二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 101章 イリスvsN Ⅴ ( No.197 )
日時: 2011/08/24 10:14
名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

爆発のような念動力の衝撃波がフローゼルを襲い、フローゼルは吹き飛ばされた。
「フローゼル!」
だがフローゼルは派手に吹き飛ばされたものの、あまりダメージはないように見える。
「え……あれ?」
その意外な事実にイリスは首を傾げるが、その疑問もすぐに解消される。
「シルドールは圧倒的な防御力が特徴のポケモン。だけどそれは裏を返せば、攻撃力は低いという事。シルドールは防御は高くても、攻撃は大した事ないんだよ」
そういう事らしく、イリスも納得した。
しかしこれは状況が有利になったわけではない。かといってそこまで不利なわけでもないが、どちらかというとイリスが不利だろう。
防御が高い、という事はこちらの攻撃が通らない。そして向こうの攻撃は弱くても、威力が皆無というわけではない。つまり攻撃を喰らい続ければ、如何に攻撃力が低いシルドールの攻撃といえど、ダメージが蓄積していずれ体力が尽き、やられてしまう。
「シルドール、電撃波!」
シルドールは両盾から波状の電撃を放ち、フローゼルを攻撃。
これも大した威力ではないが、効果抜群なのでそれなりには効いているようだ。
「フローゼル、アクアテールだ!」
フローゼルはシルドールとの距離を一気に詰め、水を纏わせた二又の尾をシルドールに叩きつけようとするが
「シルドール、コスモパワー!」
シルドールは大宇宙の力を両盾に込め、フローゼルのアクアテールをその盾で防御する。
「だったら……氷の牙!」
フローゼルは氷結させた牙を伸ばしてシルドールに突き刺そうとするが、これも盾で防御されてしまう。
「サイコバーンだ!」
そしてシルドールは爆発のような念動力の衝撃波を放ち、フローゼルを吹き飛ばす。
「続けてシグナルビーム!」
さらに両盾の間から色彩を束ねたカラフルな光線を発射し、フローゼルを追撃。
「くっ、テラーソニック!」
フローゼルは反撃にと素早く腕を振って黒い衝撃波を飛ばすが、シルドールはまたも盾で防ぐ。
「電撃波だ!」
シルドールは両盾から波状の電撃を放ち、フローゼルを攻撃。
フローゼルはシルドールの連続攻撃を喰らってもまだ倒れないが、疲弊しているのがよく分かる。ダメージが蓄積しているのだろう。
「フローゼル、気合パンチ!」
フローゼルはシルドールに向かって突っ込み、気合を込めた拳の一撃を繰り出すが
「シルドール、コスモパワーだ!」
シルドールは大宇宙の力を込めた盾でその拳を防御し、弾き返す。
「サイコバーン!」
そしてシルドールは念動力の爆発を起こし、衝撃波でフローゼルを吹き飛ばす。
(やっぱりあの盾が厄介だな……)
流石にあそこまで連撃を叩き込んだのだから、全くのノーダメージで数値化したらHPが1も減っていないなんて事はないだろうが、どう考えてもフローゼルの方が先にやられる。このまま行けば、そうなる事は火を見るよりも明らかだ。
(あの盾がなければ、もしくはあの盾が届かない所に攻撃できれば……ん?)
あおこでイリスは気付いた。シルドールの攻略法に。
「そうか、そうだよな。だったら……フローゼル、気合パンチだ!」
フローゼルはシルドールに向かって飛び掛かり、気合を込めた拳を突き出す。
「無駄だよ。シルドール、コスモパワー!」
だがシルドールは大宇宙の力を両盾に込め、盾を巧みに操ってフローゼルの拳を防ぐ。
それこそが、イリスの狙いだった。
「今だフローゼル、後ろに回れ!」
フローゼルは拳を突き出して防御された反動を利用してシルドールの背後に素早く回りこんだ。
シルドールが防御できるのは盾が使える範囲だけ。ならば盾が届かない所、即ち背後に回って攻撃すれば、有効なダメージを与える事が出来る。
「フローゼル、アクアテール!」
フローゼルは二又の尾に水を纏わせ、荒ぶる波のようにシルドールの背中に叩きつける。
しかし

「シルドール、コスモパワー!」

シルドールは大宇宙の力を全ての盾に込め、フローゼルのアクアテールを防御する。
「な……?」
イリスは呆然としてしまう。無理もない。唯一攻撃できる箇所が、そこも盾だったとは到底気付かないだろう。
「残念だったね、イリス。正面と側面は両手の盾で守り、背後からの攻撃は背中の盾で防御する。このシルドールに、死角はないよ。シルドール、サイコバーン!」
シルドールは素早く背後のフローゼルに向き、両盾から念動力の爆発を起こす。そしてフローゼルはその爆発の直撃を喰らって吹き飛ばされ、戦闘不能となった。
「くっ……戻れ、フローゼル」
イリスはフローゼルをボールに戻し、次の策を練る。
(さて、どうするか。あのシルドールを倒そうにも、付け入る隙はない、だったら……)
イリスは次のボールを取り出し、構える。
「出て来い、メタゲラス!」
イリスの最後のポケモンは、イリスの手持ちで最も破壊力のある、メタゲラスだ。
イリスの作戦は単純明快、作戦とさえ言えないような作戦である。
端的に言うと、メタゲラスの高い攻撃力を生かして力任せに攻撃する、それだけだ。
「さあ行くよ、N」
イリスとNの対決も、そろそろ決着である。



結局100章記念は先送りにする事にしました。まあ、何も考えていなかった僕の責任ですね。では次回ですが、次回はイリスvsN、決着となります。お楽しみに。