二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 117章 減衰 ( No.247 )
- 日時: 2011/09/10 22:32
- 名前: 白黒 ◆KI8qrx8iDI (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「リーフィス、ハイドロポンプ!」
「サンドリル、ドリルライナー!」
リーフィスは超高圧の水流を噴射してサンドリルを攻撃するが、サンドリルは両手のドリルを高速回転させる事でその水流を全て弾いてしまう。
「シザークロス!」
そしてサンドリルは大きく跳び上がり、落下と同時に交差させた爪でリーフィスを切り裂く。堅いリーフィスと言えど、効果抜群の攻撃だ、結構効いただろう。
「だったら、大成長!」
リーフィスは多量の根っこを出現させ、地を這わせてサンドリルを攻撃するが
「無駄無駄、ぶち壊すだ!」
サンドリルは地面にドリルを突き刺して地面を割り、大成長による根っこの攻撃を防ぐ。地を這う攻撃である以上、地面を破壊されたら攻撃のしようがないのだ。
「リーフィス、ハイドロポンプ!」
「ドリルライナーで弾き返せ!」
リーフィスは高圧水流を発射し、サンドリルがその水流をドリルで弾く。
だがこれは、異常でこそないものの、少しおかしな現象ではある。
ハイドロポンプは水タイプの中でもトップクラスの威力を誇る技、そしてリーフィスも水タイプで、タイプ一致のために威力上昇。さらにこのリーフィスはPDOヒウン支部統括のリオが育てたポケモンだ。そのポケモンの必殺級の技が、フォレス如き(流石に失礼か、まあ構わないだろう)のサンドリルの攻撃で弾けるはずもない。
ないのだが、この場合はフィールドが悪いだろう。
フィールドと言うより、天候が。
「やっぱり、日照りはきついね……!」
今の天気は日差しが強い状態だ、日差しが強いと水タイプの技の威力が半減する。だからリーフィスの攻撃は、サンドリルに弾かれてしまうのだ。
「すぐ後ろに日照りを出してる奴がいるんだ、ここだって日照りの効果範囲内だろうぜ」
リオとフォレスが戦っている背後では、フォレスの部下であるティンと、ミキが戦っている。ティンが繰り出しているポケモンは特性、日照りを持つカンカーン。その日照りの効果で、今は日差しが強くなっているのだ。
「さて、お喋りはこのくらいにして、そろそろバトル再開だ。サンドリル、メタルニードル!」
サンドリルは背中の棘を鋼のように硬化させ、一気に撃ち放つ。無数の棘は全てリーフィスに突き刺さった。効果はいまひとつだが、何発か急所に刺さったらしく、リーフィスはかなりのダメージを受けた。
「こうなればあの手しかないかな……リーフィス、ハイドロポンプ!」
リーフィスは通常よりも少し長く溜めて、ハイドロポンプを発射する。
「無駄だつってんだろ、学習しねえ奴だな。サンドリル、ドリルライナーだ!」
サンドリルは向かい来る高圧水流に対し、高速回転させたドリルを突き出してその水流を弾く。
「メタルニードル!」
そしてすぐさま攻撃に転じ、鋼の棘を無数に発射してリーフィスに突き刺す。
「大分体力も減ってきたな……この分だと、すぐに倒せそう——」
とそこで、フォレスは気付いた。いや、この場合気づかない方がおかしいだろう。
サンドリルが倒れていたのだ。
ここで誤解しないで欲しいのは、倒れていたと言っても戦闘不能ではないという事だ。しかしそれでも、急に何の前触れもなくサンドリルは攻撃を受けたわけだから、自然フォレスは焦る。
「な、なんだぁ……何が起こってやがる……」
そしてまた、フォレスは気付いた。サンドリルはフォレスに背を向けているのでいまいち分かり難かったが、サンドリルの両腕と腹部の辺りに、何かが絡み付いている。
「これは、宿木の種……いつの間に……!?」
「ついさっき、ハイドロポンプに紛れ込ませたんだよ」
フォレスが考え込む中、リオは素っ気無く種を明かす、宿木の種なだけに。
リーフィスはハイドロポンプを撃つと同時に、水流の中に宿木の種をこっそりと紛れ込ませたのだ。ハイドロポンプが弾かれたとしても、種も一緒に弾かれ、気付かないうちにサンドリルの腕やら腹やらに植えられる。
「さてと、地中で暮らすサンドリルは嗅覚が鈍いからいまいち効き目が薄かったけど……そろそろかな」
「……?」
リオがそう呟き、フォレスは疑問符を浮かべる。だがフォレスの疑問に関しては、すぐに解消された。
「よく分からんが、いくら宿木で回復しようとも、それを上回る攻撃力でねじ伏せれば問題はない。サンドリル、ドリルライナー!」
……サンドリルは動かない。
「あぁ? おい、サンドリル!」
フォレスは怒鳴るが、やはりサンドリルは反応を示さなかった。
というか、サンドリルは戦意が萎えているようだった。
「リーフィスは甘い香りを常時発し続けていて、相手の戦闘意欲をなくす事が出来る。そのサンドリルはリーフィスの香りをたっぷりと吸ってるから、もう戦えないよ」
戦えないというのは、戦士からすれば最も悪い事態であり、敵からすれば、最も良い事象である。
「リーフィス、大成長!」
リーフィスは地を這う根っこをサンドリルに絡みつかせ、養分を吸い取って自分の力に変換する。
「ハイドロポンプ!」
そして力が溜まった所でフルパワーの水流を発射し、サンドリルを吹っ飛ばす。
「サンドリル!」
サンドリルは大きく吹っ飛ばされ、地面に落下する。日照りで威力が減衰してるとはいえ、大成長で威力が高まっているのだ、サンドリルに耐えられるはずもなく、サンドリルは戦闘不能となった。
今回はリオとフォレスのバトル、最初は日照りの影響でリオとリーフィスはピンチでしたが、後半はリーフィスの宿木の種と甘い香りで逆転しました。そういえば最近、あんまり更新してなかったなぁ……受験生は忙しいですね。では次回はミキとティンのバトルとなります、お楽しみに。