二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン エイリア学園ウィンドレス オリキャラ募集中 ( No.45 )
日時: 2011/07/23 13:29
名前: アラン (ID: zGIWZsqg)

第二話 カル

 外跳ねに癖の付いた、白髪の少年が廊下を歩いていくと、目の前でドアが開いた。
 中から出てきた相手を見て、彼は橙色の目を細めて、顔に挑戦的な笑みを浮かべた。
「バーンじゃねぇかよ」
 突然声をかけられたバーンは、声の主を確認すると、同じような表情を返す。
「カルか。随分えらそうな口利くじゃねぇか。仮にもお前の上司だぜ」
「はっ、俺がバーン様なんて、言う様だと思うのか?」
 カルがぶん反り返ってそう言うと、そのえらそうな姿に、バーンは思わず噴き出してしまった。
「確かに。お前が敬語とか様付けとか、考えただけでも吐き気がする位、気持ち悪いわ」
 バーンが腹を抱えて笑い出すと、カルもそれに釣られる。
 二人で笑っていると、別の声がした。

「随分、楽しそうだね」
 ガゼルだ。
 バーンと同じ部屋にいたらしい。
「ガゼルか。お前ら共用ミーティングルームにいたって事は、何? 練習試合でもするのかよ」
「あぁ、明後日にね」
 ガゼルの返答に、カルは適当に返事を返すと、三人と並んで歩き始めた。
 傍から見れば、三人とも対等の関係に見える、少し滑稽な光景だ。

「それにしても——」
 ガゼルが話し出す。
「マスターランクには暑苦しいやつが多いな。今私の隣を歩いている君達なんて、まさにその通りじゃないか。特にカル」
「俺?」
「そう、君。最初に君を見たときは、完璧にその見た目に騙されたよ。そこのチューリップ野郎は、見た目で目が痛くなる程の赤だけど、君は落ち着きのある白だろ? なのに、暑さはバーンに負けない。まぁ、シュートは冷たいけどね」
 途中で「チューリップってなんだよ」「ふざけんなよ」とか言っているバーンをきれいにスルーし、ガゼルが言う。
「それ、褒めてるのかよ……」
 カルが困ったような表情で言葉を返すと、ガゼルも苦笑した。
「さぁね。まぁ、君の実力は認めているつもりさ。うちのチームにほしかった位だ」
「それは俺も思った。カル、お前、今からでもプロミネンスに入らねぇか? 歓迎するぜ」
 赤青の二人の眼差しは、真剣その物。それ程にカルの事を、認めていると言う事だろう。
 だが、カルはオレンジの瞳を明るく反射させ、上から見下ろすようにして、笑った。
「冗談言うなよ、バーン、ガゼル。そう言う事は、俺のスピードに追い付けるようになってから、言うもんだぜ?」
 バーンとガゼルは、その態度を咎める所か、逆に納得したように頷く。
「そう言うと思ったよ」
「確かに。今お前に追い付けるのは、ウィンディー位しかいねぇもんな」
「そう言う事だ」
 カルはユニフォームのポケットに手を突っ込んで、ふふんと得意げに鼻を鳴らした。
「あ、そういえば、バーン。うちのキャプテンが、明日お前の所に試合申し込むに行くって言ってたから、夕方、時間空けとけよ」
「マジかよ、面倒くせー」
「キャプテンもお忙しいな」
「そう言う君は、今どうしているんだい? ウィンドレスの主要戦力だろ?」
 ガゼルが聞くと、カルは待ってましたとばかりに、胸を反らす。
「実は今な、ウィンディーと二人で合体技を考えてるんだぜ」
「そう言う事って、そんなに簡単に言っていいのかよ。俺達、一応敵だぜ」
 バーンがあきれた表情をするが、カルはまったく気にしていない。

「技が完成したら、俺達ウィンドレスはもう誰にも負けねぇ。完璧になるんだ!」