二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 偵察者〜オーガ〜 ( No.30 )
- 日時: 2011/08/03 22:44
- 名前: 成神 瑠希亜@オーガ ◆H8fu4x3fYY (ID: IZus4UZf)
- 参照: http://uranai.nosv.org/u.php/novel/korabodaze/
PART 7*+。・これで終わりだ・。+*
「先行は??」
先に口にしたのはミストレだった。
グミは腕組みをしたまま、相変わらずの態度で挑む。
「先行などどうでもいい。好きにしろと言っただろう」
どこか生意気で挑発的な態度をとるグミを前に、ミストレは一歩前に出た。
「なら遠慮なく・・・!!」
グミはミストレが真正面に攻めてくるまで動かなかった。
目を閉じて、指先にも神経を漂わせた。
そしてミストレが真正面に左足に蹴りを入れそうになったとき。
グミの左右対称の目が、カッと見開いた。
そしてそのままミストレをよけ、前方方向から右手の肘を入れた。
「ッ・・・!!」
ミストレは痛みに声をあげそうになった。
だが、まだいけると言わんと同時に、しゃがみこみながら辛うじて回りこんだ。
.
どんな攻撃を仕掛けても、グミには通じない。
そう言われているかのように、何もかもがきまらない。
そしてミストレがもう限界だと示し、よろめいた瞬間。
グミは彼を片手で思い切り押し倒した。
その光景に、唖然とする野次馬達。
何が起こったのか状況がつかめないのは、バダップもエスカバも、それに、ヒビキ提督たち議員一同も同じだった。
グミは仰向けで押し倒され、倒れているミストレをジッと見つめた。
赤と青の瞳が、彼の瞳を見入った。
何をするのかと思えば、グミはミストレの首を片手で掴んだ。
もう片方の手は、彼の左手首を押さえている。
「きゃぁっ・・・!!ミストレ様がっ・・・!!」
「おい、マジかよ・・・!!」
「え・・・マジ・・・!?」
グミはミストレの首を掴む手の力を、徐々に強めていく。
「カハッ・・・!!」と呻くミストレ。
あえて抵抗はしていないが、ミストレが苦しんでいるのは誰もがわかる。
「・・・」
グミは何も言わずに、力を抜いた。
そして、ミストレの首と左手首を掴んでいた手を離し、そっと立った。
その光景には、誰もが驚いた。
「・・・っ・・・」
「もうこんな勝負、挑むな・・・!!」
ミストレは絶句し、グミは静かに呟いた。
その静かさと共に、グミの怒りは頂点に達していて、冷静な判断においてミストレを端から睨みつけた。
—静かに。
野次馬達はぐみを避けるかのように、グミが通る道をあけた。
そしてグミは、前もって呼ばれていたため、提督室へ向かおうとした。
「ミストレ様っ!!今すぐ救護室へ・・・!!」
「かなりぼろぼろじゃない・・・何よあの女!!」
野次馬達がすぐさまミストレの元へと駆け寄った。
ミストレを救護するとの声が上がる中、グミへの批判の声も数多く上がった。
「・・・ッ・・・グーミリア・リオル・・・。君には敵わないようだな・・・!!だが、いつか必ず抜かしてみせる・・・ッ!!」
グミの背後に声をぶつけ、スタスタと歩いていっていたグミが、足を止め、小さくミストレを振り返った。
「・・・好きにしろ」
それだけ言い放ち、再び歩き出した。