二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 61章 爆弾 ( No.123 )
- 日時: 2011/08/13 00:38
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
カゴメタウンから出たイリスとミキは、とりあえずサザナミタウンへと向かうため、13番道路に来ていた。
そして、会いたくない者と遭遇してしまう。
「どうも、また会いましたね、英雄さん。今はお弟子さんを連れているようですが」
出会ったのは、黄色い髪に執事服を着た男、7Pのエレクトロ。
そしてもう一人。地面に着きそうなほど長い青色の髪に、水色のワンピースを着た女、同じく7Pのレイ。
「……何の用だよ」
イリスは二人を——特にエレクトロを睨みつけながら言う。
「なに、あなたにリベンジしたいと、レイが言うものでしてね」
イリスはレイに目線を移すと、レイは氷柱のように冷たく鋭い眼差しで、イリスを見つめていた。
「彼女はクールに思われがちですが、意外と負けず嫌いなのですよ。あなたもトレーナーの端くれならば、挑戦を受けても良いのではないですか?」
敵に言われると無性に腹が立つが、確かにその通りだ。
「……分かった。ただし一対一のシングルバトルだ」
「よいでしょう、レイは方式は選びませんからね」
こうして、イリスvsレイのバトルが始まった。
「ドルマイン」
ボールより繰り出されたポケモンは、紫色のボール型のポケモンで、頭(?)やその横に黄色い突起がついている。
ボールポケモン、ドルマイン。電気タイプのポケモンだ。
そしてこのドルマインはレイのポケモンではなく、エレクトロのポケモンだったりする。
「……何のつもりだ」
「いやなに、そこのお弟子さんがなにかしようものならば、爆発でもしてその行為を防ごうと思いましてね」
「…………」
そうしたいのはむしろこっちだ、とイリスは思ったが口には出さない。
「……行きなさい、ヤミクラゲ」
レイが繰り出すは、藍色の体に赤いコア、黄色い触手のあるポケモンだ。
「海月ポケモン、ヤミクラゲ。水と悪タイプね……なら、出て来いリーティン!」
イリスが繰り出すは、草タイプのリーティンだ。
「こっちから行くぞ。リーティン、マジカルリーフ!」
リーティンは念力でコーティングした葉っぱを飛ばし、ヤミクラゲを切り裂く。
しかし効果抜群のはずなのにヤミクラゲは平然としている。
「耐久力が高いのか……だったら一気に攻め込むしかない。グラスミキサー!」
リーティンは葉っぱを高速で回転させ、木の葉の渦を作り出してヤミクラゲを巻き込む。
「……ヤミクラゲ、ダークリゾルブ」
だがヤミクラゲは木の葉の渦を、闇のオーラで吹き飛ばしてしまう。
「……気合球」
そして気合を込めた球体を作り出し、リーティンに向けて発射。リーティンは気合球の直撃を受け、大ダメージを負う。
「くっ、リーティン、接近戦で行くぞ。燕返し!」
リーティンはヤミクラゲに接近し、葉っぱを振るって切り裂く。
「……へドロウェーブで引き剥がして」
ヤミクラゲは体から毒液の波を放ち、リーティンに攻撃する。これは効果抜群なので、リーティンもかなりのダメージを受けた。
「大洪水……!」
そしてヤミクラゲはどこからか大量の水を溢れさせ、辺り一帯に洪水のようにし、リーティンを押し流す。
「リーティン!」
水タイプの技なので、リーティンには効果いまひとつだが、それでもかなり効いている。このヤミクラゲは特攻も高いようだ。
「リーティン、かまいたち!」
リーティンは周囲に空気の渦を発生させ、葉っぱを振って真空の刃を放つ。
真空の刃はヤミクラゲを切り裂いたが、やはり決定打にはならない。
「……ヤミクラゲ、ダークリゾルブ」
ヤミクラゲは黒い闇のオーラを放ち、リーティンの体を蝕んでいく。
「リーティン、マジカルリーフ!」
リーティンはダークリゾルブを耐え切り、念力でコーティングした葉っぱを飛ばしてヤミクラゲを切り裂く。
「……ヤミクラゲ、ヘドロウェーブ」
ヤミクラゲは毒液の波を放ち、反撃に出る。リーティンはその波をかわそうとしたが、結局は喰らってしまう。
「……?」
そこで、イリスは異変に気付く。異変というか、違和感に。
(序盤に放ったヘドロウェーブよりも、威力が落ちてる……?)
見ればリーティンはダメージを受けたものの、そこまで深手は負っていない。
イリスは図鑑を取り出し、ヤミクラゲの使用した技を調べる。
「……大洪水、攻撃後に特攻が下がる……成程ね」
つまりこういう事だった。
ヤミクラゲはリーティンの耐久力を読み間違え、序盤で決めようと早くから大洪水を使用した。しかし大洪水は攻撃後に特攻がさがるデメリットがあり、今のヤミクラゲの特攻はかなり低くなっている。
「これなら……リーティン、燕返し!」
「ヤミクラゲ、気合球……!」
リーティンは葉っぱを振りかぶってヤミクラゲに突っ込むが、ヤミクラゲは気合球を放ってそれを阻止。
「……ダークリゾルブ」
そして闇のオーラを放ち、リーティンの体を蝕み、体力を削る。
ここまでは、イリスの作戦通りだ。
「よし、決めるぞリーティン。グラスミキサー!」
リーティンはあえてヤミクラゲの攻撃を喰らう事で、特性深緑を発動させた。そして深緑で威力が高まったグラスミキサーにヤミクラゲを巻き込み、地面に叩きつける。
ヤミクラゲは目が退化しているが、目があったならば目を回しているだろう。つまり、戦闘不能だ。
「…………」
レイはヤミクラゲを見下ろし、やがてボールに戻す。
「——まあ、この結果は仕方がないですよ。あなたが制限を解除すれば楽に倒せたでしょうが、それは今禁じられてますしね」
エレクトロは慰めているのか、レイに言葉をかける。
「さて、これで私達はお暇しますので……ドルマイン、マインブラスト」
エレクトロがドルマインにそう指示を出した瞬間、ドルマインの周囲が爆発した。
「ぐっ……!」
イリスは咄嗟にミキを庇うように動き、爆風で飛ばされないように踏ん張る。
「それでは、また会う時は戦の時。次は私がお相手いたしましょうか」
エレクトロは爆発に生じてトロピウスを出し、レイを乗せて飛び立つ。その際にドルマインもボールに戻す。
そして、一方的に宣戦布告をしてきた7Pは、自分勝手に去っていった。
今回はイリスとレイのシングルバトルです。そして地味にエレクトロの切り札登場です。エレクトロは英語で電子の意味ですから、電気タイプが切り札なのです。ちなみにドルマインはマルマインの進化系、ヤミクラゲはドククラゲの進化系です。一応これからは7Pの手持ちを明かしていきます、7Pの手持ちは全員が四体ずつ所持しているので、エレクトロは出尽くしました。一番なぞに包まれているのはフレイですね。まだノコウテイ一匹だけ……では、あとがきもこの辺で。次回もお楽しみに。