二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 69章 忍者 ( No.139 )
- 日時: 2011/08/14 11:57
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
Pベース西側七階。
ここではシザンことシザンサスと、7Pが一人レイがバトルを執り行っていた。
「サムラダケ、リーフブレード!」
「ヨノワール、シャドーパンチ……!」
サムラダケの刀とヨノワールの拳がぶつかり合い、競り合う。
しばし経つと双方とも技を解き、後ろに下がる。
「エアスラッシュ!」
「サイコキネシス……!」
サムラダケは刀を振って空気の刃を放つも、ヨノワールの念動力により打ち消される。
「そこよ、火炎放射!」
だがサムラダケは目聡くヨノワールの隙を見つけ、火炎放射を放つ。
しかしヨノワールは耐久型、なのでサムラダケの火炎放射と言えど、そこまで大きなダメージにはならない。
「ヨノワール……放電」
ヨノワールは空気中に電流を流し、広範囲に電撃を放つ。
草タイプを持つサムラダケに放電は効果いまひとつだが、隙を作るのには十分だった。
「シャドーパンチ……!」
ヨノワールはおよそ素早いとは言えない動きサムラダケに接近すると、影を纏わせた拳でサムラダケの顔面を殴りつける。
すると
「!? 麻痺……!?」
ヨノワールの体は麻痺してしまった。
これはサムラダケの特性、胞子の効果である。胞子は相手が直接攻撃を仕掛けてくると発動する事のある特性で、相手に胞子を擦り付ける——つまり相手を状態異常にするのだ。
「ラッキー。ならさらに、威張る!」
サムラダケは威張り散らし、ヨノワールの怒りを買う。そうする事でヨノワールの思考力を削ぎ、混乱状態にするのだ。
「麻痺と混乱でまともに動けない今がチャンス!サムラダケ、リーフブレード!」
サムラダケは袈裟懸け気味に刀を振るい、ヨノワールを切り裂く。ヨノワールを急所を切り裂かれたのか、大ダメージを受けてのた打ち回っている。
「火炎放射!」
「くっ……ダイヤブラスト!」
ヨノワールは麻痺した体と混乱した頭でなんとか起き上がり、向かって来る火炎に宝石のような白く輝く光線を放ち、相殺する。
「……やりますわね。ですが、その程度ではわたくしを倒す事はできませんよ。……ヨノワール!」
するとヨノワールは大きく叫び、自身を鼓舞する。その得体の知れない相貌もあり、その姿は見るものに恐怖心を植えつける。
「……そうでなくっちゃね。アタシだってまけないよ!サムラダケ!」
シザンサスも負けじとレイに対抗し、サムラダケは静かに刀を構える。
所変わってPベース南側五階。
ここではデインとアシドがバトルをしている。
「アメモース、怪しい風!」
「オンネット、凍える風!」
アメモースの放つ妖気を含む風と、オンネットの放つ凍てつく風がぶつかり合い、相殺し合う。
デインはバトル好きから、アシドは仕事放棄から、敵とのバトルを何気に楽しんでいた。
「サイコバレット!」
オンネットは鋭い銃弾のようなサイコエネルギーを無数に放ち、アメモースを攻撃。直撃は免れたが、かなりのダメージだ。
「まだだよ。アメモース、エクスレイン!」
アメモースは天井まで飛び上がり、そこから真空の刃を無数に落とし、オンネットを切り刻む。
「その程度、僕のオンネットには効かないよ!サイコバレットだ!」
オンネットは再びサイコエネルギーの銃弾を無数に放ち、アメモースを攻撃。しかし、その威力は最初の時よりも落ちていた。
見ると、オンネットは腹部に火傷を負っている。
これはサイコバレットの副作用だ。サイコバレットは確かに高威力で強力な技だが、代わりに自分を火傷状態にする事がある。
「それなら今がチャンス!アメモース、エアスラッシュ!」
火傷状態になれば攻撃力が落ちる。その隙にアメモースは空気の刃を放ち、オンネットを切り裂く。
「甘いね、火傷状態になっても、それを逆に利用すればいい。オンネット、燐火!」
オンネットは火傷している箇所から不気味に揺れる火の玉を取り出し、周囲に浮かべた火の玉と合わせてアメモースに向けて放つ。
アメモースは炎タイプ技である燐火を喰らい、弱点を突かれて大ダメージを受けた。
「燐火は火傷状態の時に使えば威力が上がり、なおかつ火傷状態も治せる技だ。これほどサイコバレットと相性の良い技は他にはないだろうね。さあオンネット、シャドークローで止めを刺せ!」
オンネットは影の爪を作り出し、アメモースに向かって行く。そしてその爪を振りかぶった所で
「アメモース、銀色の風!」
アメモースは銀色に煌く風を放ち、オンネットを吹き飛ばした。
「巧みに風を操るアメモースに不用意に近づいてくるなんて、無用心だよ」
アシドは自分の作戦が最後で失敗し、なおかつ敵に指摘され、露骨に舌打ちをする。
「チッ、折角上手く行きそうだったのによ……まあいいや。なんかこいつムカつくから、叩き潰して人体実験のモルモットにでもするか」
「え……」
デイン対アシド、このバトルはいつのまにやらデインにとって負けられないバトルとなった。
地下植物園から出ようとしているフレイだが、如何せん匍匐前進で地面を這っているため、なかなか前に進まず、しかも着ている浴衣は泥だらけである。
「ふぅ、着いたー」
フレイは植物園から出る前に、急遽フォレスが仮設した丸太小屋へと寄る。
そして地面を這って小屋に入ると、そこにはフレイよりも一つ二つ年下くらいの、ピンク色の髪の少女がいた。
より正確に言うならば、薬か何かで眠らされたミキが縄で縛り付けられていた。
「フォレスは抜け目ありありで詰めが甘いからねー。こういう事はあたしがフォローしなきゃー。……ハンゾウ、いるー?」
フレイが人の名前と思しき名を呼ぶと、どこからか音もなく、その人物は現れた。
立たせた黒髪に眼帯、服装は忍装束という、現代ではおよそありえない格好の男だ。
「指名を受け馳せ参じた。何用か、フレイ殿」
ハンゾウというらしい男は、口調も古風だった。
「この子が妙な事しないように見張っといてー。ついでに時間になったら英雄さんも呼んできてくれるー?」
部下に対する命令なのだろうが、どうにもパシっているように聞こえてしまう。
「承知いたした」
だがしかし忍というのは主君に忠実な者。ハンゾウは一言そう言うと、一瞬にして消えた。恐らく天井裏にでも隠れているのだろう。
「さてとー。あたしも持ち場に行かなきゃねー、なーんか無性に戦いたくなってきたなー」
言ってフレイは地面を這い、小屋から出る。
「んじゃま、この7P序列二位のフレイちゃんがー、侵入者さん達をやっつけに行くよー」
今回はシザンサスとデインのバトルです。ちなみにオンネットが使用した燐火の読みは、りんか、ですので。意味としては鬼火とそう変わらないです。では、次回もこんな感じで、最後には地下植物園。では、次回もお楽しみに。