二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: Sなアイツにご用心!! 【イナGO】 ( No.21 )
- 日時: 2011/12/18 13:00
- 名前: 奈義沙 (ID: Ru7e1uoX)
《雷門中サッカー部の実態》
別に好きで通っているわけではない。兄に言われてここにいる。
当たり前のことを、聖那は恨んだ。
聖(なんで私があんな目に……)
彼女自身はMではないのに、どういうわけかこの学校出会う男は皆Sなのである。いや、皆というのは言いすぎであろうが、少なくとも聖那が予想した以上のSがこの学校にいる。三人も……。
聖(一人が剣城京介——これはエロめのSか? とにかく、人の弱点をうまく使いそうだ)
聖那は先生の話を小耳にはさみながら、ノートの端っこに『剣城・・・エロS 弱点使う』と小さくメモした。
それから彼にやられたことを思い出し、一人赤面した。今すぐに殴りに行きたい衝動を理性で抑えながら、聖那は南沢の事へと思考を切り替えた。
聖(そして南沢篤史——ナルシストの俺様的Sだな。人の不幸は蜜の味、ってか?)
聖那の耳はすでに先生の声は、蟻の叫び声にしか聞こえなくなっている。そしてまたノートに端っこに『南沢・・・ナルシの俺様S 他人の不幸を見て楽しむ』と書き込んだ。
だが……と聖那は考える。確かにSだ。だけど紙に書いておけとか教えてくれたし、何気に優しいではないか?
そこまで考えると、シャーペンを握りなおして『少し優しい?』と書き加えた。
聖(残るは松風天馬——こいつは厄介なSだ。絶対服従させたい主義だな)
先生の話が止まったことにすら聖那は気付かない。もちろん、先生に睨まれていることも、周りからの視線にも気付かない。ただノートの端っこに『松風・・・絶対支配主義 黒い 近づかないように』と書く。
そこまで書いて天井を仰ぐと、青筋を立てているハゲ教師の眼鏡が目に飛び込んだ。
聖「あ」
先「……飛鷹さん? 授業をきちんと聞きたまえよ?」
聖那はしまったとノートの端を隠したが、説教されるという事実が変わることはなかった。
結局、残り二十分近くあった授業時間は、先生の聖那への怒りと聖那の意地で潰されてしまった。
聖「ま、松風」
終礼前、聖那は南沢の弱点を聞こうと、松風を呼び止めた。
松「ん? なぁに?」
六時間目前の出来事など、とうに忘れ去っているような顔を松風はしている。それを見て聖那は泣きたくなってきた。
聖「南沢篤史って知っているか?」
松「え? うん。知っているよ」
聖「じゃあさ、そいつの弱点とかってわかるか?」
松「えぇっ! 南沢先輩の弱点? どうしてそんなことを……」
聖「いや、その、いろいろ……」
聖那は適当にごまかして、どうにか聞き出そうとした。
松「うーん……俺には分からないなぁ。あ、そうだ! おーい、狩屋ぁ!」
松風は、近くにいた水色の髪をした男子を呼んだ。
松「南沢先輩の弱点って知らない?」
狩「ハァ? 知るかよそんなもん」
何聞いてんだよ、という顔をして狩屋がこちらを睨みつけた。