二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 71章 言伝 ( No.144 )
- 日時: 2011/08/14 21:35
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
Pベース。
東側三階の廊下では7Pドランの部下、バルタとユウナのバトルが行われていた。
「ギャラドス、アクアテール!」
「オショウ、燕返し!」
ギャラドスは水を纏わせた尻尾をオショウ(カモネギ)に叩きつけようとするが、オショウは素早い動きでそれを回避し、通常よりも長いネギでギャラドスを切り裂く。
「辻斬り!」
そしてオショウは旋回してギャラドスの隙を目聡く見つけ、通り間際に長ネギで切り裂く。
「ぬぅ、氷の牙!」
ギャラドスは牙を氷結させてオショウに噛み付こうとするが、オショウは長ネギを立ててギャラドスの口の中に押し込み、つっかえ棒のように口を開閉できなくさせる。
「今だよオショウ、燕返し!」
ギャラドスが長ネギと悪戦苦闘している中、オショウは翼を使ってギャラドスを切り裂く。
その際に長ネギは外れ、中を舞ったが。オショウはそれを見事キャッチ。
「ギャラドス、アイアンヘッド!」
ギャラドスは頭部を鋼鉄のように硬化させ、オショウに向かって突撃。しかしオショウはそれを簡単に回避し、ギャラドスから距離を取る。
「オショウ、剣の舞!」
そしてオショウは剣のように鋭く舞い、攻撃力を高める。
「ギャラドス、破壊光線!」
ギャラドスは一撃で決める気なのか、全てを破壊するようなエネルギーを口内に溜め、それを撃ち出そうとする。
「オショウ、切り裂く攻撃!」
だがしかし、ギャラドスが破壊光線を発射する直前にオショウはギャラドスの急所を切り裂き、戦闘不能とした。
「ギャラドス、戻れ」
バルタはギャラドスをボールに戻すと、踵を返し、どこかへと歩いて行く。
「今回の任務は敵を引きつける事。二十分は稼いだ、ならば成功だろう。さらばだ」
バルタは前半独りで呟き、後半はユウナに向けて言う。
「ガルラーダ、サイコキネシス!」
「ブレイオー、かわしてメタルブラスト!」
ガイアとハルマのバトルは、なかなかの熱戦だった。
「熱風!」
ガルラーダは高熱の熱風を放ち、ブレイオーを攻撃。ブレイオーのタイプは鋼と格闘、炎タイプには弱い。
しかし
「ブレイオー、ストーンエッジ!」
ブレイオーは熱風を耐え切り、攻撃直後で隙が出来たガルラーダに鋭く尖った岩を突き刺す。
「追撃だ、リーフブレード!」
さらにブレイオーは刃に自然の力を込め、ガルラーダを切り裂く。
効果はいまひとつだが、急所を切り裂いたのでかなりのダメージだろう。
「ならばこれでどうだ。ガルラーダ、凍える風!」
ガルラーダはさきほどの熱風とは打って変わって、凍えるような冷風を放つ。
タイプ上ブレイオーには氷タイプの技はあまり効果がないが、凍える風は相手の素早さを下げる技。ガイアの狙いは、ブレイオーの足を封じる事だろう。
「くっ、ブレイオー、メタルブラスト!」
「させん。サイコキネシス!」
ブレイオーは多量の鋼を撃ち出すが、ガルラーダは念動力で全て相殺してしまう。
「喰らうがよい。ガルラーダ、ブレイブバード!」
ガルラーダは全身に燃る炎のようなエネルギーを身に纏い、ブレイオーに突撃してくる。如何にブレイオーといえど、この攻撃を受ければ大ダメージ、ないしは戦闘不能は免れないだろう。
だがしかし、ピンチはチャンスでもある。
「ブレイオー、爆裂パンチ!」
ブレイオーは突撃してくるガルラーダに合わせ、拳を突き出す。ガルラーダのブレイブバードとブレイオーの爆裂パンチがぶつかり合い、火花を散らす。
そして吹き飛ばされたのは、ガルラーダだった。
「なっ!? ガルラーダ!」
ガイアはガルラーダが押し負けるとは思っていなかったのか、かなり狼狽している。
「ぐぅ、トノッパーだけでなくガルラーダまでも破るとは……!だが、まだ我がポケモンは尽きていない。我の最後の切り札を見せてくれようぞ」
ガイアはそう豪語し、ボールを構える。
下っ端を蹴散らしながら上階へと向かうイリス。
そのイリスが六階へと足を踏み入れた時、その男は現れた。
「そこの貴様。真実の英雄に選ばれし者、イリスと見受ける」
男は音もなく、いつの間にか目の前に現れる。
あまりにも突然だったのでイリスは身構えるが、男からは戦意を感じない。
「そう身構えるな。拙者はハンゾウ。7Pが一人、フレイ殿に仕える者だ。此度は貴様に、言伝を伝えに来た次第だ」
イリスが言葉を返す前に、ハンゾウは口を開く。
「貴様の弟子は、拙者らの同胞であるフォレス殿が捕縛している。返してほしくば、ないしは助けたければ、地下にある植物園へと来るがよい」
「な……!?」
イリスはその事実に驚愕する。ミキはまだ幼いものの、バトルの腕は確かだ。そのミキが負けるとは思えない。
「なに、人を捕らえるにはなにも正面から向かうだけではない。例えば最も信頼する者に化け、気が緩んでいる隙に意識を奪う。拙者にはそれができるのだ」
ハンゾウはイリスの疑念に答え、一方的に用件を伝え終えると、音もなく去っていった。
「……こうしちゃいられない。早く、植物園に向かわないと……!」
イリスは今し方駆け上ってきた階段を駆け降りる。
やっぱしフレイのバトルは延期ですね。フレイはプラズマ団の隠し球ですから、重要な時に出てくるのです。そういえば前回のあとがきでは書き忘れていましたが、7Pの部下はそれぞれ7Pが率いる小隊に属しています。本編にもドラン率いる天龍隊とか、フレイ率いる焦炎隊とか出てきてるはずです。そのうち表か何か作るとします。では、次回も今回と同じ感じで、最後には植物園でのバトルとします。お楽しみに。