二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 96章 時間 ( No.190 )
- 日時: 2011/08/28 12:55
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/124.html
「ハッサム、辻斬り!」
「ブーバーン、十万ボルト!」
ハッサムはブーバーンに向かって走り出すが、ブーバーンはハッサムを近寄らせない。
「気合球だ!」
ブーバーンは腕の先から気合を凝縮させた球を発射し、ハッサムを攻撃。しかし異様に素早いハッサムには、その直線的な攻撃は当たらない。
「ふふ、次はこの技です。ウッドハンマー!」
「ケッ、サイコキネシス!」
ハッサムは閉じたハサミに樹木の力を凝縮させ、ブーバーンに叩きつける。
しかしブーバーンにウッドハンマーは効果いまひとつ、かなりのダメージを与えたのは確かだが、倒すまではいかず、ブーバーンは反撃の念動力をぶつけてハッサムを吹っ飛ばした。
「おまけだ、オーバーヒート!」
ブーバーンはさらに全てを焼き尽くすような業火を放ち、ハッサムを炎に包み込む——
「ハッサム、襲撃です!」
——事は出来なかった。
ハッサムはオーバーヒートをかわし、ブーバーンの背後に回りこんでハサミによる一撃を繰り出し、ブーバーンを襲撃する。
「ブーバーン!」
ブーバーンはウッドハンマーのダメージもあり、戦闘不能となってしまった。
「くっ、戻れブーバーン」
ザキはブーバーンをボールに戻す。
それにしても、ハッサムの強さは規格外だった。まずブーバーンのオーバーヒートを喰らっても耐え切る防御力、効果いまひとつであるウッドハンマーと襲撃と二撃でブーバーンを倒してしまう攻撃力、そしてハッサムではありえないような素早さ。
これが、解放状態のエレクトロの力なのだろうか。
「次はお前だ。出て来い、エレキブル!」
ザキの二体目は、雷電ポケモンのエレキブルだ。
「行くぞエレキブル、まずは地震だ!」
エレキブルは地面を踏み鳴らし、大きく揺さぶって衝撃波を放つ。
「ハッサム、かわしてメタルクローです!」
ハッサムはその地震を跳躍して回避し、上空から閉じた鋼鉄のハサミによる一撃を繰り出す。
「掛かったな。炎のパンチ!」
エレキブルは電気コードのような二本の尻尾を巧みに操ってハッサムの腕を絡め取り、身動きを取れなくさせる。そしてその隙に。炎の灯した拳をハッサムの腹に叩き込む、吹っ飛ばす。
流石のハッサムもオーバーヒートに炎のパンチ、弱点を連続で突かれて体力が尽き、戦闘不能となった。
「戻りなさい、ハッサム……ふむ、不意討ちのオーバーヒートが効いたようですね。しかし次はそうは行きませんよ。さあ飛翔の時間です、トロピウス!」
エレクトロが次に繰り出すのは、フルーツポケモンのトロピウスだ。
「トロピウス、ダイヤブラスト!」
トロピウスは口腔より宝石のように輝く白色の光線を発射し、エレキブルを攻撃。
「エレキブル、かわして炎のパンチだ!」
エレキブルは意外と素早い動きで光線をかわし、炎を灯した拳をトロピウスの体に叩き込む。
効果抜群だが、しかしトロピウスにはあまり効いていないようだ。
「トロピウス、ドラゴンダイブです!」
トロピウスは翼を羽ばたかせて飛翔し、上空より勢いをつけてエレキブルに突っ込む。
「これは避けきれねえか……エレキブル、ギガスパーク!」
エレキブルは巨大な電撃の球を作り出し、突っ込んでくるトロピウスにそれをぶつける。
トロピウスはその巨大な電撃の球を突っ切ってエレキブルに激突したが、ダメージを受け威力は減衰されたようで、エレキブルはそこまで大きなダメージを受けなかった。
「行くぞエレキブル、ウッドハンマー!」
エレキブルは拳に樹木の力を込め、トロピウスの顔面に叩きつける。
「さらに炎のパンチ!」
続けて炎を灯した拳でトロピウスの顔面を殴って攻撃。
「ふふ、その程度の攻撃では、私のトロピウスは倒せませんよ。トロピウス、生い茂る!」
トロピウスは大きな雄叫びを上げる。すると地面に生えている草が急成長し、エレキブルを捕らえ、覆っていく。
「くっ、これは……」
「これでエレキブルは動けないでしょう。放っておけばあとは植物がそのエレキブルの体力を削ぎ落としてくれますが、ここは自らの技で止めを刺すのが礼儀。トロピウス、ハリケーン!」
トロピウスじゃ翼を大きく羽ばたかせ、猛烈な風を巻き起こす。そしてその風はエレキブルに直撃し、エレキブルは植物を引き千切りながら吹っ飛ばされていく。
「エレキブル!」
吹き飛ばされたエレキブルは近くに生えていた木の幹に激突し、目を回している。戦闘不能だ。
「もう終わりですか? PDOというのも、案外大した事ないですね」
ザキを嘲笑うようにエレクトロは言う。
「くっ……」
一応ザキにはまだ一体、戦えるポケモンがいる。しかしそのポケモンでは、きっとトロピウスは倒せないだろう事は分かる、分かってしまう。
「終わりというなら、私は任務を遂行させていただきます。貴方の妹さんは、頂きますよ」
そう言ってエレクトロはトロピウスに何か指示を出す。するとトロピウスは地ならしを起こしながらミキへと迫っていく。
「ぐっ、待ちやがれ!」
ザキがトロピウスに向かって走り出そうとした、その時
トロピウスは空から落ちてきたポケモンに、押し潰された。
「!? トロピウス!」
まさかの事態に、エレクトロだけでなく、ザキもイリスもミキも唖然とする。
すると、上空からまた違うポケモンが、舞い降りてきた。
「まったく、ザキ、君って奴は本当に向こう見ずの鉄砲玉だな。妹絡みになると、リオ以上に無鉄砲だ」
舞い降りてきたのは
「キリハ……」
PDOヒウン支部統括の、キリハだった。
今回はザキとエレクトロのバトルでしたが、見事にザキはやられてしまいました。一応手持ちにはテペトラーとデルビルがいる設定ですが、テペトラーはタイプ的に不利、デルビルはレベルが低く論外です。そして後からよくよく考えてみると、エレクトロの発言、なんだか変態っぽいですね。まあ、本人は気にしないでしょうけど。では次回はキリハがエレクトロとバトル……になったら、エレクトロ連戦ですね。まあ、その辺はいろいろと試行して、とりあえずは、次回もお楽しみに。