二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン エイリア学園ウィンドレス ( No.71 )
- 日時: 2011/08/27 11:37
- 名前: アラン (ID: zGIWZsqg)
第三話 キャプテン失踪事件
「はぁ?! 来夢がいなくなった」
ある朝、いつものラルズらしくない甲高い声が、マスターランク専用の食堂に響き渡る。
それに対し、ウィンドレスのDF、カルマは唇に指を当てながら小さく頷いた。そして顔をラルズに近付け、声を少し落とす。
「実は昨日、こっそり抜け出していく所を見たんだ——」
光の関係で、さらに少し黒くなった浅黒いカルマの肌を見て、ラルズは軽く頭痛を感じた。
あの馬鹿キャプテンは、今度は何をやらかすつもりなのだろう。
「今回の事はラルズにしか言っていない。あまり騒ぎになるのもよくないと思ってな」
カルマの発言に、ラルズも冷静を取り戻しながら、同意する。
「そうね、みんなの士気にも関係してくるし。今回は私の方から適当に何か理由を付けて、みんなに説め——」
「おーい、ラルズ、カルマ! キャプテンがいなくなったぞ」
その叫び声と言ってもいい程の大声に、再びラルズは頭を抱える。
「あのね、毎回思うけど、あなたはわざとやっているの?」
怒りで震える声を抑え、ラルズはアキラに振り返った。
「え、何が?」
清々しい程の爽やかな笑顔をアキラは返す。
アキラの大声は、当然食堂内全体に響き渡るわけで、ぞろぞろとメンバーが集まってきた。
「ウィンディー様いなくなったの?」
控えのイオように、気にしないようなメンバーもいれば、
「えー! ウィンディー様いなくなっちゃったの?!?! どうすんのさ!!! もしこの見付からなかったらどうするの! あぁー!! もう、うちのチームはおしまいだぁ!!」
等と、イクトのように大騒ぎしているメンバーも、少数ながらいる。
ついには食堂にいた別チームのメンバーも集まってきた。
「何だい、ウィンディーいなくなってしまったのか?」
と腕組をしながら、さらりと言うガゼルに続け、アイシーがその後ろから顔を覗かせる。
「で、どこに行ってしまわれたの? ウィンディー様は」
「そんなの、私が聞きたいわよ」
とラルズがため息をしたその瞬間、大きな笑い声が響いた。
「アハハ! キャプテン失踪とか、お前らも、もう終わりだな。そんなまとまりせいのねぇチームが、ジェネシスの称号をもらえるわけねぇだろ?」
ビキッと不吉な音が、ウィンドレスのメンバーに広がり、全員がそちらに目を向けると、そこには爆笑しているネッパーの姿が。その後ろでは、ヒートが止めようとしている。
「そんな事、お前のようなバンダナ厨二には言われたくないね!」
アニが拳を握り締めながら言う。
「だいたい、お前のチーム、ダイヤモンドダストには負けて、うちとガイアでは引き分けだったじゃん。全体チームの成績で一番下な癖に」
「はぁ! それでもうちのバーン様はてめぇのチームのキャプテンとは違うんだよ! そんなチームを置いてくような無責任な事——」
「バーン様もいないよ」
熱い二人の声に割り込んだ冷めた声は、焼けに目立った。
そちらに目を向けると、朝食を乗せたお盆を持ったクレアが。いつもの無関心そうな声で、彼女はさらに続けた。
「バーン様も昨日の夜に抜け出したよ、ウィンディー様と一緒に」