二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 109章 飛行 ( No.223 )
- 日時: 2011/08/30 19:09
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「ドゴン、怒りの炎!」
「デンリュウ、パワージェム!」
ドゴンはどこからともなく怒り狂うように燃え盛る炎を出現させ、デンリュウはそれを打ち消すべく煌く宝石を無数に発射するが、やはり(文字通り)火力負けし、デンリュウは怒りの炎に包まれる。
「ぐっ、まだだ!アイアンテール!」
デンリュウはすぐさま炎から飛び出し、鋼鉄の如く硬化させた尻尾をドゴンに叩き込む。
「やるな!ドゴン、辻斬り!」
ドゴンはすぐに体勢を立て直してデンリュウに向かって突っ込み、通り間際に翼で切り裂く。
「まだ続くぜ。ドリル嘴!」
さらにドゴンはすぐに折り返してデンリュウに纏わり付くように接近し、今度はどうやっているのかは知らないが嘴だけをドリルのように高速回転させてデンリュウに押し付ける。
さすれば必然的にデンリュウの体はさながらドリルで削られるように傷つき、効果いまひとつといえどかなりのダメージだ。
「デンリュウ、振り払え!」
デンリュウは体をぶんぶんと滅茶苦茶に揺らすが、ドゴンはしかっりと翼でしがみつき、なかなか落ちない。
「なら……メガショックだ!」
デンリュウは全身にバチバチと弾ける電撃を纏う。流石に電流が流れているデンリュウ(駄洒落ではない)の体にくっつく事はできず、慌てて飛び退いた。
「よし、今がチャンスだ!炎のパンチ!」
デンリュウは飛び退いたドゴンを追っての炎の拳を繰り出す。
「くぅ、ドゴン、怒りの炎だ!」
ドゴンはどこからか怒るように燃える炎を出現させ、デンリュウの体を包み込む。
「もう一撃だ!馬鹿力!」
さらにそこにドゴンは全身のリミッターを外した強烈な嘴の一撃をデンリュウに喰らわせ、デンリュウを吹っ飛ばす。
「デンリュウ!」
さしものデンリュウも怒りの炎と馬鹿力を喰らって立つことは出来ず、戦闘不能となってしまった。
「戻れ、デンリュウ。よくやってくれた」
イリスはデンリュウをボールに戻し、次のボールを構えた。
「さあ次はこのポケモン。出て来い、リーティン!」
イリスの次なるポケモンは草タイプのリーティンだ。
「リーティン、グラスミキサー!」
リーティンは葉っぱを高速回転させて木の葉の渦を作り出し、それにドゴンを巻き込もうとするが、ドゴンはそれを簡単に避けてしまう。流石、飛行タイプだ。
「だったらこれだ!エアスラッシュ!」
リーティンは葉っぱを連続で振り、四発の空気の刃を飛ばす。
ドゴンは一発目と二発目は避けたものの、残りの二発は避けれずに切り裂かれた。
「今だ、神通力!」
ドゴンが怯んだ所でリーティンは神々しき念動力のような力でドゴンの動きを抑え、地面に叩き落す。
「ドゴン!」
ドゴンは根性で飛び立とうとするが、根性なんかで抜け出せるほど、リーティンの神通力は甘くない。
「止めだリーティン!ウッドハンマー!」
リーティンは葉っぱに樹木の力を込め地面に伏したドゴンに思い切り振り下ろす。
轟音とともに地面は抉れ、そこには目を回しているドゴンが倒れていた。
「戻れ、ドゴン」
ハヤトはドゴンをボールに戻す。これでイリスとハヤト、互いの手持ちは二体ずつになった。
「俺の次のポケモンは、こいつだ。さあ出て来い、プテリクス!」
ハヤトの三番手は始祖鳥ポケモンのプテリクス。この前のバトルで、最も手強かった相手だ。
「結構早い真打登場だな……まあいいか。リーティン、ウッドハンマー!」
リーティンは葉っぱに樹木と力を吸収させて振りかぶり、プテリクスに振り下ろす。
「プテリクス、ウッドハンマーだ!」
が、プテリクスも翼と一体化した腕に樹木の力を宿し、こちらは振り上げるようにしてリーティンのウッドハンマーを止める。
「!?」
リーティンは葉っぱを振り下ろす力を強くし、またプテリクスも振り上げる力を強くする。
この状況は一見すれば互角に見えるが、実際は違う。この状況はプテリクスの方がリーティンよりも力が強いという事が証明されている。
まず振り上げるより振り下ろす方が力が入るものなのだが、より強く力を入れているリーティンとプテリクスは互角の状態。
つまりプテリクスの方が地力が上だという事が分かる。
そしてプテリクスは空いているもう片方の腕をリーティンの腹に叩き込み、吹っ飛ばす。
「葉っぱでしか叩けないリーティンと違って、プテリクスは両手を使える。それも力の差だ。プテリクス、ドリルライナー!」
プテリクスは嘴を突き出しつつ体を超高速回転させてリーティンに向かって突っ込む。空中で身動きが取れないリーティンではプテリクスの攻撃を避ける事もできず、効果いまひとつだが直撃を喰らって大ダメージだ。
「くっ、エアスラッシュ!」
リーティンは反撃にと空気の刃を飛ばしてプテリクスを攻撃するが。
「ストーンエッジで相殺だ!」
プテリクスは鋭く尖った岩を無数に発射してエアスラッシュを相殺。さらにリーティンにもその岩を突き刺して攻撃する。
「リーティン!」
ストーンエッジは急所に当たりやすい技。急所に岩が突き刺さったリーティンは戦闘不能となってしまった。
「さて、これで残るは一体だ。最後はどんなポケモンを見せてくれるんだ?」
ハヤトはプレッシャーを掛けるためか、イリスにそんな事を言ってくる。
だがイリスはそれで気圧されたりはせず、むしろ笑っていた。
「? 何がおかしい」
「いや、おかしいんじゃなくて嬉しいんですよ。僕も今から出すポケモンも。やっぱりやられっぱなしは嫌ですからね」
「……?」
ハヤトはイリスの発言が理解できていないようだ。
「ま、百聞は一見にしかず。聞くより見るほうが早いですよ」
言ってイリスはリーティンをボールに戻し、次のボールを構える。
「さあ、遂にお前の出番だ」
イリスの目は、何かに目覚めたように煌いていた。
今回はイリスとハヤトのリベンジバトルです。というか、しばらくそれです。まあ分かりきった事ですけどね。今回のラストはもったいぶるような事を言っていますが……れっきとした伏線です。大丈夫です、次回明らかになりますので。では次回は遂にあのポケモンが登場します。お楽しみに!