二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン エイリア学園ウィンドレス  ( No.63 )
日時: 2011/07/31 13:56
名前: アラン (ID: zGIWZsqg)

 バーンがボールを持って、勢いよく相手側ゴールへ向かって攻めるが、ゴールポスト直前で、黒い影が過り、その足元からボールを掠め取っていった。
「ちっ」
「バーン様も、まだまだですね」

 バーンの舌打ちを聞いて、ラルズは少し微笑むと、その横を走り抜けた。その動きに、長い髪が水のように空を流れる。
「ムーン!」
 大きく蹴り上げられたボールは、同じ黒の髪の少女に向かって落下して行った。
 ボールをMFのムーンが足首で上手くボールをすくうようにして止めると、首にかけられた三日月のペンダントが大きく揺れた。
 そのままボールをキープして走り出す。

「行かせるか!!」
 プロミネンスのネッパーが突っ込んでくるのを見て、ムーンは眉を潜めた。金の瞳が少し揺れる。
「面倒くさいですね。どうせ成功しませんのに」
 ボソッと呟いたその一言は、誰の耳にも届かなかった。

 相手がギリギリ近付いてて来た所で、ムーンは突然ボールを足で挟み、華麗に宙を舞う。
「ムーンサルト」
 ネッパーを追い越し着地したムーンは、ボールを蹴りだした。
「ハイブ」
 ハイブはそれを胸で止めると、周りを見渡す。
「アニうわぁっ」
 マークの薄い方にボールを渡そうとしたものの、それを相手チームのレアンにスライディングで奪われる。

「ちょっと、ハイブ何やってんだよぉ! いくらレアンに色気がないからって、仮にも女だろ?!」
「ごめん……」
 少し離れた場所からのアニの声に、ハイブは少し申し訳なさそうに方を竦めた。
「それとも、お前あれか? レアンにドキマキしちゃったの? うわっ、信じられない! あんなガサツ女に?」
「別に一言もそうは言ってないんだけど」

「ちょっと、あんた達!」と、突然甲高い大声が飛んできて、そちらへ向くと、ボールをキープしたレアンがウィンドレス側へと走りながら、振り返ってこちらを、鬼のような形相で睨んでいた。
「あとでぶっ殺すから覚悟しなさいよ!!」

「お前なんか全然怖くないもんねー!!」
「オレは関係ない気がするんだけど!」
 それに対しての二人の反応は、まったく違うものだった。


「風斬!」
 無形の刃がレアンを襲い、その体周辺を風が囲み、レアンはそのまま吹き飛ばされてしまった。
 その残風に巻き上げられたサッカーボールは、計算されたかのように、アキラの足元へと落ちる。
「よそ見はいけないぞ」
 にこっと笑う彼女の周りは、少し温度が低いのは気のせいだろうか。

「アキラ、こっちだ!」
 鋭い声にそちらを見ると、いつの間にかカルとウィンディーがディフェンスライン近くまでに戻ってきている。
 アキラがそちらへボールを高く蹴り上げると、カルは少し飛んで足で挟むようにして固定しキャッチした。
「行くぜ、ウィンディー」
「オッケー」
 
 二人は身を少し屈めると、勢いよく同時に駆け出す。
「止めろ!!」
 自分のチームにそう叫ぶバーンだが、突如目の前に風を感じた。それも素早く駆け抜ける風だ。振り返ると、今にもがフィールドの中盤を抜けようとしている緑の影が二つ
 プロミネンスのDFも抜かされ、カルとウィンディーはゴールの前に立つ。
「あれやるぜ、ウィンディー」
 カルの声に、ウィンディーは微かに頷いた。