二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン エイリア学園ウィンドレス ( No.90 )
- 日時: 2011/10/19 05:33
- 名前: アラン (ID: zGIWZsqg)
「風丸くん、見て!」
とすぐ後ろで声がしたかと思えば、どんと背中を押され、ウィンディーは風丸の目の前に立つ形になった。
ウィンディーと風丸は互いを見つめたまま固まってしまう。
果たしてこんなにあっさりとした再開でいいのだろうか。と、ウィンディーは動かない頭の中で思った。
自分達の立場はともかく置いておくとして、このシチュエーションはなんだろう。
まったくドラマ性も何もありゃしない。
「あー、まさか来夢……なのか?」
「一郎太……お兄ちゃんだよね?」
などど二人ともきっと心の中では分かりきっているのに、こんな質問をした。
きっとお兄ちゃんも、この急展開に付いていけてないのだろうなと、ウィンディーは感じた。
さらに数秒後、ためらいがちに風丸は口を開く。
「なんで沖縄にいるんだ? 母さんと仙台に引越したはずじゃないのか?」
「それは……」
もっともらしい質問と言えば、もっともらしいが、残念ながらウィンディーは答えを持っていなかった。
口ごもっていると、突然肩に手をかけられる感触がした。
「実は来夢はな、俺の家に下宿してんだ。俺ら、小学校の時の同級生でさ、俺はその後、沖縄に引っ越してきたんだ」
あののろまで間抜けで馬鹿なバーンが、ここまで完璧な理由を即興で作れるとは思わず、軽く感動の眼差しで、ウィンディーは彼に振り返る。
「な、そうだろ? 来夢」
「あ、そうそう、そうなの!」
「それでさ、兄妹再開の感動的なシーンを邪魔して悪いけど、お前ら、炎のストライカー探してんだろ?」
「なんでそれを?」
それまで黙っていた円堂が、バーンに聞いた。その瞳には、期待が垣間見える。
「実は、彼が炎のストライカーなんだよ。彼、南雲晴矢君が」
吹雪が人懐っこい笑顔で、紹介した。
ウィンディーは吹雪を見る。
相似、というレベルを遥かに超えている。やはり、カルと彼は……
そしてその視線を、円堂に移す。笑顔でバーンによろしく等と、愛想良く挨拶しているが、明らかな失望が彼を包み込んでいた。
「ねぇ、さっきのあれ、また見せてよ」
「そうそう、すごかったよな、あのシュート」
予定通りに持ちかけられた提案。
バーンは確かめるように、こちらをチラッと見た。ウィンディーは、軽く頷く。
「いいけど、ただやるだけじゃつまらねーだろ?」
「どういう事だ?」
円堂の問いかけに、バーンは片指を上げる。
「俺達と雷門イレブンでテストだ。それで入るかどうか、決めてやる。雷門11人VS俺ら二人。どうよ」
「面白そうだな! やってみるか、立向居」
円堂に対する立向居が返答する前に、ウィンディーはサッとその間に割り込んだ。
「だめだよ、それじゃ。テストするんだから、正式キーパーとやらなくちゃ」
その時、風丸が聞いた。
「ちょっと待て、二人対11人って、もう一人はどこいるんだ?」
ウィンディーはそれを聞いて、ニコリと風丸に向かって笑いかける。
「何言ってるの、お兄ちゃん。私に決まってるでしょ?」