二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ポケモン】光旅 ( No.2 )
- 日時: 2011/08/04 07:49
- 名前: そらはね。 (ID: nNH22Zc.)
第1話 旅の始まりは
太陽が明るく照らすライトタウン。レイスは、全力疾走で北の方角にある研究所へと向かっていた。
息を切らしながら、しかしその足を止めることもなく、レイスは研究所へたどり着くと、一度扉の前で静止して、呼吸のリズムを戻そうとする。
緊張しつつ、研究所の扉の取っ手に手を伸ばそうとしたが、そこで誰かの人影がレイスには見えた。慌てて振り返ると、見ず知らずの少年が立っていた。
身長は小さいものの、その顔はどこか大人びていた。髪はちょっと長めの茶髪で、綺麗な蒼い瞳をしていた。
しばらくレイスはその少年にみとれていたが、気がつくとレイスはその少年に突き飛ばされて、少年は研究所の中へ入って行ってた。
「……なんなの……?」
今の少年に少し怒りを覚えつつ、レイスは研究所の中に入っていった。
「あ、レイスちゃんも来たわね」
「こんにちは、サクラ博士」
サクラ博士はそういうと、「少し待ってて」と言って研究所の奥へ行った。辺りを見渡すと、さっきの少年が立っていた。
なぜ少年がいるのかレイスには分からなかった。じっと少年を見てると、少年は綺麗な蒼い瞳でレイスのことを睨んできた。
「っ…………」
レイスは目線をそらした。すると、サクラ博士が色々な物を持って研究所の奥から出てきた。
「お待たせ、二人とも」
「……サクラ博士、この人誰なんです?」
そう言ったのは少年。少年は指をレイスに向けながら博士にそう言う。
「ああ、ヒソク君には言ってなかったわね。レイスちゃんと言って、ヒソク君と同い年の子よ」
ヒソク、という少年はレイスの方を見ると興味のなさそうな顔で「そうなんですか」と言う。流石のレイスもカチンと来たが、まぁいいだろうとその場を流した。
サクラ博士は、二人に赤い箱のようなものとモンスターボールを渡した。赤い箱のようなものは二人もよく知っている、ポケモン図鑑だ。
「ポケモン図鑑、それと……“イーブイ”よ」
「イーブイ……あの進化ポケモンの……?」
イーブイというポケモンは、現在では7種類のタイプに進化すると言われているポケモン。二人もそのことは知っていた。
二人は博士に「ありがとうございます」と礼を言った。
「あと、これも渡しておかなきゃね」
サクラ博士はそういうと、何かのケースみたいなものを二人に渡した。ヒソクには蒼いケースを、レイスには紅いのを渡した。
二人は不思議そうな顔でケースを見つめる。するとサクラ博士が説明した。
「これはバッジケースよ。各地には8つのジムがあって、そのジムのリーダーを倒せばバッジが貰えるの」
そしてそのバッジを8つ集めたものはポケモンリーグに進む資格がある、とサクラ博士は付け足した。
ポケモンリーグのことも、二人はよく知っていた。ヒソクはその事を聞くと表情が真剣になったことから、恐らくポケモンリーグを目指すのだろう。
一方のレイスは、ポケモンリーグを目指すことまでは考えてなかった。
二人は研究所を出て、すぐにモンスターボールからイーブイを出した。
そのイーブイは、きゅるんとした瞳にふさふさの毛をしていて、とてもかわいらしいポケモンだった。
「うわぁ……可愛い……!」
あまりの可愛さに、レイスはイーブイを抱きかかえる。イーブイも少し嬉しそうにしている。
一方のヒソクは、イーブイをボールから出すと、早速街の外に出ようとした。
「ヒソク! ……だっけ」
「………………?」
しかし、レイスはヒソクを引きとめた。なぜなら、どうしてもやりたいことがあったからだ。
すぅ、と息を吸って、レイスはモンスターボールをヒソクに向けて言った。
「ポケモンバトル、やってみない!?」