二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 107章 イリスvsハヤト ( No.213 )
- 日時: 2011/08/29 22:24
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
イリスとアシドの勝負、正確にはアブソルとスモーガスのバトルは、引き分け。
何故なら、アシドにはまだジバコイルが残っている。ダンカンスはNにやられてしまったが、まだジバコイルがいる。
なので総合的に見れば、イリスの負け。
だがイリスはNとのバトル後、つまり使用ポケモン三体の状態で戦っているので、四体使うアシドに対して一概に負けたとも言い難い。
まあ公式のバトルではないので、そんな細かい事はどうでもいい。
「ぐうぅ……この僕が、こんな奴と引き分けるなんて……!」
アシドは戦闘不能のスモーガスをボールに戻しつつ、悔しそうに呟く。
「だが、まだ僕にはジバコイルが——」
「もう終わりです、アシド様」
アシドがまだ続けようとするのを、上空から聞こえてきた声が制止する。
その声は様と敬称を付けてはいるものの、どこか気に食わない、気に入らない相手に言うような声だった。
「!てめえは……ソンブラ!」
アシドは上空——マフィアのボスみたいな雰囲気を出している烏のようなポケモンに掴まっている、まだ若い青年を睨み付ける。
アシドが言うに、その青年の名はソンブラというらしい。
ソンブラは一言で言って、真っ黒。黒い髪、黒い瞳、黒いブーツ、黒いジーンズ、黒いジャケット、黒いカッターシャツ、ベルトも黒く着色されている。ちなみに雰囲気も黒い、もとい暗い。
「ゲーチス様、及びエレクトロ様からの伝言です。『手持ちポケモンのうち三体までがやられたら撤退するように』との事です」
「なんだと……!?」
どうやらこのソンブラという青年は、アシドに撤退命令を伝えに来たようだ。
「戻るか戻らないかはあなたの自由ですが、戻らないならそれなりの報いを受けてもらいますよ」
ソンブラは淡々とした口調で言う。
アシドは納得がいかないとでも言うような顔でソンブラを睨みつけるが、ジバコイルに乗った状態でソンブラの傍へと上昇する。
「おい、英雄ども。言っておくが僕はまだ負けちゃいねえ。次会う時こそ、お前らの最期だ」
それだけ言い残し、アシドとソンブラは去っていった。
「さて、思わぬ邪魔が入ったけど、ハヤトさんの対抗策の話を続けようか」
「続けるも何も、そんな話はしてなかったはずだけど」
「さしあたっていくつか作戦はあるが——」
イリスのツッコミは無視。Nは最近こういう事にこなれてきた気がする。
「正直な事を言えば、それらの作戦は君の手持ちじゃまず使えない。だからやるとすれば、賭けだ」
「賭け?」
「そう、賭けだ」
Nはそう言いながら、鞄からとある物を取り出し、イリスに手渡す。
「それを使えば、もしかしたらハヤトさんを倒せるかもしれない。ポケモンが強くなれば、その分勝率も上がるからね」
その後Nは「けれども」と付け足す。
「それを使えば、正直バトルでは不利になる。つまり君が選ぶ選択肢は二つ。それを使わず挑むか、それを使って挑むか。どちらにせよリスキーなギャンブルには違いないけどね」
Nはスッと立ち上がった。
「僕はもう行くよ。君がそれをどう使うかは、君次第だ」
「……ありがとうね、N」
イリスは去り行くNに向かって、そう言った。
「気にするな。友達だろ」
そしてNは、そう返し、去っていった。
「さて、これをどう使うかが、勝利の分け目か……」
イリスは水色に煌く、目覚めるように輝くその石を見据える。
ハヤトは14番道路の奥、ホワイトフォレストの近辺にいた。相変わらず口笛で鳥ポケモンを呼んでいる。
「ハヤトさん」
「イリスか。リベンジしに来たのか?」
「まあ、そんなとこですね」
ハヤトは口笛を止め、イリスに向き直る。
「ふうん……前は二対二だったけど、今回は倍の四対四でやろうか」
「四対四だろうと六対六と構いませんよ」
「そうかい、それは重畳」
言ってハヤトは辺りを見回す。丁度良い事に、この辺はバトルをするのに適した環境だった。地面はほぼ平面で、それなりの広さがある。
「じゃ、まずは俺から出させてもらうとしよう。出て来い、プレゼンタ!」
ハヤトの一番手はデリバードの進化系、プレゼンタだ。体躯は進化して鳥っぽくなり、大きな白い袋を抱えている。
「なら僕はこのポケモンです。出て来い、メタゲラス!」
イリスが繰り出すのは、鋼と地面タイプを持つメタゲラスだ。
「こちらから行くよ。プレゼンタ、冷凍ビーム!」
プレゼンタは嘴から凍てつく氷の光線を発射する。
「メタゲラス、ストーンエッジ!」
メタゲラスは冷凍ビームを避けず喰らい、反撃のストーンエッジを放つ。
飛ばされた鋭く尖った岩はプレゼンタを直撃し、かなりのダメージを与えたようだ。
「このまま行くぞ、アイアンヘッド!」
メタゲラスは鋼鉄の頭を突き出し、物凄い勢いでプレゼンタに向かって突撃する。
「プレゼンタ、飛び上がって水の波動だ!」
プレゼンタは飛翔してメタゲラスのアイアンヘッドをかわし、真上から波動状の水を発射し、メタゲラスを攻撃。
「続けてエアスラッシュだ!」
さらにプレゼンタは空気の刃を飛ばし、メタゲラスを切り裂く。
「くっ、メタゲラス、グラビティコア!」
メタゲラスは上空にいるプレゼンタに向けて、超重力の黒い球体を放つ。
「プレゼンタ、かわして冷凍ビーム!」
プレゼンタはグラビティコアをかわし、メタゲラスに冷凍ビームを発射。
メタゲラスは大きく後退り、またプレゼンタも完全に避けられなかったグラビティコアのダメージで、地面に降り立つ。
「やるね、イリス」
「ええ、まあ。でもこんなのは序の口ですよ。真打登場はまだ先です」
「そうれは、楽しみにだな」
メタゲラスは体を起こし、プレゼンタは羽ばたく。
二匹のポケモンは、それぞれに向かって行く。
今回は大光さんのオリキャラ、ソンブラが登場しました。大光さん、キャラ崩壊などの不備があればお申し付けください。では次回はイリスと早とのリベンジバトルです。お楽しみに。