二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 115章 戦術 ( No.239 )
日時: 2011/09/04 22:47
名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html

イリスとは別行動を取ってプラズマ団を駆逐する事となったイリゼは、ホワイトフォレストを適当に歩き回り、敵を見つけては倒し、見つけては倒し、を繰り返していた。
そして
「おい、いつまでこそこそしてるつもりだ。ばれてねえと思ったら大間違いだぜ」
誰もいないように見える森の中で、イリゼは言う。すると
「やはり気付かれていましたか。どうりで隙を見せないわけだ」
近くに生えていた樹木の陰から、一人の男が姿を現す。
黒い短髪に紫色のハチマキが特徴で、頬には傷。銀色の服は膨れているが、どうやら中に何かを隠しているようだ。いや、膨れているのが分かる時点で、そこまで隠す気はないのかもしれないが。
「誰だ、お前?」
「私はザンバ。7Pたるアシドさま率いる毒邪隊の一人です」
男、ザンバは礼儀正しくもそう名乗った。
「ふうん。で、なんだ? 俺が隙を見せた瞬間に、俺の腰に付いているモンスターボールをスリ盗ろうとでもしたのか?」
「……これはこれは、鋭い観察眼だ」
どうやら当たっているらしい。
「まあその思惑は外れたわけだし、俺に呼ばれてのこのこ顔を出したってことは……やるか?」
「そちらがその気なら、それなりに」
二人はしばし睨み合うと、ほぼ同時にボールを繰り出す。
「出て来い、オムスター!」
「行け、サナギラス!」
イリゼのポケモンは、渦巻きポケモンのオムスター。トゲの付いたアンモナイトのような貝に、うねうねと動く水色の触手があるポケモンだ。
一方ザンバのポケモンは弾丸ポケモンのサナギラス。以前イリスが戦ったモスギスのバンギラス、その進化前だ。
「なんだ、進化してないサナギラスかよ。そんなんで俺のオムスターを倒せるとでも思ってんのか?」
「ええ、思ってますよ。だからこそ、このチョイスです。ではサナギラス、嫌な音!」
サナギラスは体を激しく擦って耳をつんざくような嫌な音を放放つ。嫌な音は文字通り不快な音を出して相手の防御を下げる技だ。
「はん、ちょこざいな技だな。オムスター、ハイドロポンプ!」
オムスターは嫌な音を聴きながら超高圧の激しい水流を撃ち出してサナギラスを攻撃するが
「サナギラス、かわして嫌な音」
サナギラスは意外と素早い動きでハイドロポンプをかわすと、再び不快な音を放ってオムスターの防御を下げる。
「だったら、これどうだ!原始の力!」
突如オムスターの周囲にいくつもの岩石が浮かび上がり、オムスターの周囲を旋回する。そして次の瞬間、旋回していた岩は次々とサナギラスに向かって飛んで行く。
「問題ないですね、全てかわしなさい」
サナギラスは次々と襲い掛かる岩を全て、ちょこまかと動き回って回避する。
「だったらもう一発、ハイドロ……いや——」
イリゼはそこで指示を止める。サナギラスはやけに動き回っており、標準が合わせられずハイドロポンプが撃てないのだ。
「ならこっちもそれに合わせてやるよ。オムスター、殻を破る!」
オムスターはアンモナイトのような殻を破り(と言っても表面だけ)捨て、防御を下げる代わりに攻撃と素早さを上昇させる。
「原始の力!」
そして周囲にいくつもの岩を浮遊させ、サナギラスへと放つ。そのスピードは最初のとは段違いだ。
「ふむ、これを避けきるのは難しそうですね……だったら、避けれない分を砕けば済む話。サナギラス、激突!」
サナギラスは飛来する岩を次々と避けていき、避けきれない分は自分から当たりに行って粉砕し、結果的にはほぼノーダメージで事を終えた。
「嫌な音!」
そしてまた、懲りずに嫌な音を出してオムスターの防御を下げる。
「さて、殻を破るもある事ですし、そろそろでしょうね。サナギラス、岩石封じ!」
サナギラスは地面を踏み鳴らして地中より岩石を隆起させ、オムスターを捕らえようとするが、素早さが上がっているオムスターは簡単にその攻撃を避ける。
「逃がしませんよ、岩石封じ!」
サナギラスは何度も何度も地面を隆起させてオムスターを捕まえようとするが、オムスターはなかなか捕まらない。
「ちっ、しつこいな……」
イリゼは思わず舌打ちをする。それほどにサナギラスは執念深く岩石封じを繰り出しているのだ。
オムスターはジャンプで岩石封じをかわし、着地する。その着地点は、サナギラスの正面と同一直線状で、かつサナギラスから離れすぎていない場所だった。
「今ですサナギラス、激突!」
サナギラスは思い切り勢いをつけてオムスターに突っ込んでいき、激突する。
「甘いな」
と思いきや、その前にオムスターは再度ジャンプしてその激突をかわしていた。ザンバとサナギラスの作戦は失敗したか、と思いきや
「甘いのは、あなたですよ」
オムスターが着地した瞬間、地面が隆起してオムスターは岩に捕らえられてしまった。
「さあフィニッシュです。サナギラス、馬鹿力!」
サナギラスは激突の時のように思い切り勢いをつけ、さらに体内のリミッターも外して完全な全力でオムスターに突撃する。オムスターはそのまま大きく吹っ飛ばされ、近くの木に衝突。一応オムスターはそこで止まったが、代わりに木が倒れた。
「まさか俺の裏をかくとは、やるじゃねえか。戻れオムスター」
イリゼはザンバを称賛しながらオムスターをボールに戻し、次のボールを構えた。
「んじゃま、第二幕開戦と行こうや」



今回はイリゼとパーセンターさんのオリキャラ、ザンバのバトルです。ザンバは持ち前のテクニックと戦術でタイプ的にも能力的にも不利なオムスターを下しました。さて次回はまた違う人のバトルとする予定です。誰がバトルかは、次回のお楽しみに。