二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: Sなアイツにご用心!! 【イナGO】 ( No.19 )
日時: 2011/11/03 19:52
名前: 奈義沙 (ID: Ru7e1uoX)

南「バカだとはわかっていたが、まさか、ここまでバカとは思わなかったな……」

 散々な言われようだ。

 聖那は腹立たしすぎて、逆に呆れてしまった。

聖「先輩って、そのドSスキルぐらいしか持ち合わせていないんですか?」

 聖那は南沢に睨まれるのを覚悟した。

 だが、そんなことを恐れていては、不良として許せないことだ。

 喧嘩は買うのではダメだ。自らの手で売らなければならない。

 それが聖那の信念だった。

南「お前、本気でそう思っているのか?」

 南沢が軽蔑したような目を向け、そして憐れむような馬鹿にしたような色に変わる。

南「そうだとするのならば、お前はただのバカだな」

聖「な、なんだと!」

 いけない、いけない。

 一時の怒りに意識が奪われそうになるのを必死に押さえながら、聖那はあくまでも冷静を装って、返事をした。

聖「ば、バカであろうが何であろうが構わない。私が自分のことをバカだと思わない限り、私はそれを気にしたりなどしない」

南「つまり、今は気にしてないってことなんだろ? それって、『自分はバカだ』って示しているのと同じことじゃないか」

聖「……」

 あくまでも、聞かないふりをする。

南「はははっ!」

 聖那のその態度が変につぼに嵌り、南沢は大爆笑し始めた。

 聖那の頬が真っ赤になり、見る見ると膨らんでいく。

 風船といい勝負だ。

聖「……そこまで笑うことはないだろう?」

南「いや、その負けを認めたような顔! 最高だな、お前」

 褒めているのか、はたまた貶しているのか。

 うん。絶対に、貶されている。

 聖那の予想通り、南沢は聖那を貶している。

聖「このサド男が」

南「サドじゃなくて、お前みたいなやつが、敗北を味わうのを見ることが好きなだけさ」

聖「それをドSというんだよ。無自覚とか、一番たちが悪いじゃないか……」

 聖那の呟きと共に、溜息がもれた。