二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 104章 楕円 ( No.206 )
- 日時: 2011/08/26 21:45
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「まずは小手調べだ。スモーガス、火炎放射!」
スモーガスは楕円形の体を割るように口を開き、灼熱の火炎を放つ。
「リーティン、かわしてかまいたちだ!」
リーティンは真上に跳躍して火炎放射を避け、周囲に巻き起こした空気の渦より真空のかまいたちを飛ばす。
かまいたちは全てまっすぐスモーガスに飛んでいき、その紫色で楕円形の体を切り裂いた。
「ちょこまかしてやがるな……スモーガス、ダークリゾルブ!」
スモーガスは全身に纏った闇のオーラを弾けるように放ち、リーティンを攻撃。闇のオーラはリーティンの体を蝕んでいく。
「さて、早いが仕上げだ。危険な毒素!」
スモーガスは大口を開け、そこから如何にも毒々しい塊を発射する。
(あれは……ヤバイ……!)
一瞬で判断、いや直感したイリスはすぐさま腰からボールを外し、リーティンをボールに戻す。
その直後リーティンが蹲っていた地面に毒の塊が直撃し、地面を抉るように溶解した。腐敗したと言ってもいいかもしれないが、どちらにしろ当たれば大惨事になっていただろう。
「ケッ、戻しやがったか。ま、その判断は正しいと言わざるを得ないな。なにせ、スモーガスの危険な毒素を喰らえば、もし耐えたとしても後々大変な事になるからね」
「…………」
イリスはアシドの言葉を聞き流し、次のボールを構える。
「せめてメタゲラスを使いたかったけど、Nとのバトル直後だからそうもいかない。だから君に任せる。頼むぞ、キルリア!」
イリスがリーティンと交代で出したのは、エスパータイプのキルリアだ。
「キルリア、サイコキネシス!」
キルリアは強力な念動力を破壊力を持つ念波に変換し、スモーガスにぶつけて攻撃する。効果は抜群なので、それなりには通用するはずだ。
「そんなちょこざいな攻撃で僕のスモーガスがやられるかよ。スモーガス、ダークリゾルブ!」
スモーガスは闇のオーラを身に纏い、次の瞬間には一気に放つ。
放たれた闇のオーラはスモーガスを中心に全方向へと隙間無く放たれるので、キルリアも逃げられない。
「キルリア、テレポートだ!」
と思ったが、キルリアは瞬間移動で既にオーラが通り過ぎたスモーガスのすぐ傍に移動し、ダークリゾルブを回避する。
「シグナルビーム!」
そしてキルリアは正面にいるスモーガスにカラフルな光線を発射して攻撃。効果はいまひとつだが、至近距離から、しかも直撃したのでスモーガスに隙を作らせるくらいは出来る。
「サイコキネシスだ!」
そこでキルリアはスモーガスの隙を突き、スモーガスの体を念動力で操作、そのまま地面に叩きつける。
あまりに見事な連撃に、アシドは呆然としているように見える。
それを見たイリスは今が攻め時と思い追加で指示を出そうとするが
「スモーガス、催眠術!」
スモーガスの傍に浮いていた立方体がキルリアの正面と背後に移動し、波状の何かを放射する。
するとキルリアは瞬く間に目を閉じ、その場に倒れ込む。
「キルリア!?」
「騒ぐなよ、眠らせただけだ。状態異状になったくらいで狼狽してちゃ、トレーナー失格だぜ」
まあ僕はトレーナーじゃないけどな、とアシドは続けた。
「ただま、これで決着だな。スモーガス、ダークリゾルブだ」
スモーガスは眠っているキルリアに闇のオーラを放ち、体を蝕んで体力を削る。
「キルリア……!」
眠ったキルリアは、その状態で戦闘不能となった。
「くっ……戻れ、キルリア」
イリスは悔しそうにキルリアをボールに戻す。
残るは相性で劣るリーティンと、言う事を聞かないアブソル。
毒と炎タイプはどちらもリーティンが苦手とするタイプ。アブソルはスモーガスに有効な攻撃技を持っているが、トレーナーの指示なしで勝てる相手ではないだろう。
「ここは君に頑張ってもらうしかないか……出て来い、リーティン!」
イリスが繰り出すのは、相性で劣るリーティンだ。
「リーティン、グラスミキサーだ!」
「無駄さ。火炎放射!」
リーティンは葉っぱをを高速回転させて木の葉の渦を作り出すが、その渦はスモーガスの火炎放射に掻き消されてしまった。
「危険な毒素!」
そしてスモーガスは大口を開けて有害な毒素で構成された毒々しい塊をリーティンに向けて放つ。
「リーティン、かわしてマジカルリーフだ!」
リーティンは横に跳んで危険な毒素を回避し、念力でコーティングされた葉っぱを無数に飛ばす。
葉っぱは全てスモーガスを切り裂いたが、如何せん効果がいまひとつなので大きなダメージにはならない。
「ほらほら、その程度の攻撃じゃ僕のスモーガスは倒せないぜ? ダークリゾルブ!」
スモーガスは身に纏った闇のオーラを弾けるようにして放つ。
「ぐっ……!」
繰り返すがダークリゾルブはスモーガスを中心とした全方位攻撃。避ける手立ては、まずない。
「くぅ……ここは一か八か、燕返し!」
本当はグラスミキサーが良かったが、それを撃つ時間はない。なのでリーティンはダークリゾルブの威力を軽減できる見込みがある葉っぱを使って襲い来る闇のオーラを切り裂こうとした。
しかし闇のオーラは切り裂かれず、砕けるように吹っ飛んだ。
「なぁ!?」
アシドは身を乗り出して驚愕している。しかしそれはイリスも同じだ。リーティンは今、新たな技を使用したのだ。
「今の技は……?」
イリスは図鑑で調べると、そこにはウッドハンマーと記されていた。
しかもそれだけでなく、どうやらリーティンは他にも二つ、新しい技を習得したようだ。
「リーティン……このタイミングで新技習得とは、流石だよ」
イリスはこの時決めた。
アシドはまだ狼狽している。だからその隙に、今のうちに連続攻撃を叩き込み、速攻でスモーガスを倒すと。
「さあ行くぞ、リーティン!」
そしてリーティン、スモーガスに向かって一直線に走り出す。
今回はイリスとアシドのバトル。キルリアはあっさりやられてしまいましたが、リーティンが新技を覚えて形勢逆転しそうです。では次回はリーティンの新技が炸裂。お楽しみに。