二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 87章 煌き ( No.171 )
- 日時: 2011/08/19 21:11
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/124.html
「最後はお前だ。頼むぞ、モココ!」
イリスの最後のポケモンは電気タイプのモココだ。
フローゼルは物理型なのでバフォットに有効な攻撃が出来ず、キルリアは相性が悪すぎる。アブソルはまず言う事を聞かないため論外、という事でモココとなった。
「モココ、電撃波!」
モココは波状の電撃を高速で撃ち出し、バフォットを攻撃。
特殊技はやはり効くようで、大きくはないがダメージを受けているのが分かる。
「バフォット、メガホーン!」
バフォットは深紅の角を突き出し、モココに向かって突撃していく。
「モココ、コットンガードだ!」
対するモココは大量の綿毛に身を包み、バフォットの攻撃の衝撃を吸収する。つまりは攻撃を防御したのだ。
「スピンテール!」
そしてモココは綿毛から飛び出し、バフォットの顔面に回転させた尻尾を叩きつける。
効果いまひとつに物理なのでバフォットはほぼノーダメージだが、スピンテールは素早さを上げる事の出来る技だ。モココは鈍いので、それをカバーするために使用したのだ。
「そこからアクアボルト!」
さらにモココはスピンテールの反動を利用してバフォットの上を取り、電気を帯びた流水を放つ。
「バフォット、アイアンテール!」
「コットンガードだ!」
地面に着地したモココにバフォットは鋼鉄の尻尾を振って攻撃してくるが、モココは綿に包まってそれを防御。
「電撃波!」
そして綿を散らしながら波状の電撃を放ち、バフォットを攻撃。
バフォットは何度も攻撃を受けているものの、打たれ強いのか全然堪えていない。
「バフォット、ワイルドボルト!」
バフォットは全身に激しい電撃を纏い、モココに向かって突撃してくる。
「くっ、コットンガード!」
モココはその突撃を、コットンガードで防御。
コットンガードはあらゆる攻撃の衝撃を吸収する技。なのでほぼ全ての物理攻撃と、多くの特殊攻撃を完全に防ぐ事が可能だ。
「アイアンテール!」
だがバフォットはモココを包み込む綿を、鋼鉄の尻尾で執拗に攻撃する。
以前のコットンガードでは連続攻撃で綿が削られるが、今のコットンガードは削られても随時再生可能なので、連続攻撃にも耐えられる。
「その程度の攻撃じゃ——いや、どのような攻撃でもモココのコットンガードを破れはしませんよ」
「それは、どうでしょうね」
イリスの言葉を否定するようにミカンは返す。
バフォットはアイアンテールでの連続攻撃を止め、モココから距離を取る。
「これなら、効きそうですけどね」
そしてミカンは、バフォットに指示を出す。
「バフォット、ダークロアー!」
バフォットは黒い咆哮を放ち、モココを包んでいた綿を全て、一つ残らず消し飛ばす。
(しまった……!メタゲラスやリーティンの時と、同じ轍を踏んでしまった……!)
この場合は、二度あることは三度ある、とでも言うべきだろう。
モココはダークロアーを喰らい、防御壁である綿を吹き飛ばされ、完全に無防備な状態だ。
「アイアンテール!」
バフォットは一気に跳躍し、空中で一回転して鋼鉄の尻尾をモココに叩きつける。効果はいまひとつだが、バフォット自体の攻撃力が高いので大ダメージだろう。
「続けてダークロアー!」
さらにバフォットは黒い咆哮を放ち、モココを吹っ飛ばす。
ダークロアーは特殊技なのでアイアンテールよりもダメージは少ないようだが、それでもモココは戦闘不能寸前、満身創痍だ。
「では、これで終結です。バフォット、ワイルドボルト!」
バフォットは全身に激しい電撃を纏い、モココに向かって突撃していく。
モココの残り体力では、この攻撃を喰らえばまず間違いなく戦闘不能だろう。
万事休す、絶体絶命の危機。
しかしその時、希望の光は輝いた。
倒れたモココは起き上がり、煌く光に包まれる。
「!これは……!」
「まさかこの局面で……進化……!?」
モココは光の中で姿を変え、全く違う相貌となった。
まずモココの時にはあった綿毛が完全になくなり、ピンク色の体毛は黄色くなって、腹の辺りは白色だ。尻尾、首、両角には黒いラインが何本か引かれ、額と尻尾の球体は紅色に煌いている。
ライトポケモン、デンリュウ。モココノ進化系だ。
「…………」
ミカンはそのデンリュウをじっと見つめ、何か思いふけっているようにも見える
「ここで進化してくれるとは、流石だよ、デンリュウ。じゃあ早速、進化した君の力を見せてもらうよ。デンリュウ、メガショック!」
デンリュウはバチバチと弾ける激しい電撃をバフォットに向けて放つ。バフォットはその電撃の直撃を受け、結構なダメージを受けた。電撃波比ではない。
「あ……バフォット、メガホーン!」
ミカンはバフォットが攻撃されて我を取り戻し、バフォットに指示を出す。
「コットンガード……は使えないから、炎のパンチだ!」
デンリュウは綿毛がなくなったので、コットンガードが使えなくなってしまった。
しかし代わりに、強力な攻撃技を多数覚えたのだ。
デンリュウはバフォットのメガホーンをかわし、がら空きの胴体に炎を灯した拳を叩き込む。
「さらにパワージェムだ!」
デンリュウは炎のパンチを喰らって体勢を崩したバフォットに、輝く宝石を無数に放つ。
「くっ、まさかこんな短時間でバフォットの体力をここまで削るなんて……でも、私もバフォットもまだ諦めませんよ!バフォット、アイアンテール!」
「望むところですよ!デンリュウ、こっちもアイアンテールだ!」
バフォットの尻尾とデンリュウの尻尾がぶつかり合い、せめぎ合う。
最初はタイプ一致で威力が上がっているバフォットが有利に思えたが、次第にデンリュウがバフォットを押していき、遂には押し勝った。
「よし、止めだデンリュウ!アイアンテール!」
最後にデンリュウは、鋼鉄の尻尾をバフォットに叩き込み、勝利を収めた。
バトル終了後、二人は灯台で二人並んで、適当に話し合っていた。
「負けちゃいました……強いですね。あなたも、デンリュウも。あなたのデンリュウを見ているとアカリちゃんを思い出します」
「アカリちゃん?」
「私のデンリュウです。アサギシティの灯台を照らしているんです。でもいつの日か病気になってしまいまして、その時、とあるトレーナーさんが薬を持ってきてくれたんです。あなたは、どこかどのトレーナーに似てますね」
ミカンはそう言い、灯台の螺旋階段を降りて行く。
「私はそろそろ、ジョウトに帰ろうと思います。では、またいつか」
そして、去っていった。
今回は本編が長いので、あとがきは短めに。次回は今だバトってないベルとのバトルにしようかなーと思っております。では、次回もお楽しみに。