PR
二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 消えてしまえばいっそ楽に、 ( No.71 )
- 日時: 2011/08/05 18:04
- 名前: ゆう ◆Oq2hcdcEh6 (ID: uUVs9zNY)
「——亜美サン、」
震える声でそう呟いた。
眠る彼女があまりにも綺麗で儚くて。——まさか息をしてないなんてそんな、認めない。亜美サンはまた笑ってくれる。笑いかけてくれる。信じ込めば信じ込むほど己が惨めに思えてきて、俺は白い肌に指を這わせた。刹那、消える残像。
「——ンで、何でだよッ……」
この手に収めようとすればするほどすり抜けて届かない存在になってしまう。俺は苛立たしさから其処ら辺に置いてあったサッカーボールを思い切り蹴り上げた。ら、思っていた通りボールは何処かに消えた。あひゃひゃひゃひゃ、と狂ったような笑い声が上がる。それは気づかぬうちに己の中から漏れ出した虚無だった。
「……俺、亜美サンのこと、」
好きだよ。
「 ごめんね、 」
ぽつり。
居ない筈の彼女がそう嘲笑った気がした。
( すぐ傍で笑ってる筈の、すぐ指先が届く筈の、彼女はもう居ない。 )
*
「きっとそうすれば楽になれると」
信じていたから。
吐くだけ吐いて、消えてしまえば。
「嫌いじゃ、無かったんだけどなあ、」
残念そうに呟く彼女は、もう俺のものじゃなくなってて。つう、と俺の頬を撫でた白い指が嘲るかのように涙を拭った。泣かないの、と優しげに囁く彼女は、——嗚呼、
( 届きそうで、遠い存在。俺の手中には収まらない )
***
夜桜君hshs
なんであんなに可愛いんだろう、
彩音ちゃんの短編も書きたいんだけどなぁ、←
PR