二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 50章 小回り ( No.100 )
日時: 2011/08/09 20:36
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

「——ライノス、雷の牙!」
ライノスは電気を帯びた牙で地面に噛み付く。すると地面へと流された電流は地中でスパークし、角を高速回転させて突っ込んでくるヒョウカクの動きを止める。
「よしっ、いいぞライノス。そのままストーンエッジだ!」
ライノスは鋭く尖った岩を無数に発射する。雷の牙の追加効果で怯んでいるヒョウカクはその攻撃を避ける事ができず、直撃を受けてしまう。
「ヒョウカク!」
ヒョウカクは氷タイプなので、岩タイプのストーンエッジは効果抜群。如何にまだライノスの能力が低くとも、大ダメージは免れない。
「このまま攻め落とすぞ、ライノス。ランドバイブル!」
ライノスは地面に角を突き立て、強く振動させる。その振動は進むにつれて膨張していき、ヒョウカクに届く頃には地震に匹敵するほどの威力になった。
「くっ、ヒョウカク、アクアテール!」
ヒョウカクは尻尾に水を纏わせてライノスに叩きつけようとするが
「かわして毒突きだ!」
ライノスは尻尾の一撃をかわし、毒を帯びた角をヒョウカクに突き刺す。
ヒョウカクは攻撃部位が角と尻尾しかなく、小回りが利かない体となっている。対するライノスはやや変則的だが人型で、体がまだ小さく小回りも利く。なのでアクアテールのような大振りの攻撃は、ライノスからすればさほど脅威にはならない。
「ライノス、雷の牙!」
ライノスは電気を帯びた牙で地面に噛み付き、電流を流す。そしてその電流を地中でスパークさせ、ヒョウカクに電撃を浴びせる。
「ヒョウカク、フリーズプッシュ!」
ヒョウカクはライノスを氷で包み始める。たぶんライノスよりもさっき戻したキルリアの方が戦いやすいと読んで、交代させる気だろう。
「ライノス、ストーンエッジで打ち破れ!」
だがしかしイリスとライノスはそれを許さない。ライノスは全方向に鋭く尖った岩を発射し、ライノスを包み込もうとしていた氷を破壊、そしてヒョウカクに突き刺す。
「毒突き!」
さらにライノスは毒を帯びた角も突き刺し、追い討ちを掛ける。ここまで撃ち込めば、さしものヒョウカクもそろそろ限界が来るだろう。
「ヒョウカク、ドリルライナー!」
というのは甘い考えで、ヒョウカクは角を高速で回転させ、ライノスに突撃してくる。
「ライノス、雷の牙!」
それに対しライノスは地面に流した電流を地中でスパークさせ、ヒョウカクの動きを止めようとするが
「地面にアクアテール!」
ヒョウカクは尻尾に水を纏わせ、地面に叩きつける。するとその衝撃でヒョウカクは空高く舞い、雷の牙を回避する。
「しまった……」
イリスが遅くもそう呟いた次の瞬間、ヒョウカクは真下のライノス目掛けて落下し、回転する角を突き刺す。
「ライノス!」
ライノスはドリルライナーを喰らい、吹っ飛ばされ、戦闘不能となった。
「ありがとうライノス、良くやってくれた」
イリスはライノスを労い、ボールに戻す。確かにライノスはヒョウカクにかなりのダメージを与えた。この分なら、次に繰り出すキルリアもヒョウカクを楽に倒せるだろう。
「さあ、頼むぞ。キルリア!」
イリスはラルトスから進化し、一度戻されたポケモン、キルリアを繰り出す。
「キルリア、サイコキネシス!」
キルリアは先制して強力な念動力を放ち、ヒョウカクの動きを止める。
「叩きつけろ!」
そしてそのままヒョウカクを地面に叩きつけ、自分の方へと寄せるように引きずる。
「炎のパンチ!」
そして炎を灯した拳をその白い体に叩きつける、氷タイプのヒョウカクには、炎タイプの技は効果抜群だ。
「ヒョウカク、アクアテール!」
ヒョウカクは反撃にと水を纏わせた尻尾を振るうが
「テレポートで回避だ!」
キルリアはサイコパワーを使った瞬間移動でその尻尾を回避する。
「シグナルビーム!」
キルリアは色彩を束ねたカラフルな光線を至近距離からヒョウカクにぶつける。ヒョウカクはまだ戦闘不能ではないものの、ライノスから受けたダメージもあり、かなり疲弊しているようだ。
「決めるぞキルリア。炎のパンチ!」
キルリアは拳に炎を灯し、ヒョウカクを殴り飛ばす。実はこのキルリアは攻撃も結構高く、殴り飛ばされた後落下して地面に叩き落されたヒョウカクは、戦闘不能になっていた。
「戻って、ヒョウカク」
レイカはヒョウカクをボールに戻す。これでレイカの残りポケモンは後一体だ。
「では、私の最後のポケモンをお見せします。頼みます、フローリア!」
レイカの最後のポケモンは、白と水色の着物を着た(というか、着物が体)人型のポケモン。髪の毛は長く、黒に水色を上塗りしたような色。頭には分かり難いものの、小さな角がある。
「雪女ポケモン、フローリア。氷タイプのポケモンか」
氷タイプなら炎技を覚えているキルリアの方が有利だな、とイリスは思いつつ、相手の出方を窺う。
「フローリア、アイスバーン!」
フローリアは振袖を振り、氷雪の衝撃波を放つ。特攻が高いのか、その威力は見るからに凄まじいものだった。
「キルリア、テレポート!」
キルリアはテレポートでその衝撃波をかわし、フローリアの背後を取る。
「炎のパンチ!」
そして拳に炎を灯し、フローリアに殴りかかる。しかし

「フローリア、ソウルブレイク!」

フローリアは振袖からモヤモヤとした、鈍く光る白い煙のようなものを放つ。その煙のようなものはキルリアに当たり、吸い込まれていく。
するとキルリアは目を見開き、苦しそうにその場に崩れ落ちた。
「キルリア!?」
イリスはキルリアに何が起こったのかと、声を荒げる。
そしてレイカとフローリアは、凍てつくような視線でそれを見つめるのだった。



今回は説明不要なバトル回でしたね。いや、大半はそうなんですけどね。まあ強いて言うならレイカの切り札が出て来た、と言いますか。レイカの切り札はフローリアです、参照を見ればお分かりになるでしょうが、レイカにはピッタリです。……そう思うのは僕だけかもしれませんがね。では、次回はイリスvsレイカ、決着です。お楽しみに。