二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 86章 悪魔 ( No.170 )
日時: 2011/08/19 10:40
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/124.html

メタゲラスのアイアンヘッドとブレイドンのコメットパンチがぶつかり合い、互いに全身の力を振り絞ってせめぎ合う。
最初はブレイドンが徐々に押していたが、その後メタゲラスが最後の力を振り絞り、ブレイドンを吹っ飛ばした。
「よしっ、いいぞメタゲラス!グラビティコア!」
メタゲラスは頭上に超重力の巨大な黒い球体を作り出し、吹っ飛ばされたブレイドンに向けて放つ。
「ブレイドン!」
ブレイドンは超重力に押し潰されてしまい、戦闘不能となった。
「ブレイドン、ありがとう。戻って」
ミカンはブレイドンをボールに戻し、次の——否、最後のボールを構える。
「私のポケモンは残り一体。でも、私は最後まで諦めませんよ。出て来て、バフォット!」
ミカンが最後に繰り出すのは、全体的に黒っぽいポケモンだった。
体毛は灰色で、足の部分は黒。山羊のように湾曲した角も黒色で、額に生える一角獣のような角と蹄は赤色。
悪魔ポケモンと畏怖されるポケモン、バフォットだ。
「これはまた、手強そうなポケモンだな……メタゲラス、砂風!」
バフォットは鋼・悪タイプのポケモン。なのでメタゲラスは砂を舞い上げる風を巻き起こし、地面タイプ技である砂風を放つ。
しかし

「バフォット、ダークロアー!」

バフォットは黒い咆哮を放ち、襲い掛かる砂風を吹き飛ばした。
「な……!?」
流石のイリスも驚きを隠せない。メタゲラスの砂風はかなり高威力だ。それを咆哮一発で跡形もなく消し飛ばしたのだから。
驚愕しているイリスだが、ミカンはそれを待ってはくれない。
「バフォット、メガホーン!」
バフォットは赤い角を突き出し、メタゲラスに突撃していく。効果はいまひとつだが、とんでもないパワーだ。
「ぐっ、メタゲラス、ストーンエッジ!」
メタゲラスはバフォットの周囲の地面から鋭く尖った岩を飛び出させ、バフォットに突き刺すが
「き、効いてない……!?」
ストーンエッジは一つ残らず、バフォットの体に弾かれてしまい、砕け散ってしまった。
「このバフォットは防御力を中心に育成し、体の硬度を最大にまで高めています。なので物理攻撃はまず効きませんよ。バフォット、アイアンテール!」
バフォットは体を一回転させ、鋼鉄の如く硬化させた——いや、もとから鋼鉄のような尻尾をさらに硬化させ、メタゲラスに叩きつける。
その一撃でメタゲラスは吹っ飛ばされ、戦闘不能となってしまった。
「くっ、戻れメタゲラス」
イリスはメタゲラスをボールに戻す。
ミカンはバフォットには物理攻撃が効かないと言っていた。ならば特殊攻撃で攻めればいい。
「だったらこいつだ。出て来い、リーティン!」
イリスが繰り出したのは、草タイプのリーティン。モココという手もあったが、見る限りこのバフォットは意外と素早さも高い。なのでこちらも素早さの高いリーティンにしたというわけだ。
「リーティン、マジカルリーフ!」
リーティンは念力でコーティングした葉っぱを無数に飛ばし、バフォットを切り裂く。
草タイプの技なので鋼タイプのバフォットには効果いまひとつだが、特殊技だからか少しは効いているようだ。
「よし、それじゃあ続いてかまいたちだ!」
リーティンは周囲に空気の渦を作り出し、葉っぱを振って真空の刃をを無数に放つ。
これもバフォットを切り裂き、効果は薄いもののダメージを与えられる。
「バフォット、ワイルドボルト!」
だがしかし、やられてばかりのバフォットではない。バフォットは全身に激しい電撃を纏い、リーティンに突撃してくる。
「リーティン、かわしてマジカルリーフだ!」
リーティンはジャンプでワイルドボルトを回避し、念力でコーティングされた葉っぱを飛ばす。地味だが、地道に攻撃していく事も、バトルでは重要なのだ。
「かまいたち!」
さらにリーティンはかまいたちを放ち、何度も何度もバフォットを切り裂き、ダメージを蓄積させていく。
「バフォット、アイアンテール!」
「かわせリーティン!」
そしてバフォットの攻撃は、全てかわす。素早さが高めとはいっても、バフォットは元々鈍いポケモン。地力の素早さなら、リーティンの方が上だ。
「行くぞリーティン、グラスミキサー!」
リーティンは葉っぱを高速で回転させて木の葉の渦を作り出し、バフォットを飲み込もうとする。
しかし

「ダークロアー!」

バフォットは黒い咆哮を放ち、渦を消し飛ばす。するとリーティンは空中で身動きが取れず、隙だらけとなってしまう。
「しまった……!」
気づいた時には、もう遅い。
「バフォット、メガホーン!」
バフォットは蹄で地面を蹴り、一気に跳躍してリーティンに血のように赤い角を突き刺す。
メガホーンは虫タイプの技、なのでリーティンは弱点を突かれ、地面に落下。見れば目を回しており、戦闘不能だ。
「リーティン!」
これでイリスの残りポケモンは一体だけとなった。追い詰められたのだ。
「さて、次はどんなポケモンで来ますか?」
ミカンは明るい声だが、そのオーラは冷たく、鋭い。
まるで、鋼のように。



これ書いてて思い出しましたが、ハートゴールドでアサギジムに挑戦してミカンと戦う前に、会話が少しあって(まあどのジムリーダーでもありますが)、その時ミカンが使うポケモンは、と来てシャキーンと言ったのがやけに面白く、噴き出した事がありました。まあ、本人も恥ずかしかったようですが。さて、あとがきっぽい事を書いた今回ですが、そろそろ次回予告です。次回はイリスvsミカン、決着です。遂にあのポケモンが……!?前振りはこの辺にして、次回もお楽しみに。