相談乗ったり、いっぱい遊んだり、いっぱいおしゃべりしたりするからさ。ね?」
「………………さ……さくらちゃ……うわああああああん!!!」
「え?え?なかないでええ!?」
「…………ひくっ、ひく………ありがとう、」
「うん」
(−それでも私にたいしての嫌みは、おさまるわけでもなかった)
「さくらあ、今度、一緒にケーキ屋いかない?」
「いくいくー!!!!」
「さすがお菓子大統領、ノリがいいねえ」
「アニメイトよってこー♪」
「え、新しいアニメグッズ発売されたの?澪ちゃんのフィギア!?」
「アニオタ発動!」
「ちょっと、さくらってばー一緒にメイトいくの?」
「今日は用事がー、でもいきたいー、いきたいよぉー、」
(さくらちゃんは、もてもてだった、クラスの人気者で……)
「やっぱり、さくらちゃん。あたしなんかより…………」
<死んじゃえば、いいんじゃないかい?>
「そうだよね、しんじゃえば楽になるよね……」
<死んじゃえば………>
「え?」
「此処……どこなの?」
<おいでよ………>
「え……!!きゃっ!?」
「危ない!」
—白く光る少女、
上からふってくる。
おかしな出来事。これはユメ?—
さくらは、魔法少女に変身した。黒のフリルのスカート。ハートがついた鎖、黒とピンクのハイソックス。赤と黒のチェックのネクタイがついた白のブラウス—、手に持っているのは、二刀拳銃。腰に刺さっているのは、小型の剣。
だだんっ、だだだだんっ、
<ああああああああっ>
「チョコ・フィレット!!」
ざざざざっざく!
「終わりだよ、黒の魔女さん。」
ずん。
「消えた…………?」
「危なかったぁ〜メイトよってこなくて正解!」
「さくらちゃん………なの?」
「えへへ、秘密がばれちった☆」
『助けて……………ぁ……っが……ゃめ……』
『やあああ!!!』
『…………っ』
響く銃音。
柚莉さくらの両親は、魔女に食われた。
—だが、これは正確にいうと違った。さくらの両親は、魔法少女に殺されたのだ。
「あはははっ………みんなしんじゃえばぁ?」
白い服をまとった魔法少女、由岐みこと。彼女は、両親から虐待にあい、迫害をうけ、さらにクラスメイトからいじめをうけていた。
精神的においつめられていた。ソウルジェムは黒く濁っていった。
「あははははは!!!」
銃音。返り血。彼女の白いブラウスは真っ赤だ。
彼女は、たまたまさくら一家が泊まったホテルに、魔法少女がおいいり、殺人をおかした。
だんッ、だんッ、
「あはははっは!!!はははは!!」
「しねしねしね!!」
「ねえ、なんで………?やめて……お母さん……あたしたちどうなるの?」
「さくら…!!じっとしてなさい。」
「ソウルジェムが…………え?きゃああああッ、」
由岐みことは、ソウルジェムが黒く染まりつくし、魔女へと変化した。
「ぁ…………お母さん!?」
「さくら………!!!……きゃああああ!!?」
ぐちょ、ぐちょっ、ごきごき……。
「きゃあああ!!!」
「僕と契約して、魔法少女になってよ!」
「—あたしは、みんなを救いたい。あの化け物を倒せるくらい、強くなりたい……。お願い、きゅうべえ!願いをかなえて!」
—