二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 88章 イリスvsベル 一 ( No.174 )
- 日時: 2011/08/20 20:40
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/124.html
ミカンとのバトルを終えたイリスは、翌日、ミキとともにサザナミタウンから出た。次の目的地はホワイトフォレストだ。
だが、その前に
「イリスー!」
後方から聞き慣れた幼馴染の声がする、ベルだ。
「ベル……どうしたの?」
「いや、出発する前にさ……あたしとバトルしない?」
どうやらバトルの申し込みのようだ。
「まあ、別に構わないけど……」
「じゃ。早速始めようか」
というわけで、イリス対ベルの始まりである。
方式は勝ち抜き戦で、使用ポケモンはなんと六体のフルバトルで行われる事となった。
「それじゃあ行くよ。出て来て、ベロリンガ!」
ベルの一番手は舐め回しポケモンのベロリンガ。分類通り、長い舌が特徴のポケモンだ。
「んー、ノーマルタイプじゃ、今のところ弱点を突けるポケモンはいないか……だったらこいつを使ってみるかな。出て来い、アブソル!」
イリスが繰り出したのは、今だイリスの言う事を聞かないアブソルだ。
「アブソル、今度こそ命令を聞いてくれよ。まずは思念の——」
と、イリスが指示を出す前にアブソルはベロリンガへと突撃していった。
「やっぱダメか……」
アブソルは尻尾を鋼のように硬化させ、ベロリンガの脳天に叩きつける。
「ベロリンガ、パワーウィップ!」
ベロリンガは長い舌をさらに伸ばし、勢いよくアブソルに叩きつけようとするが、アブソルは俊敏な動きでその攻撃を全て回避し、ベロリンガの隙を見つけ、鎌のような漆黒の角で切り裂く。
「本当にイリスの指示聞かないんだね……でも強い。ベロリンガ、水の波動!」
ベロリンガは口内より波動状の水を発射するが、これもアブソルは回避し、ベロリンガの顔面に思念の頭突きを見舞う。しかし
「ベロリンガ、トライアタック!」
ベロリンガは両手と口内から炎、雷、氷の三種の光線をそれぞれ放ち、アブソルを攻撃。いきなりだったためにアブソルは避ける事ができず、直撃を喰らって大ダメージだ。
「続けてアームハンマー!」
ベロリンガは腕をハンマーのように振るってアブソルに振り下ろす。ベロリンガは意外といろんな技を覚えるので、どんな状況にも、どんな相手にも対応できるのが強みだ。
しかし
アブソルは怒り狂ったような、燃え盛る炎を放った。
「これは……怒りの炎か!」
怒りの炎は瞬く間にベロリンガを包み込み、燃やし尽くした。炎が消える頃には、ベロリンガは戦闘不能だ。
「べ、ベロリンガ!」
流石にこの攻撃の威力には、イリスもベルも驚いた。ベロリンガは結構耐久力のあるポケモンなのだが、それを簡単に倒してしまうほどの技なのだから。
「戻って、ベロリンガ」
ベルは早くも倒れたベロリンガをボールに戻し、次のボールを構える。
「次はこのポケモンで行くよ。出て来て、フワライド!」
ベルの二番手は、気球ポケモンのフワライドだ。こちらも分類通り、紫色の気球みたいな体のポケモンだ。タイプはゴースト・飛行。
「悪タイプのアブソルに対してゴーストタイプのフワライドとは、何か作戦でもあるのかい?」
「どうだろうね……フワライド、銀色の風!」
フワライドはどこからともなく銀色に輝く風を放ち、アブソルに攻撃してくる。銀色の風はアブソルの弱点を突ける虫タイプの技なので、それがベルの狙いなのかもしれない。
しかしアブソルは大きく跳躍する事でその風をかわし、フワライドの頭(と言って良いのか悪いのか)に鋼鉄の尻尾を叩き込む。
「まだだよ!フワライド、ジャイロボール!」
フワライドはその場で高速回転し、アブソルを引き剥がす。そして回転した状態でアブソルに向かっていく。
「ジャイロボールは素早さが低いほど威力が上がる技、という事はあのフワライドは素早さが低いのか……?」
アブソルが勝手に戦うため、暇なイリスは一人思考している。
アブソルは結局ジャイロボールから逃げ切れず、鎌のような角が削れんばかりに火花を立ててジャイロボールを受け止め、そのまま切り裂いた。
「フワライド、シャドーボール!」
フワライドは体に付いている四つ足のようなひらひらからそれぞれ四つの影の球を放ち、アブソルを攻撃。
しかしアブソルはそれらの球を全て切り裂き、フワライドの顔面にアイアンテールを食らわせる。
「うぅ、だったらこれで、アクロバット!」
フワライドはさっきまでのゆったりした動きが嘘のように軽快になり、アブソルの背後を取って、その足(ひらひらの事)をアブソルの背に叩きつける。
「アブソル!」
だがアブソルはここまでであまり攻撃を受けていない。それにそもそもフワライドはそこまで攻撃が高いわけではないので、アブソルはまだまだ余裕で戦える状態だ。
アブソルは頭に思念を込め、フワライドの顔面に強烈な頭突きを喰らわせ、その直後に思念の頭突きの反動でフワライドの上を取り、鋼鉄の如く硬化させた尻尾を脳天(脳があるかは不明、たぶんあるだろう)に叩き込む。
耐久型のフワライドも流石にこの連撃は堪えるようで、あと一撃でも喰らえばやられそうだ。
「フワライド、シャドーボール!」
フワライドは最後の一撃のつもりか、普通よりも一回り大きな影の球を四つ、アブソルに向けて放つ。
だがしかしアブソルはそれらの球を全て切り裂き、フワライドに接近。フワライドの体も切り裂く、そして
フワライドは爆発した。
「!?」
アブソルも爆発に巻き込まれ、イリスの足元へと転がる。フワライドも体力が尽きたのか、口だけでなく目も×にしてその場に崩れ落ちている。
「フワライドの特性、誘爆。これは物理技を受けてやられた時、爆発して相手にダメージを与える技だよ。まあ、あたしのフワライドは爆発が大きいから、並のポケモンなら倒せるけどね」
つまりベルの作戦は、自爆覚悟でアブソルを道連れにする事だったらしい。
「随分と、えげつない事を考えるな、君は」
イリスはアブソルを戻しつつ、ベルに向かって言う。
現在状況イリスは五体、ベルは四体のポケモンが残っている。
イリス対ベルのバトルはまだまだ続きそうだ。
今回はイリスvsベルです。実は僕、フワライド好きなんですよ。ダイヤモンドでは飛行タイプにはムクホークを連れていましたが、谷間の発電所でフワンテ(ちょうどマーズ攻略後が金曜日だった)を見つけて、ムックルじゃなくてフワンテにしておけばよかった、と後悔したり。まあ、力量で言えばムクホークの方が圧倒的に強いですけどね。ちなみにダイヤモンドでの僕のメンバーはドダイトス、ムクホーク、レントラー、フローゼル、ラムパルドで、あともう一匹を忘れてしまったのです。一体どんなポケモンだったのやら。さて、あとがきはこの辺にして、次回もイリスとベルのバトル、お楽しみに。