二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン エイリア学園ウィンドレス  ( No.80 )
日時: 2011/09/03 13:22
名前: アラン (ID: zGIWZsqg)

「あ、カル見つけたよ」
 ハイブはどこで入手したのか分らないが、無線の通信機に向かって言う。
 それに対し、少しノイズ音の混ざったアニの声が、機械の中から返ってきた。
『本当?! どこにいるの』
「駅」

「カル捕獲したぞ!!」
「あ、今捕まえたみたい」
 ネッパーに押さえつけられたカルは、反抗する所か、力無く肩を落とし、どことなく青ざめた顔をしている。
「あいつらヒデェーよ。福岡行きのチケットが2枚しか残ってないからって、俺のけ者にして、キャプテン命令だとか言って俺だけ残して行きやがった。普段はあんなに仲良くしてくれてたのに」
 カルは心無しか、目に涙が浮かんでいる。
「バーン様とウィンディー様は福岡に行ったみたいだよ」
『よし、ヒートとハイブはオンラインで新幹線のチケットを購入して。えっ? 何、イクトもなんかしたいの? あー、適当にそこら辺で踊っててればいいよ。じゃあ、カル連れ帰って来いよ。もう通信切るからね』
 そう言い、通信が切れたが、ハイブが無線機をしまおうとしていると、再び電波をキャッチし、無線の緑のランプが光った。そこから、アニの声が聞こえた。
『あ、カルに一言な。ラルズめっちゃ怒ってるからね。冥福、祈ってるよ』



 薄暗い廊下で、二人が対峙し静かに、穏やかに睨みあっていた。
「これは、あなたの差し金かしら」
 その冷たい声音に、コウは嘲笑にも似た笑みを浮かべる。
「さぁ、どうでしょうね? でも、どちらにしろ、私には好都合ですね、キャプテンも、雷門に興味を持ち始めて」
「質問に答えて頂戴」
 ラルズはコウに、一歩近付く。
「それを答えた時点で、意味はあるのですか? 結局、キャプテンは知ってしまう、雷門に誰がいるのかを。それを知って潰れるのなら、私にとってそれは、彼女がその程度だっただけの人、ということなのですよ」
 
 空気中を、乾いた音が響いた。
 コウは無表情で、少し赤くなった頬を押さえ、獣のように荒い息吐くラルズを見下ろした。
「あなたは来夢の事を、何も知らない」
「でも、貴女も私のことを、何も知らない。貴女がキャプテンを大事に思うように、私は父さんを大事に思っている。私たちは同じなのですよ」
 次の瞬間、コウはラルズの耳に顔を近付け、囁いた。

「でも覚えて下さい、大切なものがすでに危険な状態にある時、それを守るのは困難だと」