二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

参照500突破記念特別頁。Ⅱ ( No.91 )
日時: 2011/12/05 18:42
名前: 蓮華 (ID: E1WQRXsj)
参照: アリスパロだよ、もしかしたら二、三話続くかも!!

ざく、ざく、ざく、ざく。
木の根が地表に盛り出してるとても歩きにくい木々の間を歩きつつ、周囲に注意を向ける。
いくら近くに剣の達人らしいユウが居たって、彼から襲撃されるとは限らないだろうし。

「しっかし、重いなぁコレ。どうにかなんない?」
「もうちょい歩くさ。あれ〜、アイツココらへんの木にいつもいるのに。」

「呼んだ?」

ふわりとした身のこなしで目の前に降りてきた少女は紫とピンクの縞々尻尾をだるそうにだらんと垂らしていた。
っていうか、灰色の中に映える猫耳がピコピコ動いてる。
どうやらあれはコスプレとかではなくちゃんと生えているようだ。
両手を組んで、片足を前に突き出し足のつま先を上げた状態で此方を見ていた私より年下らしい少女は私の方に歩いてきた。
そしてまじまじと見つめたかと思うと、にっこり笑った。

「へぇ、アンタがアリス!!」
「・・・ハイ?」
「ラビから聞いてるよ、異世界者の救世主だって。あ、あたしチェシャ猫。名前はクオリって言うの。」
「あ、アリスです。」
「よろしくね。」

びっくりした。
てっきり「あ、ああ貴女なんかにユウは渡さないんだから!!」って感じでバトルでも始まるのかと・・・。
てかラビ、いつの間に、

「こんな可愛い子に手ェ出してたの?」
「えぇ!?ちょ、それは誤解さ!!」
「・・・酷いわラビっ、あたしとの仲を否定するのっ!?」
「女の敵め!!!」
「何悪ノリに悪ノリしてんさ!!」

半涙目のラビを見てなんかスカッとするのは何故だろうか。
片手に目薬持つクオリと二人で抱き合ってラビを睨む。あぁ良いね、こういうノリの良い子は嫌いではない。
さてそろそろユウの視線が痛いっていうか何かグサグサ来てるからこのラビをいj・・・からかうのをやめようか。

「よし、で、何で此処に来たの?」
「クオリが道案内役。」
「・・・・・・・ラビ知ってなかったの?」
「うん。」
「もしクオリが見つからなかったらどうしたの?」
「・・・・・・なるようになるさ!!」

まさかのケセラセラ発言だよオイ。
ねェ「ちょっとお待ち下さい」って文章書いてて欲しいんだけど。マジで目の前の万年発情ウサギをぶん殴りたいんだけど。
もしくはこの刀でバラッバラにしてやりたいんだけど。

「やめっ、刀取り出すな!!無言で構えるな!!!怖いから!!」
「そこから動かないでねェ、一瞬で花畑で遊ばせてあげるから。」
「全力で遠慮するさぁぁぁああっ!!!」

ジリジリと下がるラビに刀を突きつけ、追い詰める。
と、刀に重ねられた刃。
漆黒に包まれたその刃は月光で艶やかに一筋の光を走らせていた。

「やめとけ、それで斬るのはあの姫だけだ。」
「・・・チッ。」
「ユウ!!ありがとさ!!」
「俺が一発で昇天させてやろうか。」
「お礼言っただけさ!?」

キン、と静寂の中に刃を鞘にしまう音だけが響いた。

「よし、行くか。」